【ザスパ社長・細貝萌の生き様】終盤6連勝も14位フィニッシュ。現場に対して偽らざる思いを吐露「しっかりと認識し、表現してほしい」
でも結果的にはそのバランスがうまく取れていなかったのも事実です。今季はクロスからの失点、リスタートからの失点がリーグの中でも際立って多く、そこは大きな課題の1つでしたね。僕も守備の人間だったので分かりますが、守備陣は周りに声をかけながら組織で守るべき状況が多い。
サイドバックが攻撃参加しようとしても、攻守のバランスが取れていないのなら、センターバックの選手は彼らの上がりを制し、コントロールしなければいけない。これは一例ですけど、そういった意思統一や組織力が欠けていた部分があったのは否めなません。
とはいえ、課題が明確になっている分、確実に修正できれば、2026年のJ2・J3百年構想リーグ、そして夏に開幕する2026-27シーズンでは好成績を残せる可能性があるということ。しかも群馬は沖田監督体制の継続をすでに決めていて、今季の土台を基に上積みを図っていけるのだ。
そこは監督交代が決まっている降格組のロアッソ熊本、レノファ山口FC、愛媛FC、今季に低迷した松本などに比べると、アドバンテージ以外の何ものでもない。細貝社長、佐藤正美強化部長ら強化に携わるスタッフの沖田監督への信頼も揺らいでいないだけに、2026年こそは良い方向に進むのではないかという期待も少なからずある。
「監督の続投については、もう少し早く決められたら良かったですけど、J3残留が決まり、その方向で動き出せた。それはチームにとってのプラス要素です。
ただ、移籍マーケットはJ1から動き始めて、J2、J3という流れになる。今、ウチにいる選手でも上のリーグに行きたいと思っている選手もいるので、そういう選手が抜けたら、代わりの選手をすぐに補強しなければいけない。ここから来季の始動までの間が本当に勝負になってきますね」と、GMも兼務する細貝社長は佐藤強化部長と意思疎通を密にしながら、穴のない編成をしていくつもりだ。
今季のメンバーを見ると、最多得点者が9ゴールの西村恭史、それに続くのが6ゴールの青木翔大、高橋勇利也だ。シーズン途中にレンタルで加入したモハマド・ファルザン佐名、小竹知恩はそれぞれ3点、2点を挙げていて、クラブとしては残したい人材ではあるが、彼らの去就は未知数。今季のベースとなる戦力を残しつつ、新たな人材を適材適所で補強し、チーム完成度を引き上げていければ理想的。そうなるように細貝社長も最大限のサポートをしていく覚悟だ。
「中島大嘉を含めた期限付き移籍の選手たちは、元の所属先の来季の体制によって決まってくるので、それを考えるとギリギリまで交渉が続くと思います。西村や青木、高橋ら主力の選手にしても、より良い条件でステップアップできるなら引き留められないかもしれない。そこは現実的な問題ですね。
ただ、今季に活躍した選手たちは『ザスパのスタイルの中だからこそ輝けた』という例も少なくありません。僕としては彼らにはこのチームで成長して、上のカテゴリーに上がってほしいなという願いがあります。『自分が上のリーグに上げた』という経験をすることで、選手個々の価値も証明できると思うので、そうなってくれることを期待したいですね」
細貝社長は今季の14位という厳しい結果を真摯に受け止めつつ、2026年以降の大きな飛躍を目ざそうとしている。ベイシアグループの傘下に入ったから急激にチーム人件費が増えるわけではないが、Jリーグでの群馬の存在感を高めるために何をすればいいのかを、彼はスタッフとともに探っていく構えだ。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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