(C)空知英秋・大崎知仁/集英社・「3年Z組銀八先生」製作委員会

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大人気コミック『銀魂』の番外編である小説『銀魂 3年Z組銀八先生』がまさかのTVアニメ化。”銀魂まるちばーすアニメ”として、10月6日(月)より放送がスタートする。
キャッチコピーは「陽キャも陰キャも関係ない、銀魂流の青春がここにある!」。一筋縄ではいかない『銀魂』のキャラクターたちが、学園を舞台に大暴れする物語だ。
今回は、だらしなく着た白衣と死んだ魚のような目がトレードマークの担任教師・坂田銀八を演じる杉田智和さんに、作品の印象や銀八を演じる上で坂田銀時との違いをどう表現しているのか、お話を伺った。

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――『3年Z組銀八先生』のTVアニメ化を最初に聞いたのはいつ頃ですか? 映画『銀魂 THE FINAL』の時点で、すでに話は出ていたのでしょうか?

杉田:いえ、まったく。『銀魂 THE FINAL』が終わって、少し経ったくらいの頃ですね。バンダイナムコピクチャーズの皆さんが、事務所にいらっしゃったんです。プロデューサーさんも一緒だったので、「もしかしてTVアニメ版も銀時の声を小栗旬さんに変えるって話か?」とか、「『銀魂 THE FINAL』で何かやらかしたのか?」とか、いろいろ想像しました(笑)。
でもそこで、「新作をやります」と言われまして。当時、原作コミックが連載開始20周年を控えていたこともあったので、それに合わせた特典アニメか何かかな、と思ったら、「『3年Z組銀八先生』をTVアニメ化する」という話だったんです。それが、最初ですね。

――そのとき、どう感じましたか?

杉田:「これでもか」というくらい『銀魂』は終わるってコメントしてきた立場としては、もはや言葉が残っていないんですよ。「新たな気持ちで」と言われても、『銀魂 THE FINAL』からあまり時間も経たずにお話をいただいたので、何か特別な言葉を用意する余裕もなかったです。今も正直、メディア向けに気の利いたことを言える状態じゃないので、少し心苦しいです(笑)。

――スタッフもキャストも、ずっと「『銀魂』は終わります」って言ってましたからね。

杉田:そうなんですよ。「これが本当の最後」って大々的に打ち出してましたから。

――でも、まるちばーす作品は”別腹”ということで(笑)。ちなみに、原作小説はご存じでしたか?

杉田:アニメの収録当時に、小説が出るって情報が連載誌に載っていたような記憶があります。アフレコ現場でも「『銀八先生』の小説が出るらしい」って話題になっていた気が。『3年Z組銀八先生』自体は、TVアニメのおまけパートとして何度か収録したことがありましたね。本編とは派生して小説が出るというのは、作品がヒットしている証でもありますし、そうやって『銀魂』が新たな形で発展していくのは、ありがたいなと思っています。

――台本を読んだ感想はいかがでしたか?

杉田:TVアニメ化にあたって、いろいろ付け加える必要があったり、新たに考えなきゃいけなかったりする部分が多かったと聞いています。たとえば小説では、3年Z組の席順が決まっていなかったし、校舎の構造も曖昧なところがあったようで。
でも実際に映像を見たときには、そうした細かい設定までしっかりと作り込まれていました。こちらとしても、制作陣の努力に応えられるよう、きちんと取り組まなければ、と感じました。

――”銀八先生”こと坂田銀八というキャラクターには、どんな印象をお持ちですか?

杉田:坂田銀時と坂田銀八は別人なので、話し方やキャラへのアプローチは明確に変えています。もっと大きな視点で見ると、『3年Z組銀八先生』の世界と『銀魂』の世界はまったく異なるんですよね。
坂田銀時がいる世界は、命の危機がすぐそばにあるような過酷な環境ですが、坂田銀八の世界では、そこまでの危険にさらされることはありません。だから、口調やトラブルへの対応、危機に立ち向かう姿勢も全然違うんです。
何かあっても坂田銀八なら「はー、死ぬかと思った」みたいなギャグ時空のルールで、なんとかなるだろうという安心感がありました。

どんな生徒も見捨てない--
銀魂高校と銀八先生

――収録現場の雰囲気はいかがでしたか?

杉田:銀魂高校の生徒たちが”普通すぎる”せいで、普通じゃない3年Z組のキャストがガヤを兼ねるわけにはいかなかったのかもしれません。ガヤとして若い役者さんたちが新たに呼ばれたんです。
その役者さんたちが、ちょうど『銀魂』をリアルタイムで観ていた世代だったようで、憧れのアニメ現場に来たことがモチベーションになっていたのかな、とても生き生きと演じてくれて、それが良い方向に作用していたと思います。

――今作では、監督や音響監督などスタッフも一新されましたね。

杉田:新しいメンバーになりましたが、違和感はないですね。TVシリーズの『銀魂』でも、作画監督や演出を担当していた人が「次はお前が監督な」って指名されて、昇格していく--そんな”伝統のシステム”があったので、今回もそれに近い流れだと思っています。

――3年Z組の生徒たちには、どんな印象をお持ちですか?

杉田:観ればすぐわかると思いますが、コメディタッチの作風に合わせて、キャラクターも都合よく改変されているはずなんですよ。でも、「アイツとコイツのこういうところが違う」が、ストレスを感じさせない。これはすごいことだと思います。
長谷川(泰三)さんが生徒になっていたり、高杉(晋助)なんかも原作との違いを逆手に取って、それを面白さに変えていたり。”銀魂まるちばーすアニメ”ならではのやりとりは、きっと楽しんでもらえると思います。

――担任の銀八先生ですが、理想の教師像のような部分もあるのでしょうか?

杉田:銀八先生って、教育者として”落ちこぼれ”や”敗北者”、いわゆる”はみ出し者”がいたとしても、最後まで諦めずに向き合って、居場所を作ってあげられる人なんです。3年Z組は、普通の学校生活に適応できないような生徒たちをひとつにまとめて、ちゃんと”明日”を生きられるようにするためのクラスなんだろうなって思って演じています。

――銀八先生として、生徒に伝えたい言葉があるとしたら?

杉田:僕が銀八先生として生徒に伝えたいことがあるとするなら、「個性を尊重することは優しさにつながる。その気持ちを一人ひとりが持てば、自分にプラスになるんだよ」ってことですかね。
人と考え方が違うことが、子どもにとってはストレスの原因になって、それで苦しむこともあると思うんです。でも、生徒を見捨てない”銀魂高校”みたいな場所があるって思えたら、それがひとつの希望になるんじゃないかな。そして「こういうのでも大丈夫なんだ」っていう安心につながったら嬉しいです。
だから『3年Z組銀八先生』は、できれば”朝”にオンエアしてほしいんですよね。

――朝、ですか?

杉田:どうしても放送は深夜になりますが、『銀魂』を観て育った人たちが、もう親世代になっていると思うんです。表向きは「観ちゃダメ」って言っても、配信でも録画でもいいから、次の日の朝にこっそり子どもが観られるようにしてくれたらいいなって思います。

――最後に、放送を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

杉田:まったく終わらなかった『銀魂』というコンテンツが、今度はスピンオフ小説まで引っ張り出して 延命しています。皆さん、どうか作品に対して諦めることなく、楽しむことだけを考えてください。よろしくお願いします。ルールを守って、楽しい自由を!

杉田智和(すぎたともかず)
10月11日生まれ。AGRS所属。主な出演作はTVアニメ『SAKAMOTO DAYS』(坂本太郎)、『魔神創造伝ワタル』(龍神丸)、『九龍ジェネリックロマンス』(工藤発)、『青のミブロ』(近藤勇)、『らんま1/2』(九能帯刀)、『鬼滅の刃』(悲鳴嶼行冥)ほか。