『真・侍伝 YAIBA』©青山剛昌/小学館/真・侍伝YAIBA製作委員会

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 『名探偵コナン』の作者・青山剛昌によるマンガを原作としたアニメ『真・侍伝 YAIBA』が、4月から放送中だ。原作が連載されていたのは30年以上も昔のことだが、その物語は今でも変わらないビビッドな魅力を放っている。

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 その一方、令和の視聴者に受け入れられるよう、さまざまな点がアップデートされていることも印象的だ。今回は“令和仕様”に進化した要素と、同作の変わらない魅力について紹介していきたい。

 原作の『YAIBA』は1988年から1993年にかけて『週刊少年サンデー』(小学館)で連載されていたマンガ。最初のアニメ化は1993年4月のことで、『剣勇伝説YAIBA』のタイトルで放送された。

 主人公の鉄刃(くろがねやいば)は、異国のジャングルで父親に「真のサムライになれ」という教育を受けて育った野生児の少年。とあるきっかけで日本にやってきた刃は、剣術道場を構える峰家に居候として暮らし始める。

 しかしそんな生活が始まった矢先、剣道日本一の高校生・鬼丸猛と出会い、ライバルとして火花を散らすように。鬼丸は「風神剣」の魔力に呑み込まれて鬼となり、刃も「魔剣」をめぐる戦いに巻き込まれていく……。

 『真・侍伝 YAIBA』でもストーリーの流れは変わらないものの、旧アニメ版と比べると演出や設定の面で大きな違いがある。というのも新アニメでは時代設定を令和の現代社会へと置き換えているからだ。

 詳しく見ていこう。まず第1話では、刃たちが空港から峰家にタクシーで向かう移動シーンが描かれ、そこで現代的な東京の街並みが一気に映し出されることに。しかも東京スカイツリーが印象的に登場しており、アニメの舞台が現代に変わったことがはっきりと強調されている。

 またテクノロジーのレベルも現代に合わせており、第2話では鬼丸が姉とLINEのようなアプリでやりとりしているシーンが登場。そして第4話でも、山奥で修行をしていた刃に、ヒロインの峰さやかがスマートフォンを差し出してニュースを見せる場面が描かれていた。

 こうした演出によって、“昔のマンガ”という印象を払拭し、現代の視聴者と地続きの物語であることをアピールする意図があるのかもしれない。その試みは見事に成功しており、登場人物たちがより身近に感じられるという効果も生まれている印象だ。

 たとえばEDの映像では、Instagramらしきアプリで日常を投稿するさやかの姿があり、生き生きとした“今どきの女子中学生”として描写されている。

■“30年以上前の原作”だからこその魅力も また作中の設定とは別に、現代ならではの作画水準となっていることも大きな特徴。今回アニメ化を手掛けているのは、『SPY×FAMILY』や『進撃の巨人』(Season1~3)などのハイクオリティな作品を生み出してきたWIT STUDIOだ。

 そしてキャラクターデザイン・総作画監督の亀田祥倫は、映画『犬王』で「第1回新潟国際アニメーション映画祭」の大川=蕗谷賞に輝いた人物。サブキャラクターデザイン・メインアニメーターの前並武志も、凄腕アニメーターとして名を知られている。

 そのため作画レベルは最初からフルスロットル。第1話はアバンタイトルからド派手な戦闘シーンで始まり、ジャングルでの修行風景に峰家の道場破りとスタイリッシュなアクションが次々と描かれていた。その一方、細やかな描写も見どころで、竹刀の先端が防具の染料で青く汚れていたり、面を外した際に「むわっ」と湯気が溢れ出たりと、剣道に詳しい人を唸らせるようなこだわりが表現されていた。

 さらに鬼丸が「風神剣」、刃が「雷神剣」を入手すると、戦闘シーンはさらに迫力を増すことに。第6話では鬼丸の手下である八鬼の1人、バットガイとの戦いで、上空を高速で飛び回りながら戦闘する姿が迫力満点の作画で描かれていた(※)。

 作中設定も作画の水準も令和の最新アニメとしてアップデートされた同作だが、その一方で“古き良き魅力”があることも指摘しておきたい。その魅力とは、一言でいえば「少年心をくすぐるまっすぐさ」だ。

 たとえば一心不乱に“己の強さ”だけを追い求めて修行するという主人公・刃のキャラクター造形は、現代のマンガやアニメではあまり見られないほど純粋だ。ほかにも「伝説の魔剣を探し求める」というストーリー、「雷神剣」と「風神剣」という設定、主人公・ライバル・ヒロインという登場人物たちの配置など、いい意味で“直球勝負”な設定がてんこ盛りとなっている。

 1980年~1990年代の少年マンガ的な“カッコよさ”は、現代では「ベタな設定」として避けられがち。同作はそこをまっすぐに突き抜けているため、令和のアニメファンには逆に新しいものと受け止められるのではないだろうか。

 令和の世に蘇った『真・侍伝 YAIBA』は、古きを温め新しきを知る、温故知新を地で行くアニメだと言える。原作を知るファンはもちろん、そうでない人もぜひ視聴してみてほしい。

参照※ https://x.com/YAIBA_PR/status/1922577628113858665(文=キットゥン希美)