日産新型「GT-R」どう進化? 16年分の「熟成」はデザイン以外にもあり! 内外装以外の改良とは

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16年目の「GT-R」 デザイン以外で何が進化した?

 日産は、プレミアムスーパースポーツカーの新型「GT-R(2024年モデル)」を2023年1月13日から3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された東京オートサロン2023にて世界初公開しました。
 
 GT-Rは登場から16年が経過し、度重なるモデルチェンジを実施しています。内外装のデザインは数度変更されていますが、それ以外の部分では登場当初のモデルとくらべてどう進化したのでしょうか。

日産「GT-R」2007年登場当初(上)と2024年モデル(下)

 日産GT-R(R35型)は2007年10月に登場。それまで、同社が販売していたスポーツセダン・クーペの「スカイライン」の最高峰モデルである「GT-R」の血統を引き継ぎ、「究極のドライビングプレジャーを追求する」というコンセプトのもと、日産の技術を詰め込んだクルマとして立ち続けています。

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 通常長くても10年前後でフルモデルチェンジが実施される国産車としては異例ともいえる16年が経過してもなお、日本を代表するスポーツカーとしてありつづける稀有な存在といっても過言ではありません。

 しかし同じモデルではありながらも、2007年の登場時と比べるとデザインだけでなくエンジンをはじめとする走行性能面は常に進化を続けています。

 パワートレインは「VR38DETT」型3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンに、6速のデュアルクラッチトランスミッションと4WDシステムで登場当初の組み合わせとは変更はありません。

 2007年の登場当初は最大出力480馬力・最大トルク588Nmを誇りましたが、今回登場した2024年モデルでは570馬力・637Nmへと向上。専用チューンを施した「NISMO」モデルでは600馬力・652Nmを発揮します。

 同じエンジンを採用しながらも2008年の改良には485馬力、2010年では530馬力、また2011年には550馬力、そして2017年には現在の570馬力へと年次改良を重ねるごとに順調に性能が強化されています。

 このエンジン出力向上に合わせた形でボディにも改良が図られ、たとえば2010年の改良では、エンジンルームの隔壁にカーボン複合素材のストラットサポートバーを設定し、キャビン側ダッシュパネルにサポートメンバーを追加するなど、単に出力向上を図るだけでなく、そのパワーに耐えうる対応策も施されています。

 また、足回りのチューニングはエンジン改良よりも多くの頻度でおこなわれ、ショックアブソーバーの特性変更や、サスペンション取り付け部の強化なども実施することで、度重なるエンジンの出力向上に対応しながらも、上質な乗り心地を追求しているといいます。

 さらに、2017年の改良では快適性能を大幅に向上させたといい、吸音材や遮音構造を見直すことで、ロードノイズや風切音を低減。

 じつは2024年モデルでもノイズと振動が低減されたことについて言及しており、走行性能だけでなく、プレミアムスポーツカーらしく快適性能も向上していることがわかります。

 GT-Rは16年を迎えようとしていますが、単にデザインを変更するだけでなく、プレミアムスーパースポーツカーとして走行性能や快適性も進化し、時代に合わせたクルマへと変化し続けているようです。

※ ※ ※

 時代に合わせた進化をしているGT-Rですが、登場より10年以上経過し、国内外のライバルも変化していることから、完全なる新型モデルの登場を求める声が多いのも事実です。

 今後、次期型GT-Rが登場するならば、どのような方向性を目指してデビューするか期待がやみません。

 なお、2024年モデルのGT-Rは2023年春の正式発表・発売、またNISMOモデルは同年夏の発売を予定しているといいます。