中国は世界一の鉄鋼生産国だが、世界の鉄鋼価格に与える影響はそれほど大きくないようだ。中国メディアはこのほど、鉄鋼の価格決定権は中国ではなく、「日本にある」とし、その理由について分析する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国は世界一の鉄鋼生産国だが、世界の鉄鋼価格に与える影響はそれほど大きくないようだ。中国メディアの捜狐はこのほど、鉄鋼の価格決定権は中国ではなく、「日本にある」とし、その理由について分析する記事を掲載した。

 記事は、中国鉄鋼協会の統計として、中国の2020年の鉄鋼生産量は13億2500万トンで、世界生産量の67%を占めたと紹介した。このうち、粗鋼生産量は10億6500万トンで世界生産量の57%を占めたという。一方、日本の鉄鋼は世界生産量の約5%に過ぎないと指摘する一方、鉄鋼市場における価格決定権は世界シェアの約3分の2を占める中国ではなく、約5%の日本が握っていると論じた。

 この理由について記事は3つの理由があると分析した。1つが「日本は早くから原料となる鉄鉱石の分野に投資してきた」ことだ。世界各地の鉄鋼石生産地に投資していて川上産業からも利益を得られるので、原料価格が上がって川下分野が赤字になっても川上の分野で儲かるようになっていると説明した。このため鉄鋼価格に大きな影響力があるという。

 2つ目は「日本は鉄鋼の輸出量が多いこと」だ。生産量では中国は日本の約10倍だが、輸出量は日本の2倍にも満たないと伝えた。つまり、日本は生産した鉄鋼の多くを輸出しており、それだけ国際市場における競争力を有していることを意味すると指摘した。

 3つ目は「海上輸送」の分野で強いことで、国際的な競争力を持つ日本は鉄鉱石の先物価格をコントロールするだけの力を有していると分析した。鉄鉱石を輸入に頼る日本は、欧米よりも長い距離の海上輸送が必要なので、大型船舶を発展させてコスト削減を図っており、これが鉱物輸送市場における競争力強化につながったとしている。とはいえ、鉄鋼業界における中国の影響力はますます大きくなっており、日本もおちおちしていられないかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)