根尾昂(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

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2021年3月26日のプロ野球開幕を控え、他球団が起用法を注目しているのが中日の左翼だ。

中日スポーツなどによれば、与田剛監督は高卒3年目の根尾昂(20)を開幕レフトに据える意向を明かしている。だが、忘れてはならないのが、大ベテラン・福留孝介の存在だ。

福留の「勝負強さ」を他球団警戒

遊撃の定位置を狙った3年目の根尾は、このオープン戦、主に左翼で起用されている。19日のオープン戦・日本ハム戦(バンテリン)ではマルチ安打。本番はこれからだが、実戦を重ねて1軍の投手のスピード、変化球のキレに対応できるようになっている。

一方、阪神から14年ぶりに古巣復帰した福留。球界最年長の43歳は春季キャンプからファームで調整していたが、18日から1軍に合流。代打出場した21日のオープン戦最終戦・日本ハム戦(バンテリン)で右中間席にアーチを放ち、健在ぶりをアピールした。

開幕レフトは根尾が有力視されている状況だが、在京球団のスコアラーは「根尾より福留がスタメンで出てきた方が嫌ですね」と分析する。

「そもそも福留が代打の切り札として向いているかと言えばそうではない。阪神時代も代打でなかなか結果を出せなかったですが、初球からどんどん振るタイプでなく待球で球筋を見極めて結果を出す選手です。

福留も代打要員に甘んじることなく、当然レギュラーを狙っているでしょう。オープン戦最終戦での一発のように甘く入ればきっちりとらえるし、四球も選べるから出塁率が高い。勝負強い選手なので下位にいたら嫌ですよ」

実力の福留、将来性の根尾

一方の根尾について、スポーツ紙の中日担当記者は「根尾は現時点で福留に実力で及びませんが、1軍の試合で自分のスイングができるようになっている」として、

「一流になった選手たちは若手の時に首脳陣に我慢強く起用してもらった時を経てステップアップしている。将来の中心選手として期待しているからこそ、与田監督は起用法を色々考えていると思います」

と話した。