中国メディアに、中国のプロサッカーリーグにて来季からクラブ名に親会社の企業名を冠することが禁止されたことについて、ようやく「真のプロリーグ、プロクラブへと進む機会を得た」とする評論記事が掲載された。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・網易体育に15日、中国のプロサッカーリーグにて来季からクラブ名に親会社の企業名を冠することが禁止されたことについて、ようやく「真のプロリーグ、プロクラブへと進む機会を得た」とする評論記事が掲載された。

 記事は、中国サッカー協会が14日の会議で、1部リーグのスーパーリーグをはじめとする各級リーグ所属のクラブに対し、企業名を冠した名称の使用を禁止する通知が発表されたと紹介。この通知により、北京国安、天津泰達、山東魯能、杭州緑城といったおなじみのクラブ名が過去のものになると伝えた。

 その上で、この通知について「中国サッカーリーグの発展にとってはとても意義があり、クラブの地域化を実現するものだ」と評価。クラブの法人化整備が進み、長期的かつ体系的なビジョンを持つことにより100年続くようなクラブづくりへの動きを起こすきっかけになるとの見方を示し、「ある意味で、中国サッカーリーグを本当の『プロ化』へと進める重要な一歩と言え、さらには歴史を変える一大トピックとさえなりうるのだ」としている。

 そして、中国のプロサッカーが1994年にスタートして以降、現在に至るまで「ニセプロ」と揶揄(やゆ)され続けてきたと伝え、その理由として中国のクラブチームが地域や都市をベースとした「独立法人」ではなく、大企業の子会社、孫会社という性質を持ち続けていることがあると指摘。中国のクラブは親会社の意見や命令に従う必要があるため、真の意味での独立したプロのクラブとはかけ離れていると論じた。

 記事は、プロリーグの本質は都市どうし、地域どうしの文化的な競争という側面を持つべきであり、プロのクラブは所属地域の文化を体現すべきだとの持論を展開する一方で、中国のプロリーグは人や文化を柱としたクラブの価値の代わりに、金銭で何事も解決する状況に陥っているとした。そして、今回の名称の「中性化」について、中国サッカーにおける「クラブ」の属性を根本的に解決し、クラブが本来持つべき本質に回帰することにつながるとの考えを改めて示した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)