子どものころに必要なものとは(写真はイメージ)

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 新型コロナウイルスの影響で2か月近くに及んだ緊急事態宣言。学校や幼稚園・保育園は春休み前から休校が続いた。子どもと接する時間が増える中、「どうやって学習を進めればいいのか」「子どもとどのように接すれば、伸びる子になるか」をあらためて考えさせられた人も少なくないのではないか。

 そんな親たちにとって興味深い調査結果がある。20代〜40代の東京大学および東大大学院の現役学生・卒業生257人を対象にした、「自分が受けた幼少期の教育」に関するアンケートだ。アンケートを実施したのは、『東大卒ママたちに教わる、「東大脳」を育てる3歳までの習慣』をまとめた、「東大卒ママの会」。その調査結果からは、頭のいい子どもが育つ環境や声かけのポイントが見えてくる。

◆散歩中に花の数を数える

 アンケートでは、東大生の8割以上が、「小さいころから親とよく会話をしていた」と答えている。「お昼ごはんは何にする?」と子どもにも意見を問う簡単な会話に加え、“なぞなぞ”や“しりとり”などの言葉ゲームを日常的に行っていたと回答する東大生が多数いた。具体的に列挙してみよう。

●親は、意識的に形容詞をつけて語りかけていた。例えば「車だね」ではなく、「赤い車だね」といったもの。
●散歩中や遊びの中で数を数えていた。「この花、◯本あるね」「ミニカーは何台あるかな」など。
●ドライブ中は、親子で「看板の漢字あて」クイズ、「車のナンバーを足して10にする」遊びをしていた。
●絵本の読み聞かせでは、「が」や「を」などの助詞をはっきりと読む。

 日本語は助詞を聞くことで、主語が誰で、目的語は何か判断できる。小さい頃から助詞を会得することで“国語脳”が育まれるという。こうして遊びや暮らしの中の会話を工夫するだけで、学びに直結するわけだ。

◆約半数の東大生のリビングには、図鑑や地図が置いてあった

 東大生は幼少期に親と、図鑑や地図でよく調べ物をしていたこともアンケート結果で分かっている。リビングに置いてあって勉強に役立ったもの(複数回答可)の1位は絵本・本(159人、62%)、2位が図鑑(125人、49%)、3位は地図(109人、42%)だ。リビングに図鑑を置いておけば、子どもの疑問にすぐに答えることができるし、子ども自身も調べる習慣が身につく。

 実際、アンケートに答えた東大卒ママは、「休日に裏山まで、図鑑で見た植物を父親と探しに行くのが楽しみでした。初めて見る葉っぱなどは持ち帰って父と図鑑で探しました。わからないことを調べる楽しさを知ったのはこの時でした」と語っている。

 このほか、リビングに置いてあって勉強に役立ったものの回答には、「地球儀」のほか、「料理のレシピ本があり、それで数の計算や食材について学んだ」というエピソードも。家で長時間過ごすリビングは、子どもの探究心をアップさせる絶好の場だといえるだろう。

◆セーラームーンで惑星を覚えた

 マンガやアニメも、知識の吸収に役立ったという。アンケートでは、「『美少女戦士セーラームーン』で星座と惑星の名前を覚えた」という声が少なくなかった。そのほか、「『ポケモン』で動物の英語を覚えた」「戦隊もので恐竜や昆虫の名前を覚えた」「好きなキャラクターの絵本を読みたくて、ひらがなを覚えた」といった声も。つい「マンガ読み過ぎちゃダメ!」といいたくなるが、それも大切な学びにつながっているのだ。前出の『「東大脳」を育てる3歳までの習慣』の著者である東大卒ママの会のひとり、Wさんが語る。

「自分たちが幼児期に難しいことをしていたかといえば、決してそうではありません。勉強机に向かう教育ではなく、親子のコミュニケーションやちょっとした遊びの中で脳を育てていたのだと思います。勉強だ!やらなくてはいけない!と気負わず、親子で楽しみながら取り組むことをおすすめします」

 東大に入った人たちの子ども時代のエピソードには、多くのヒントがありそうだ。