「金目当ての女と思われた?」年収1,000万超の商社マンが言った言葉に、女が冷めた瞬間
「この子、俺に気があるんじゃ…?」
男は何故すぐに、そう思い込んでしまうのだろうか。
周囲を見渡して見ても、やはり女性より男性の方が“脈あり”を客観的に判断できない傾向にあるように思う。
今この瞬間も、男たちの一方的な勘違いにより被害を被るアラサー女子は後を絶たない。
これまで高級鮨屋での惨劇、勘違い既婚男、車自慢男、「俺のこと待ってたよね」男をお届けした。さて、今週は?

【今週の勘違い報告】
年齢:31歳
職業:フリーランスPR
勘違い報告Vol.5:「男性が思うほど、女はお金じゃ動きません 」
グランドハイアット東京『フィオレンティーナ』。
都内屈指のラグジュアリーホテルにあるレストランに、今回の報告者・山下千尋は、さも勝手知ったる様子で現れた。
肩の落ちたトップスにスキニーデニム、Diorの新作ブックトートを携えクリア素材のヒールで颯爽と歩く。席に着くとメニューも見ずに「アイスラテ」とオーダーした。
フリーランスでPRをしているという彼女だが、初対面のこの一瞬で、普段から比較的余裕のある生活を送っていることが窺えた。
「聞いてくれます?私、少し前にデートしていた男性がいたんですけど…その彼に結構なひどいセリフを吐かれたんです」
話の内容とは裏腹に、彼女の表情に傷心の色はない。まるでこれから笑い話を語るかのような明るさである。
そして実際「あはは」と笑ってみせてから、千尋は再び口を開いた。
「お互いの結婚観について話をしていた時です。彼が急に防御の構えを見せはじめて。神妙な面持ちで何を言い出すのかと思ったら…」
心外もいいところ、という表情で大げさに目を見開き、彼女はまるで告げ口をするかのように唇を尖らせた。
「まさか、あんな風に言われてしまうとは思いませんでした」
派手めのPR美女・千尋。彼女が出会った、勘違いエリート男の素性とは
千尋を憤慨させたのは、柳田という男だ。
36歳独身のエリート商社マン。千尋はこの男と、マッチングアプリを通じて知り合ったという。
「別に結婚を焦っているわけではないのですが…友人に勧められたんです。普段の生活で出会える人の数なんてたかが知れている。アプリで効率的に出会いを探した方がいいって」
そして、初めて会うことになった相手が柳田だった。
しかも過度な期待をしてなかったのが逆に良かったのか、初対面した柳田は思いがけずいい男だったのだ。
「若いうちに選り好みして、その後駐在で婚期を逃した典型パターンだと思います。私の好きな濃いめの顔立ちで見た目もいいし、女性のエスコートも手馴れてる。本帰国したタイミングで出会えたのはラッキーだったなって」
そんな風に語る千尋の方も、31歳まで結婚に縁がなかった。
彼女は現在フリーランスのPRを名乗り、美容やアパレル系企業を複数掛け持ちするやり手。1年前には法人化もしており、順調に売り上げを伸ばしているという。
しかし生活に余裕が持てるようになったのは最近のこと。
雇われの会社員は性に合わないと、新卒入社した広告代理店をたった3年で辞めてから、20代の頃はまさに“なんでも屋”よろしく走り回った。
イベントの手伝いや人集め、キュレーションメディアのライターをしたり、仕事になりそうなことはなんでもした。
そうやって貪欲に食らいついてきた結果、培ってきた人脈と信頼が実を結び、現在の安定に繋がったのだ。
「負け惜しみに聞こえるかもしれないけど、ずっと恋より仕事でした。私は四国の出身で、東京に頼れる家があるわけでもない。稼ぎがないと生きていけないのでそりゃあ必死です。
もちろん、何人かお付き合いした方はいますよ。仕事柄顔は広いので、中には億プレイヤーの経営者から言い寄られたこともありましたけど…人生を共にしたいと思うような方には出会えませんでしたね」
自身の20代を語り終えると、千尋は「あ」と小さく声を上げる。そして「つまり私も、選り好みしていたってことですね」と笑った。
30歳を過ぎ、ようやく自分にも仕事にも自信が持てるようになったという千尋。
柳田との出会いは、タイミング的にもちょうど良かったのだ。

「確かに私にも反省すべき点はあります。…というのも友人からのアドバイスで、自分が女社長だとか、そこそこ稼いでいるとか、そういう話はしないようにしていたので。柳田さんの方が歳も上だし、エリート商社マンとかプライド高そうだからとあえて言わなかったんですよ」
千尋は柳田に「フリーでPRをしている」とだけ伝えたのだという。
「きっと彼は、私が自分と同レベルに稼いでいるとは思いもしなかったのでしょうね。どこに住んでるか聞かれて代官山と恵比寿の間って答えたら、それはちょっと頑張り過ぎじゃない?なんて笑われましたから」
とはいえ、千尋にとって柳田の印象は決して悪くなかった。
「最初に話しましたが、見た目も結構好みなんです。あと私、自分がそうじゃないからこそ組織で頑張っているエリートが好きで。金曜夜にスーツ姿の彼と待ち合わせると、なんかドキドキしちゃったりして」
好意を抱いたのは柳田も同じだったようで、二人はスピーディーに交際を開始。早々に“そういう関係”にもなった。
「私は彼の人となりをいいなと思っていたんです。それなのに…」
「なぜそういう発想に…?」拗らせエリート商社マンの勘違い発言
「思い起こせば最初から、私の持ち物を密かにチェックしているような感じがありました」
当時の様子を思い出すようにして、千尋はアイスラテのストローを弄ぶ。その指には、ダイヤ&カラーストーンのリングが重ね付けされていた。
「確かに私の持ち物って派手だしブランドも好きだから、“金のかかりそうな女”だと思われていたかもしれないですね。まあ、それはその通りなんですけど(笑)」
「あはは」と再びあっけらかんと笑う千尋。
「彼に会うときは地味にした方がいいのかな、なんて考えたりもしましたが…それもなんか違うと思ったし、彼の視線は気にしないフリをしてやり過ごしていたんです」
そもそも高級品を好むのは彼女の自由だ。彼女が自分で稼いだお金をどのように使おうが、誰に責められることではない。
ところが…デートを重ね、関係が深まってきたある日のこと。
柳田が聞き捨てならないセリフを口にしたのだ。

神谷町にある彼のマンションで夜を過ごしていた千尋は、さりげなく“結婚”の話題を持ち出した。
千尋としても別に焦っているわけではない。ただ36歳と31歳の男女の付き合いであるから、お互いの結婚観は早めに聞いておいた方が良いと思ったのだ。
しかし“結婚”の二文字を口にした途端、柳田の表情はわかりやすく固まった。
そして急によそよそしい態度を見せると、一線を引くような口調でこう言い放ったのである。
「最初に言っておくけど、俺の稼ぎをアテにされても困るから」
−…はい?
それって、どういう意味…?
なぜか急に上から目線となった柳田の言葉を、千尋はにわかに咀嚼できなかった。
「だって、見当違いもいいところです。私、人の稼ぎなんかアテにしなくたって生きていけますから。これまでよっぽど収入や肩書きに寄ってくる女しかいなかったんでしょうか。だとしても、そんな女たちと一緒にされたことがもう…屈辱、でしたね」
柳田に“金目当て認定”されてしまったことで、せっかく盛り上がっていた千尋の心は瞬時に冷めた。
「金目当てならわざわざあなたを選んだりしませんって、よっぽど言ってやろうかと思いました。女をバカにするのもいい加減にしてほしい。一部の寄生女は別として、まともな女はお金なんかで自分の大事な人生を売ったりしません。金さえあれば…なんて、男の勘違いですよ」
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