フィルターの放置は付着したゴミが腐り悪臭を放つ

 最近では一年中、エアコンはオンにしたままということが多いだろうが、大活躍するのはやはり夏だ。毎年、猛暑続きだけになおさらである。エアコンは昔ほど悪臭が漂ったり、パワーが食われたりすることはないが、それでも夏前には一度しっかりとメンテをしておきたい。そのポイントを整理して紹介しよう。

1)エアコンフィルターの点検

 エアコンからなぜ悪臭が出るかというと、大きな原因としては内部に溜まったゴミ(虫の死骸や葉っぱなど)が腐るから。現在はゴミが入り込まないように、普通車だけでなく軽自動車にもフィルターが付けられているのだが、これが汚れやすい。

 多くはグローブボックスの奥(一部はセンターコンソールの裏)に設置されていて、簡単に取り出せるので、点検して汚れていれば交換する。安いものなのでケチってはダメだ。

 またフィルターに付ける、わさび成分を使った消臭・除菌グッズもあるので、併用してみるのもいいだろう。

エアコンガスのチェックは基本中の基本

2)吹出口をクリーニング

 常に風が出ているだけに、汚れやすいのが吹出口だ。細かいメッシュ状のところは面倒だが、綿棒を使って拭いていく。大きなものは、割りばしに布を巻いてできるだけ奥まできれいにする。予想以上に汚れが凄くてビックリすることもあるほど。

 内気循環の車内での吸入口は前席の足もとにあるので、こちらも掃除機をかけるなどしてきれいにしておくといい。

3)エアコンガスと添加剤

 基本的にはガスは抜けないが、それでも10年以上経っていてるクルマは減っていることがあるのでプロに見てもらうといいだろう。その際に専用のエアコンガス添加剤を注入してもらうと、エアコン内部の保護・潤滑だけでなく、エンジンの負担低減などに効果が期待できる。

 最後にコンプレッサーについて。従来のものは電磁クラッチでオンオフをしていて、カチッと音がするのはそのため。最近は常に回り続けている、外部制御式連続可変容量コンプレッサーというのが主流になってきた。軽量でエンジンへの負担も減るのだが、なんらかの理由でガスが抜けてそのまま走りつづけるとロックしてしまい、コンプレッサー全交換になるので要注意だ。くれぐれもエアコンが効かないだけだから走っても大丈夫だろう、と油断しないようにしよう。