事務所という後ろ盾を失った西内まりや

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 ファッションショーの最後、西内まりや(25才)がシークレットゲストとして姿を現すと、満員の場内はひときわ大きな歓声に包まれた。5月18日、千葉・幕張メッセで開催された国内最大級のファッション&音楽イベント『Rakuten GirlsAward 2019 SPRING/SUMMER』。大トリを務めた西内は、お腹を大胆に披露したコーデでランウェイを颯爽と歩き、クールな表情で3万3000人の大観衆を魅了した。

【全身写真】肩を大胆に出した洋服姿の西内まりや

 かつて期待の新人として未来を約束された彼女は、所属事務所とのトラブルをきっかけに、日本の芸能界から距離を置いていた。この日は久々にスポットライトを浴びる華やかなステージだったが、足元には新たな暗い影が忍び寄っている。

「彼女は今、ある投資詐欺に巻き込まれ、大きな被害を受けているんです。その額は億単位と聞いています。仕事が激減した今の彼女に、そんな大金が背負えるのか心配です…」(西内の知人)

 一難去ってまた一難。彼女が新たに抱えたトラブルとは何か──。

 西内のシンデレラ・ストーリーが始まったのは12才の頃だった。2006年に故郷の福岡でスカウトされて芸能界に入り、カリスマモデルとして人気を博した。2014年に歌手デビューを果たすと同年、『日本レコード大賞』で最優秀新人賞を獲得。女優としても2017年1月にフジテレビ系のドラマ『突然ですが、明日結婚します』で、月9初出演にして初主演という快挙を成し遂げた。

「天才肌の彼女はモデル、歌、演技をすべてハイレベルでこなせる逸材。当時、同じ事務所には安室奈美恵さんもいて、まりやさんの歌唱力や音楽センスから“第2のアムロ”とまでいわれていた。周囲の期待も大きく、ビッグスターの仲間入りが確実視されていました」(芸能関係者)

 しかし2017年10月に事件が起きた。所属事務所の対応に嫌気がさした彼女は、社長の顔にビンタした、と『週刊文春』(11月23日号)に報じられたのだ。

 その後、西内は事務所との契約更新を拒否して2018年4月に独立した。この頃を境にシンデレラの魔法が解けて、苦難の道のりが始まった。前出の西内の知人が「今にして思えばですが…」と振り返る。

「当時のまりやちゃんは精神的に不安定で、過呼吸になって撮影現場でパニックを起こしたり、イベントをドタキャンすることがありました。すでに投資の話を彼女も知っていた時期なので、お金のことが心配になって精神的に不安定だったのかもしれません」

◆母は5000万円を…

 本誌・女性セブンが被害者や西内家の周辺取材でつかんだ、投資詐欺の全容は以下の通りだ。

 発端は2015年秋頃。西内の実姉でタレントの西内ひろ(30才)の知人男性のA氏が、資産運用会社を始めたことだった。当時、ひろが交際していた青年実業家のB氏の発想を聞いたA氏は、独自にある金融商品を“開発”した。被害者の1人が言う。

「Aさんが考案したのは、元本保証型の定期預金で、『年6.3%の金利がつく』という売り文句でした。今やメガバンクの定期預金の金利が約0.01%ですから、600倍以上の高金利です。

 そんなおいしい話があるものかと眉唾になって当然ですが、Aさんは『企業の売掛金を安く買い取って儲ける“ファクタリング”という仕組みを導入したから絶対に大丈夫です』『ファクタリングは1970年代に誕生した資金調達方法で、欧米では広く浸透しています』などと言葉巧みに売り込んだんです。さらにAさんが提示した会社の預金口座には約10億円もの残高があったので、元本保証は嘘じゃないと思ってしまった」

 この被害者のようにA氏を信用してしまったのが、西内の母親だ。

「まりやちゃんのお金を管理していたお母さんは、家族の将来のことを考えて、まりやちゃんの貯金を運用しようと考えていました。そして、ひろさんの交際相手だったBさんに相談したところ、『ぼくは始めましたが、責任はとれませんよ』と言われたそうです。しかし、お母さんはこの金融商品が“優良な投資先”と思い込み、5000万円を注ぎ込んでしまった。

 最初は確かに利息が振り込まれた。すっかり信用したお母さんは、この商品を友人たちに紹介したのです」(前出・西内の知人)

◆ミュージカル俳優、人気アイドルも…

 友人たちは西内の母親の紹介を受けて、この“高金利預金”に手を出した。総額で約5000万円集まったという。当初は利息が支払われたが、徐々に雲行きが怪しくなった。

「2018年になると利息が振り込まれる人とそうでない人が出てきました。その後は段々と不安が募って、出資者がまりやちゃんや彼女のお母さんに『本当に大丈夫ですか?』と問い合わせる回数が増えていった。でも『心配いりません』と言うので安心していました」(前出・西内の知人)

 実際はこの頃、A氏の会社は危機的な状況を迎えていた。A氏を知る関係者が語る。

「実はAさんは、起業した時点でまだ大学生で資産運用の経験がほぼなく、事務所もレンタルオフィスでした。いつまでたっても利息が支払われないことに焦った出資者が直接問い合わせても、Aさんは『事業が軌道に乗れば必ず返します』の一点張りで追及を逃れていました。

 しかし、本当にAさんの会社がファクタリング業務を行った実態があったのかどうか。新たな出資金で利息を補填するだけの自転車操業だったのではないかと疑われています」

 約束が果たされず、不信感だけが増すなか、西内は母親が巻き込んだ人たちを慮って、心労を重ねていった。一方で、A氏も資金集めに躍起になっていた。彼は西内家以外にも芸能界からの資金集めを考えていたという。被害者のなかでは、こんな噂が独り歩きしていた。

「ミュージカルなどでも活躍する長身イケメン俳優のCさんは、600万円入れたそうです。彼は元暴力団関係者と繋がりがあり、あらゆる手を使ってカネを取り戻せたようですが、それは奇跡。男性アーティストのDさんは1000万円ほど投資をして、利息もほとんど払われず、泣き寝入りです。彼はその当時、イベントなどを突然休んだことがありましたが、この件が関係しているのかもしれません」(別の被害者)

 むしろA氏側の人間ではないか、という噂を立てられた芸能人もいる。

「昨年、NHKの朝ドラに出ていた若手俳優のEさんです。彼はまりやちゃんと家族ぐるみのつきあいをしていたこともあってか、Aさんとも仲がよかった。六本木のクラブのVIPルームで、Aさんと共に高級シャンパンを何本も空けていた。支払いはAさんだから、今思えば“投資詐欺”で得たカネで奢ってもらっていたと指摘されても仕方がない。

 まりやちゃんと親しかったハーフモデルのFさんも、Aさんから執拗に勧誘を受けていました。しかし、彼は先立つものがなかったため投資できなかった。代わりに人気男性アイドルグループのGさんを紹介するように迫られていたそうです。Gさんはアイドルらしからぬ山っ気の持ち主で、六本木や西麻布に自分が出資する飲食店を持っているぐらいですから」(前出・別の被害者)

 そのほかにも、人気男性アイドルと結婚した女優Hなども被害に遭ったといわれ、彼ら芸能人だけで被害総額は1億円にのぼるとみられる。

 利息の支払いが完全に滞った2018年末、被害者たちがA氏を問い詰めると彼は、事業実態がなかったことを認め、「今から警察に自首します」と宣言したという。しかし──。

「警察には行かず、失踪したそうです。ギリギリのところでAさんを信じていたまりやちゃんとお母さんは、この裏切りに大きなショックを受けました。そしてまりやちゃんは『Aさんが払わないなら、私がみなさんにお返しするしかない』と思い詰めるようになったのです。

 実はお母さんは、友人たちに金融商品を紹介するごとに、“販売手数料”を受け取っていました。当時はまっとうな商品だと思っていたわけで正当な報酬です。でも、こうなってしまった以上、まりやちゃんは申し訳なさを感じ、背負う必要のない責任を果たそうとしているのです」(前出・西内の知人)

◆Aさんを刑事告訴 警視庁に受理された

 自腹で返済しようとする西内だが、先行きは厳しい。彼女は前代未聞の「社長ビンタ報道」の後、自己都合で所属事務所を辞めただけにテレビなどには出づらく、今や完全に干された状態だ。海外でのモデル活動や女優業に活路を見出そうとしているが、実入りは多くない。

「事務所から独立して高額なギャランティーを稼げるCMやドラマ、映画は全滅し、ファッションショーのギャラも足元を見られています。収入は激減して生活に困るようになり、高級マンションからグレードを下げた物件に引っ越しました。移動は電車を使うなど、生活費を切り詰め、仕事も必死に頑張っている彼女ですが、現状すぐに1億円以上のお金を準備するのは難しいはずです」(前出・西内の知人)

 A氏の会社は今もホームページは健在で、金融商品の購入者を募集し続けている。問い合わせ先の電話番号にかけると、レンタルオフィスの電話番らしき女性が対応し、転送されるが、呼び出し音が永遠に鳴り続けるだけだ。

 A氏の実家を訪ねると母親が「Aはここにいない! 帰ってください!」となぜか怒りをあらわにするのだった。

「彼は音信不通になる前、“すべての首謀者はBさんだ”と吹聴していました。しかし、Bさんも5000万円を投資した被害者。彼はすでにAさんを刑事告訴し、警視庁に受理されています。結局、Aさんの言葉に真実は1つもない」(前出・被害者の1人)

 多くの芸能人を巻き込んだ“投資詐欺事件”といえるだろう。被害者の1人である西内に被害の詳細や、被害に遭ったとされる芸能人たちについて把握しているか、などの質問をしたところ、代理人が文書でこう答えた。

「この被害に遭ったのは西内まりやさんの母親及び母親の友人たち数名です。西内まりやさん本人は、この会社の金融商品の販売等には何の関与もしていませんし、当然のことながら、ご質問にあった芸能人のかたがたを含め、どなたかにこの会社の金融商品をすすめたことは一切ございません」

 とした上で、今後についてはこう説明した。

「この件に関しては、警察当局による全容解明を目指して母親と母親の友人たち数名が刑事告訴に向けた手続を進行させている最中です」

 事務所独立後、苦難の道を歩む西内。もう一度、輝ける日は来るのだろうか。

※女性セブン2019年6月6日号