(c)MBS

写真拡大 (全3枚)

 主に関東では「今川焼」、関西では「回転焼」。どちらも小麦粉を水で溶いたものに飴などを混ぜ合わせた生地を丸い型で焼き、中にあんこが入っている和菓子のことをいう。そこで、1月24日(木)に放送された「コトノハ図鑑」(MBS)で、この和菓子の名前について大阪出身の関岡香アナウンサーと、東京出身の山中真アナウンサーが取材した。富山県では「ぱんじゅう」、岡山県では「夫婦まんじゅう」、滋賀県では「二重焼」・・・。同じ和菓子なのに、所変われば呼び方・名前が違うのはなぜなのか?徹底調査した。

元祖は「今川焼」!?

 関岡アナと山中アナが大阪の街行く人にこの和菓子を見せると「これは、回転焼やん!」「回転焼です!」との意見が大多数。「僕はずっと"今川焼"で育ったのに、こちら(大阪)に来たら"今川焼"という言葉を聞かないです...」とが嘆く東京出身の山中アナ。「今川焼」と「回転焼」を比べると、今川焼は大きさ7センチ/重さ120グラムで、回転焼の大きさは6.2センチ/重さ115グラム。この2つに大きな差はない。そこで、2人は和菓子文化研究家 虎屋文庫の中山圭子さんに名前の由来を聞くことにした。「江戸の神田にあった今川橋のたもとで売られていた説が知られています」と中山さん。また、「今川義元とも関連している説もあって、桶狭間の戦いで織田軍に負けた今川義元をもじって、"たちまち焼ける今川焼"と宣伝した説もある」という。江戸時代のグルメ本「冨貴地座位」にも「那須屋弥平」という今川焼の店が記載されていることから「今川焼」が元祖ではないかといわれている。ではなぜ、元祖が「今川焼」だとしても、大阪では「回転焼」というのか。

西日本で広まった「大判焼」
 6年かけて3000人に地域別「今川焼」の呼び方を調査した方言学研究家の徳島大学・岸江信介教授に話を聞くと「確認しただけでも全国で200もの呼び名がある」という。「しかし実は、関西を含めて西日本は「大判焼」という言い方が多いですね」と。続けて「大判焼について調べると、大判焼の機械を小麦粉と暖簾をセットにしたものを松山丸三(愛媛)の会社が昭和33年に販売した」という。このため、手軽に商売ができると大ヒットし「大判焼」という名前が一気に広まった。教授は「大判焼の方が圧倒的に全国で使われているので、標準語は大判焼でいいのでは?」。

なぜ大阪人は「回転焼」と呼ぶのか?
 1位 271地点「大判焼」、2位 209地点「今川焼」。そして、「回転焼」は3位で83地点。この「回転焼」の由来は、焼き上げる工程で機械をくるっと回す様子を見た関西人が「回転焼」と命名したと言われている。教授によると「オリジナリティを好む関西人は江戸発祥の今川焼をあえて「回転焼」として販売。「今川焼」としてそのまま売らないんじゃないかな」と話す。

いつも大行列「御座候」!

 兵庫県神戸方面でよく耳にする「御座候(ござそうろう)」は、デパ地下を中心に店舗を構え、1日1000個以上売り上げいている大人気店だ。「御座候」が生まれた兵庫県姫路市ではほぼ100%の人が「御座候です!」と言い切っていた。名前の由来だが、「昭和25年の創業当時は「回転焼」でした」と言うのは、(株)御座候のマーケティングディレクター小倉右士さん。買いにくる客が「御座候ちょうだい」というため商品名を「御座候」に変更。「御座候」とは「ございます("ござある"の尊敬語)」の意味。当時5円が相場だった「回転焼」を、倍の10円で販売していたにも関わらずそれでも買い求めにくる客に「感謝の気持ちを込めて命名しました」という。

関西だけでも40以上もの呼び方!?
 このほか関西では、「大判焼」「回転焼」以外にも違う呼び方が40以上もある。和歌山県海南市では「ずぼら焼」、滋賀県長浜市では「暫(しばらく)」と呼ぶ。この「暫」は、長浜名物の「子ども歌舞伎」の演目「暫」から命名したと言われている。「暫」の内容は、正義のヒーローが悪人を懲らしめる物語。その内容のように「この和菓子も庶民の味方になるように」と願いを込めて付けられた。その願い通り「1個78円」で販売されている「暫」は庶民の味方になっている。地域別に様々な呼び方があるこの和菓子。呼び方で「出身地当てクイズ」ができそうだ。


「コトノハ図鑑」(MBS 毎週木 よる0時59分放送)は、MBSのアナウンサーが「コトノハ図鑑」の編集者として様々な分野の"言葉(コトノハ)"の世界を取材。「アナウンサーが言葉を学ぶこと」を通して、視聴者にも発見を届ける。"コトノハ"を深く知れば、『人生が少し豊かになる』をコンセプトに知的好奇心をくすぐる番組。


MBS動画イズムで無料見逃し配信中!
「コトノハ図鑑」では無料見逃し配信を実施しています!
過去の放送はこちらからご覧ください。