井上尚弥(左)がフアン・カルロス・パヤノを70秒でKOした【写真:Getty Images】

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パヤノはプロ21戦目で初のKO負け

 ボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は7日、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)1回戦(横浜アリーナ)で元WBA同級スーパー王者フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を衝撃の1回70秒KOでマットに沈め、デビューからの連勝を17(15KO)に伸ばした。プロ21戦目で初のKO負けを喫したパヤノは、試合後に完敗を認め、井上を称えている。

 きれいなワンツーをもらったパヤノは、仰向けにマットに転がった。必死で体を起こそうとするが立てない。この日初めてもらったパンチだったが、一発で試合に終止符が打たれた。34歳が壮絶に散った。

 アマで2度五輪に出場。プロでも豊富なキャリアを誇り、KO負け経験なしの強豪は試合後、控室で潔く負けを認めた。

「イノウエは大変速くて、ハードパンチを持っていた。油断したわけではないが、パンチが見えなかった」と振り返った。スピードは想定以上。井上が何度も練習してきたというワンツーに対応できなかった。

「距離を取って、届かない距離で戦おうと思っていた。ただ、どこからパンチが飛んでくるか分からないものだ」。KOシーンまでは緊迫感のある探り合いが続いていた。だが、一瞬のタイミングがあれば、井上のパンチには相手を仕留める威力がある。それを痛感させられた。

「井上が優勝候補? もちろんそうだと思う」。井上の実力を再確認したドミニカの元スーパー王者。身に染みた衝撃的な強さに、V候補と太鼓判を押していた。(THE ANSWER編集部)