地球は平らな円盤ではなく、丸い球体であるというのは誰もが学校などで学び、人工衛星などの写真でも間違いないものとされてきた常識ですが、いまアメリカを中心に「Flat Earthers」と呼ばれる地球平面論を唱えるグループがにわかに注目を集めています。科学を完全に否定するような理論には異を唱える声が次々とあがっており、起業家で宇宙関連企業「SpaceX」の設立者であるイーロン・マスク氏もTwitterで疑問を投げかけたのですが、地球平面論者からは意外な反応が返ってきています。

Flat Earth Society Responds To Elon Musk's Tweet And We Just Can't Even | IFLScience

http://www.iflscience.com/space/flat-earth-society-responds-musks-tweet-flat-mars-society-just-cant-even/

古くは紀元前のギリシア哲学の時代から唱えられてきた地球球体説に真っ向から対立する地球平面論なわけですが、事実に基づく科学を完全に無視する強引な理論展開には科学者の間から異を唱える声が挙がっています。アメリカで知名度の高い天体物理学者のニール・ドグラース・タイソン博士は、月の画像とともに地球平面論を否定するツイートを投稿しています。

「地球は球体ではなく平面」と考える地球平面論者を黙らせる写真付きツイートを天体物理学者が投稿 - GIGAZINE



この論戦に参入する形になったのがマスク氏。地球平面論を唱える「Flat Earth Society (地球平面協会)」の名前になぞらえ、「どうして火星平面協会が存在しないんだ?」とツイートすることで地球平面論をやんわりと否定しています。





すると、マスク氏のツイートに対して地球平面協会の公式アカウントから返答が。その答えは「やあイーロン、質問をありがとう。地球とは違って、火星は球体であることが観測されているんだよ。いい日を!」とというもので、強引に「地球だけは平面だけど他は丸い」とする主張を唱える内容になっています。





事態はさらに盛り上がりを見せます。Reno Says So(@RenoXcore)さんは、自転する地球のGIF画像とともに「この観測結果をみたことがないのか、それとも……?」とツイート。





すると地球平面協会は、「違う!オルデランは平和で、武器を持っていません。おそらく無理でしょう-」との難回答をツイートしています。





ややもすれば強引にも受け取れる地球平面協会の反応には、はたして科学界が「マジレス」すべきかどうかも怪しい様相を見せる論争に発展。地球平面論者が掲げるスローガンの中には、メディアやエセ科学に惑わされることなく「真実を求める」というものも含まれており、地球は丸いと思い込ませようとする「陰謀論」に立ち向かうという姿勢も示されています。

現時点では、地球平面論者と地球球体論者の議論は全くかみ合うことなく平行線を保っている状態。以下の記事のように、地球は球体であることを示す明確な事象に、どのように返答するのかも気になるところです。

地球は丸いということを確認するための10個の簡単な方法 - GIGAZINE