あの習近平国家主席でさえ白旗を揚げたグローバリズム推進派の勢力。新たなターゲットとして袋叩きにあっているのが、就任してまだ間もないトランプ大統領です。ここに来て国内外の反発を振り切りパリ協定からの離脱を表明するなど強気の姿勢を崩さないトランプ氏ですが、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんは「ついに娘婿・クシュナー氏のスキャンダルまで持ち上がり、大統領はますます窮地に追い込まれた」との見方を記しています。

狙われたトランプの娘婿クシュナー

「トランプさんが大変なことになっている」という話の続報です。まず、これまでに起こったことを振り返っておきましょう。

トランプさんは5月9日、コミーFBI長官を解任しました。コミー氏は、「トランプの選挙陣営とロシア政府のつながり」について捜査していた。それで、今回の解任は、トランプによる「捜査妨害だ!」大いに批判された。5月17日、民主党のグリーン下院議員は、「大統領の弾劾を求める!」と発言。

これに理解を示す共和党議員も現れました。

5月17日、ムラーFBI元長官が「ロシア・ゲート」を捜査する特別検察官に任命されました。

ここまでお伝えしました。今回の話、以下の記事を読むと理解が深まります。まだの方は、まずこちらから、ご一読ください。

●裏切られる米国民。弾劾を免れても変わらぬ窮地のトランプ大統領

ロイター5月29日付を見てみましょう。

米大統領娘婿クシュナー氏、ロシア大使と非公開の接触=関係筋

ロイター 5/29(月)9:08配信

 

[ワシントン 26日 ロイター] - トランプ米大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問が2016年の大統領選挙期間中と選挙後にキスリャク駐米ロシア大使と少なくとも3回非公開で接触したことが、7人の米当局者や政府OBの話で明らかになった。このうち2人によると、昨年4月から11月の間にクシュナー氏は大使と2回電話で話した。別の2人の関係筋によると、同氏は今年初めまでには、トランプ陣営とロシアとの共謀の是非を巡る米連邦捜査局(FBI)の捜査の対象となった。

クシュナーさんは、トランプの美人娘イヴァンカさんの夫です。不動産会社クシュナー・カンパニーズ創業者の長男。本人は、「ニューヨーク・オブザーバー」誌のオーナー。祖父母は、ベラルーシからアメリカに移住したユダヤ人。嫁のお父さん(トランプ)が大統領になったので、クシュナーさん、なんと36歳の若さで大統領上級顧問になりました。そうはいっても、実力のないただのラッキーボーイではなく、非常に優秀な人だそうです。記事引用部分からわかることは何でしょうか?

クシュナーさんは、キスリャク・ロシア大使と3回接触した。クシュナーさんは、FBIの捜査対象になっている。

続きを見てみましょう。

6人の関係筋によると、11月8日の大統領選以前には、キスリャク氏とクシュナー、フリン両氏は主にテロとの戦いや2国間関係の改善について話し合った。関係筋2人は、選挙後は、トランプ氏とロシアのプーチン大統領との間に、外交官や情報機関が関与しない秘密の通信回線を設置する案についても協議したと明かした。

(同上)

選挙前、クシュナーさんは、キスリャク大使と、テロとの戦い、米ロ関係改善について話し合った。

ここで登場するフリンさんは、2月に辞任に追いこまれた親ロシアの大統領補佐官です。

次に気になる話がありますね。

外交官や情報機関が関与しない秘密の通信回線を設置する案についても協議した。

これは、何でしょうか?

1人の米法執行当局者によると、FBIの捜査官らはロシア側がクシュナー氏などトランプ氏の側近らに対し、対ロシア経済制裁の緩和によってロシアの銀行がトランプ氏と関係のある人々に融資できるようになると示唆したかどうかについて調査している。クシュナー氏は12月にトランプタワーで制裁対象となっているロシア政府系の開発対外経済銀行(VEB)のセルゲイ・ゴルコフ頭取とも面会している。同行は3月にクシュナー氏などと面会したと認めている。(同上)

対ロシア経済制裁の緩和によってロシアの銀行がトランプ氏と関係のある人々に融資できるようになると示唆したかどうかについて調査している。

つまりFBIは、

トランプの娘婿のクシュナーさんが、「対ロシア制裁を解除」させる。見返りとして、ロシアの銀行は、クシュナーさんなどに融資する(=金を渡す)。

要は、「大金をあげるから、対ロシア制裁を解除してくれと、ロシアはクシュナーさんにオファーしたのか?」を捜査していると。これ、どうなんでしょう? ロイターの記事は、こう終わっています。

ロシア側とトランプ氏の側近らとの接触について詳しい当局者らによると、これまでのところ不正やトランプ陣営とロシアとの共謀を示す証拠は確認されていない。また、トランプ氏が側近らの接触を許可していた、あるいは承知していたことを示す証拠も見つかっていない。

(同上)

まだ、「推測の段階」ということですね。トランプさんの娘婿クシュナー大統領顧問も、FBIの捜査対象になっている。「ロシア・ゲート」はまだまだ続いていきそうです。

毎回書いていますが、トランプさんには非常に敵が多いです。

野党民主党与党共和党の反ロシア派マスコミ(特にCNN、ABC、ニューヨーク・タイムズなど)米諜報機関国際金融資本(グローバリストの彼らは、ナショナリスト・トランプが嫌い)

味方は、

イスラエルサウジアラビア軍産複合体

この中で、イスラエル以外は、「後から」味方になった。他にもキッシンジャーさんが顧問役をされていますが。

全体的に見ると、「こんなに基盤の弱い政権はなかった」といえるでしょう。まあ、ビジネス界から政界に殴り込みをかけて勝ってしまったのですから、仕方ないですね。

安倍総理と仲がいいトランプ大統領。何とか、サバイバルして欲しいものです。

image by: lev radin / Shutterstock.com

 

『ロシア政治経済ジャーナル』

著者/北野幸伯(記事一覧/メルマガ)

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出典元:まぐまぐニュース!