大平峻也インタビュー コンプレックスを個性に変えて、舞台で躍動する!
カメラマンの指示に従い、ポーズを決める姿に周囲のスタッフから思わず「かわいい…」という声が漏れる。すかさず、大平峻也は「いや僕ね、性格はかわいくないんですよ。けっこう、おっさんくさいですし」と反応し、ケラケラと笑う。子どもの頃は、そう言われることがコンプレックスにもなっていたという。いまでは、俳優としての個性、武器のひとつとして受け入れ、それを最大限に活かすことを考えている。昨年、大きな反響を呼んだ舞台の続編となる、主演舞台「カードファイト!! ヴァンガード」〜バーチャル・ステージ〜 リンクジョーカー編は、まさに彼のかわいさと大人の魅力(おっさんくささ…?)が見事に反映された作品になりそうだ。

撮影/祭貴義道 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.



スタンディングオベーションで迎えられた、あの感動を再び



――カードを通して先導アイチ、櫂トシキらが戦い、絆を深め、成長していく姿を描いた舞台「カードファイト!! ヴァンガード」〜バーチャル・ステージ〜。昨年、カードゲームが舞台化されると聞いたときも驚きましたが、今回は約1年を経ての続編ですね。昨年の公演の時点で、大平さんらキャスト陣も手応えを感じていましたか?

千秋楽のカーテンコールで、お客さんがスタンディングオベーションで迎えてくれたときの光景は、いまでも僕のなかで鮮明に残ってます。この作品が認めていただけた、みなさんに届いたんじゃないかと。僕の役者人生のなかでも「あぁ、役者をやっててよかった」と思った瞬間でした。

――お客さんの“生”の反応ですね。

前作の稽古を通じてキャストの仲が深まっていくのは感じていたけど、公演でお客さんとも心が通じ合えたんだなと感動しました。



――そもそも、カードゲームを舞台化するってどういうことなのか? まったく想像できませんでした。

僕らにとってもです!(笑) 稽古に入っても手探りで、演出家の堤 泰之さんの頭のなかにあるもの、堤さんが見ているものを僕らがどうイメージし、具現化できるのか? すごく難しかったです。劇場に入って「あぁ、ここは映像がこう映し出されてこうなるのか!」と見えてくる部分もあって。

――お客さんも、観て初めて「あぁ、なるほど。こうなるのか!」となったかと。

お客さんの立場でどう見えるのかは、稽古の段階からずっと考えてました。稽古の動画も繰り返し見たし、「カードファイト!! ヴァンガード」を知らないお客さんもいるはずで、そんな人が観ても魅力的で、引き込まれる作品にするにはどうしたらいいか? 考えて、考えて…。

――それだけの産みの苦しみを経て、送り出した作品の続編が決まって…。

めちゃくちゃうれしかったですね。それこそ千秋楽の最後に、染さん(染谷俊之/雀ヶ森レン役)が「2期、3期とやっていきたい! 俺、リンクジョーカー編のレンと鳴海アサカ(柴 小聖)の戦いが見たいです!」って言ったけど、それが実現する! マジでうれしかったんですよ。



座長として…「僕がしっかりした姿を見せないと!」



――大平さんが演じるのは、主人公の先導アイチですが、前回に続いて、あの青い髪と瞳のビジュアルに“変身”されてみての感想は?

前作とは少し違うなっていうのは感じました。高校生になって、少し大人っぽくなっているので。もちろん、前作を踏まえつつですが、もう一度、ゼロからアイチくんを構築していきたいと思います。鏡で自分の姿を見て、改めて初心にかえって、舞台という生モノの世界を生きるキャラクターを作っていかなくてはと思いました。




――今回の作品で、とくに楽しみにしている部分はありますか?

前作では櫂くん(健人)がアイチくんを助けてくれたんですが、今回は僕が櫂くんを助け、取り戻そうとする。そこはすごく楽しみで、期待してます!

――健人さんとは同い年ですね。

普段から仲が良くて、ふたりでファストフード店に入って、ごはんを食べつつカードで遊んだり。そこで「俺らって先導アイチと櫂トシキじゃん? でも、いまはもう(新しく出ているカードが)みんな強すぎて、(「ヴァンガード」の)大会に行っても5年前のカードじゃなかなか勝てないよね…」とか話してます(笑)。

――思わぬ場所でアイチと櫂が…(笑)。

この先、アイチくんが強くなるカードが出ないかなぁ…って期待しつつ、将来のアイチくんのストーリーを勝手に妄想したり(笑)。



――前作に続き、座長という立場で臨むことになりますね。

意識はしてますね。僕が怠けたらダメじゃないですか。

――大平さんが怠けるとは、誰も思ってないと思いますが…(笑)。

普段は家族のような関係で、でもやるときは、きちんとやる。そんなカンパニーにしたいし、そのためには僕がしっかりした姿を見せないと! みんな、だらしない座長についていこうって思わないでしょ?



――これまでも、舞台出演を通じて、いろんなタイプの座長の姿を見てきたかと思います。

僕が出会った座長は素敵な方が多かったので、「あの人はこんなことやってたな」とか「僕もこうやってみようかな」と思うところはありますね。でも、実際はどうかというと、年上の方々はもちろん、年下の子たちにも支えられ、助けていただいて前回も座長になれたんだなって感じてます。

――今回、新たに加わるメンバーもいます。

そうなんですよ。すごく楽しみです! ジリアン・チェンとシャーリーン・チェンを演じる双子のMIOちゃんとYAEちゃんがいるんですけど、(稽古開始前の段階では)まだ会えてなくて、写真で見る限りそっくりなので、区別がつくかな…って(笑)。

――そこは座長としての力量が問われます!(笑)

ヤバいですね(笑)。健人くん、染さんら前回からの仲間、新たなメンバーも一緒に、みんなでこの作品を愛していけたらと思います!




学校に行かなくなった学生時代…出会いが人生を変えた!



――今回はアイチや櫂が、高校生になって成長した姿も見られますが、大平さんは中学・高校時代はどんな学生でしたか?

実は僕、学校に行かなかった時期があって……本当に苦しくて悲しくて…(笑)。でも、ある日幼なじみの先輩が家まで来て「テニスしに来いよ」と誘ってくれたんです。それから、毎日のように来てくれて誘ってくれて…。気づいたらテニス部にだけは通うようになって、少しずつ楽しくなって、また学校にも行くようになったんです。そこはアイチくんとすごくリンクする部分だなって感じます。そういった過去があるから、いまの仲間を、世界を大切にしたいと思える。すごくアイチくんの人生に共感します。

――アイチくんも臆病で引っ込み思案なところはありましたが、櫂くんをはじめ、いろんな出会いを通じて成長していきますね。

そうなんです。僕も人には恵まれているなと思ってます。芸能界で、学校とはまた違った世界を見せてもらえて、そこで出会った素敵な先輩たちにもいろんな影響を受けました。周りの人たちがいて、いま、自分はここにいられるんだって思いますね。




――そもそも、俳優になりたいと思ったのは…。

物心ついた頃からずっと、「俳優になりたい」って言ってました。そのくせ、何がきっかけで目指し始めたのかは、まったく記憶にないんですけど(笑)。小学校の卒業文集でも「なる」って書いてて、自分のなかで、“使命感”に近いものを感じてます。

――使命感!

「今世は俳優として生きる」って気持ちです。その使命感が先にあって、いまになって「この仕事、こういうところが面白いんだな」とか「この先輩、カッコいいな!」と思ったりして、少しずつ、俳優という仕事の面白さを発見していっているような(笑)。

――それだけ強い使命感をお持ちだったということは、念願かなってデビューを果たした当時から、“プロの俳優”としての意識はありましたか?

自分ではそう思ってましたけど、「これじゃダメなんだ」と思い知らされたのがミュージカル『刀剣乱舞』でした。



――同作のトライアル公演が行われたのは、2015年10月ですので、昨年の舞台「ヴァンガード」の数カ月前。意外と最近ですね。

ひとりよがりで「プロだ」と思うんじゃなく、プロであるためにはやらなきゃいけないことがあるし、やり方もわかってなかった。それを、愛情をもって教えてくださったのが演出の茅野イサムさんでした。この出会いが分岐点というか、これまでも強い意識は持っていたつもりだったけど、ひとつ、上の段階に進むことができたんじゃないかと。

――いまは本当に楽しそうですね。

(周囲が驚くほどの大声で)めっちゃ楽しいっすよ!! 出会いがあり、絆が深まり…去年だけで、イベントとかも含めて500人以上の人たちと一緒に仕事をさせてもらってるんです。そんなことができる仕事って、なかなかないなと思います。



外見は“かわいい”けど、中身は日本酒好きなおっさん!?



――失礼ですが、大平さんは、身長163センチで、一般の男性と比べても小柄です。身体能力を活かして舞台で活躍されていますが、とくに背の高い方が多い芸能の世界で、ハンディやコンプレックスを感じることはないですか?

これまでの人生でずっと、背が低いことはすごく強いコンプレックスでした。「チビ」って言われ続けてきたし…。というか、身長以前に僕、小さい頃はすごくかわいらしくて。これは自慢しているわけではなく…。

――現在の雰囲気からも、かわいらしい少年だったんだろうと想像できます。

小さくて、かわいくて…。背のこともずっと、「なんで伸びないんだろう」って悩んでて。でもいま、この世界にいると、それが個性になってて、自分の居場所があるって感じます。



――より大きな人たちに囲まれている現在のほうが、コンプレックスを感じなくなった?

そうなんです。それを個性、武器として仕事に活かせるって素敵だなと思います。

――「かわいい」と言われることについてはいかがですか?

ミュージカル『刀剣乱舞』で共演した佐伯大地くんが言うんですよ。「お前は“かわいい”のトップを獲れる」って(笑)。これも身長と同じで、この世界で生きていくための個性になってる。いま、ここに居場所がある。両親に感謝ですね。

――外見に比べて性格的な部分は…?

全然、かわいくないです。基本、おっさんですから。カニ味噌と日本酒が好きなおっさん(笑)。「かわいい」と言われると「ありがとうございます」って感じですけど、「カッコいい」って言われるのは照れますね。ホント、あまり言われたことないから慣れてなくて(笑)。



【プロフィール】
大平峻也(おおひら・しゅんや)/1994年2月8日生まれ。東京都出身。A型。ミュージカル『テニスの王子様』2nd シーズンで、2011年から翌年にかけて、加藤勝郎を演じ、注目を集める。このほかの舞台出演作に『プレゼント◆5』シリーズ、『ブラックジャックによろしく〜がん患者編〜』、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズなど。
【Twitter】@trampshunya
【ブログ】http://ameblo.jp/ohira-syunya/
【公式サイト】https://ohira-shunya.com/


■舞台「カードファイト!! ヴァンガード」〜バーチャル・ステージ〜 リンクジョーカー編


日程:2017年4月1日(土)〜9日(日)
劇場:AiiA 2.5 Theater Tokyo

原作:「カードファイト!! ヴァンガード」(ブシロード/伊藤 彰)
脚本・演出・作詞:堤 泰之

<キャスト>
大平峻也 健人 ほか


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■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:2017年3月22日(水)18:00〜3月28日(火)18:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/3月29日(水)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから3月29日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。4月1日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

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