【戸塚啓コラム】オランダ戦で判断するのは尚早、重要なのは“次”
11月16日に行なわれたオランダ戦は、日本国内で高い評価を集めているに違いない。先行しながら追いつかれたのではなく、2点のビハインドをはね退けて同点に持ち込んだことも、好印象を抱かせることにつながっているだろう。
もう一度、繰り返す。
重要なのは次である。
6月のコンフェデ杯を思い出してほしい。
イタリアとの第2戦で、日本は攻撃的な姿勢を鮮明に打ち出すことができた。チームがアグレッシブな戦いをした背景には、ブラジルとの開幕戦で〈戦えなかった〉という反省があった。
ポジティブな要素の詰まった内容だったものの、オランダ戦は勝ち切ることができなかった。勝利できるチャンスはあったにもかかわらず、である。
ファンデルファールトに先制されるまえに、日本は決定機を作り出している。開始5分に岡崎が迎えた。2対2で迎えた77分には、柿谷が絶好機を逃している。
「ワールドカップを想定したときに、最初のチャンスで決めなければいけないというのは反省点。僕もチャンスがあったので、ああいうところで決めればチームが楽になる。序盤は自分たちのほうがいいサッカーをしていて、そこで試合をいい方向へ持っていくには、先制することがかなり大事になってくる」
こう話したのは岡崎だ。「僕らのサッカーができたのはよかったところですけけど、正直、勝ち切れなかった」と、今野も振り返る。
オランダにも触れなければならない。対戦相手がどのような状態だったのかは、後半から出場した香川の見立てが的確だ。
「これぐらいのレベルと言ったら変ですけど、相手も決して……すべての選手が揃っているわけじゃないですし。これくらいプレッシャーのないチームというか、ベストじゃない状態のチームだったから。僕らは勝たなきゃいけない試合だったと思うので、悔しい気持ちがあります」
19日に対戦するベルギーは、14日のコロンビア戦で0対2の敗戦を喫した。連敗をしたくない心理は、彼らにも働く。ましてやFIFAランキング下位の日本を、ホームで迎え撃つのだ。「コロンビアに負けて、さらにアグレッシブにくる」という吉田の想定どおりになるはずだ。
ワールドカップでの上位進出を念頭に置いても、〈勝ち切る〉重要性を追い求めなければならない。12月上旬の組み合わせ次第では、グループステージからこのレベル相手の勝利が必要になる。
そこで、この日のような試合をしたら。勝点1を獲得したのではなく、勝点3を取り損ねたことがクローズアップされる。
10月までの悪い流れは、ひとまず断ち切った。だが、チームがひとつ高い領域へ到達したのかは、まだ判断できない。
だからこそ、オランダ戦で見えた変化を評価するのはベルギー戦を終えてからにしたい。内容の濃い試合を続けていかなければ、ワールドカップで何かを勝ち取ることはできないのだ。
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1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している
