8日の参議院予算委員会で自民党の片山さつき議員が蓮舫行政刷新担当大臣に“世界一”のスーパーコンピューターを開発した国を尋ねた。蓮舫大臣は答えられず「すみません。存じ上げません」と答弁した。蓮舫大臣は2009年の事業仕分けで「2位じゃダメなんでしょうか」と舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込んだだけに、批判を浴びることになった。

 中国でも同件に注目が集まった。世界のスーパコンピューターのランキングを発表している「トップ500プロジェクト」によると、昨年11月時点で計算速度のトップは中国の国立スーパーコンピューターセンター天津(NUDT)が開発した「天河1号」だ。日本製では東京工業大学のTSUBAME2.0が第4位で最高だった。

 中国メディアはこれまでも、日本政界における蓮舫氏の活躍に注目。同氏が台湾系であることから、「中国人の子孫」と強調してきた。8日の答弁における“立ち往生”では、「中国人の子孫の大臣が、世界最速の計算機が中国製と知らなかった」などと、驚きと皮肉をこめて報じた。

 予算委員会で片山議員は蓮舫大臣を「担当大臣が、この程度の認識なんですか」といやみたっぷりに責め、「予算を減らしたために中国に抜かれた」などと主張した。

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◆解説◆ 蓮舫大臣の「将来を見越した科学技術開発でも、容赦なく予算見直し」という考え方や、事業仕分け時のアピール手法の是非は別として、片山議員の発言にも疑問が残る。

 スーパーコンピュータの性能競争で、日本は不振が続いてきた。例えば2009年11月時点のトップ500では、中国製が5位にランクイン、日本は海洋研のES2 SX−9の32位が最高だった。ちなみに民主党鳩山政権発足は2009年9月。同時点で「中国に抜かれていた」原因が政府の予算配分にあると言うなら、それまでの自公政権に責任があるとの論理になる。

 2010年5月時点のランキングでも、中国の「星雲」が2位、「天河1号」が7位で、日本製スパコンは10位以内に入らなかった。片山議員がこれらの事実を踏まえて質問したかどうかは不明。いずれにせよ、質問する方もされる方も、レベルが高い議論をしたとは言えない。(編集担当:如月隼人)



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