郷野&菊田に聞く “UFCに立ちはだかる壁”/Fight&Life vol.04絶賛発売中!
――郷野選手が11月20日、UFCに初めて出場し、タンデム・マックローリー戦で一本勝ちをして、ウェルター級王座へ向かって、その一歩を踏み出しました。そこで今回は、郷野選手がUFC世界ウェルター級王者になるまでには、どのような選手に勝っていかないといけないか。どんな壁が待っているのか。対戦相手候補(ジョン・フィッチ、チアゴ・アウベス、ジョルジュ・サンピエール)の試合映像を見て、菊田選手とともにシュミレーションしていただきたいと思います。まず、次の試合で対戦するという噂もあるジョン・フィッチですが。
郷野 試合中にもパンプして、体がさらにデカくなってるよね。ガス欠も起こしていないし。パンチからテイクダウン狙い――。打って入ってくるから、打ち終わりに合わせていたらダメかな。相打ちのタイミングで打たないと。
――相打ちですか。では、相手のパンチを受けることもあるということですね。
郷野 野球に例えると、ピッチャーならまず完全試合を目指す。フォアボールを出したらノーヒットノーランを目指す。で、ヒットを打たれたら完封、点を取られたら完投、最後は勝利を目指すっていう風だと思うんだけど、そういう段階で考えると、最初は距離とって打撃で完封しよう。それがダメだったら、寝技で上取ってポイントを取ってと。で、最後は本当にKO負けを覚悟で相打ちって。その一番最後の相打ちで行かざるを得なくなりそう。そこまで段階を踏んで戦略を考えないと。
――理想をいえば、スタンドキープですか。
郷野 立っている時間に技の攻防をさせたら、俺は誰にも負けないと思う。まぁ、そんなことやってくれるはずないんだけど。
菊田 狙っているのは打撃のヒットじゃなくて、組み付いてテイクダウンすることだろうからね。立ちレスリングで前にこられたときの、あの態勢をクルッと返る、あの得意な奴をどんどん使わないとダメだね。
郷野 下になっちゃだめだけど、これは下になっちゃいますね。俺、実はもぐりが得意で、菊田さんとのスパーでも下になるとそればっかり。でもこれ、フィッチはしっかり対処してるよね。そのまま下になっていると、ジャッジの印象も悪くなっちゃうし、下のほうが圧倒的に疲れるし――。上を取ったとしても、すぐに片足タックルに入って来られそうだしなぁ。
――下になってしまったときのエルボーやパウンドの対処は?
郷野 まだ寝技でヒジをもらったことがないから分からないけど、でもディエゴはもらってなかったですよね。
菊田 フィジカルの強さ、そして下になったときに如何に立ち上がるかという対処方法――、立ち上がれるから上のキープも難しいですね。三角絞めを潰すのも、前に体重をかけていますし、慣れている感じがしますね。あと、上になってもパスを狙わないのが嫌ですね。
郷野 俺のPRIDE戦法、膠着させてブレイクを待つのも有りじゃないですか。
――決して、消極的な選手ということではないのですが、勝っているか負けているかどうか、分からないときは動き続けますね。ただ、勝っていると思ったら、最後は動かないかもしれないですね。
菊田 勝利に徹しているんだ。
――だから1Rを取りたいですね。
郷野 彼の試合映像を見て、1R、2Rを取れる可能性は――、いつもみたいに最後に勝負をかけようと思っていたのに、それも潰してくるわけなんだ。
菊田 5分×3Rで勝つことに徹しているんだよ。
郷野 なんか、もう向こうのボクシングの考え方が、総合格闘技にも入ってきている感じだなぁ。
菊田 アメリカの合理主義がね。まぁ、凄いです。なかなか今までやった中にはいなかったですね。ただ、スタンドの打撃はチョコチョコともらっているみたいだし、そこをどう広げていくか。
郷野 俺は結構、打ち終わりを狙う方なんで――、うん、完全に攻防分離でいかないとダメかな。攻防一体だとタックルを取られそうだから。
菊田 そうだね。胴タックルから持ち上げるわ、両足タックル、低い片足タックルもあるし。
郷野 あとは倒されるのを覚悟で、強いミドルを蹴りこむとか。レスリングが強い奴と戦うんだから、一回や二回は倒されるのを覚悟で思い切り蹴って、それ以降、相手に蹴りに対する恐怖心が芽生えてくれれば。
菊田 ミドルが一番嫌だろうね。打ち終わりに打撃を仕掛けて当たったとしても、そのまま金網まで押し込まれちゃうし――。スタンドキープは難しいからもしれないから、そういう覚悟をもって蹴りを出すのはいいかもしれないね。僕だったら、それをやられるのが一番嫌だから。
郷野 けっこう減量もしているから、ボディに効かすことができればいいな。正直、俺にとって一番やりづらい選手。まぁ、誰にとってもそうなんだろうけど。
――続いて映像を見たチアゴ・アウベスはどうでしょうか。打撃主体で倒されないように戦う。そして上になってもスタンドへ戻る、立ち技中心のファイターですが。
菊田 上背もなく、ガーッとくるタイプでもないですね。
郷野 ただ、ラッシュは凄い。一つ入ると、その後の勢いが。あとはやっぱりローが強烈。
菊田 ただ、フィッチと比較すればやりやすいですね...(以下、『FIGHT&LIFE』vol.04に続く)。
『Fight&Life』(ファイト&ライフ) 新しい格闘技のカタチを提案する専門誌
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