2度リードした強豪オランダから勝ち点1を掴んだが、日本代表に慢心はない。キャプテンDF板倉滉(アヤックス)は「勝ち点1なので、そこで一喜一憂している余裕はない。中5日でしっかり準備して、先のことは考えずに次のチュニジアから勝ち点3を取りに行く」と力を込めた。

 北中米ワールドカップのグループリーグ初戦・オランダ戦(△2-2)から一夜明け、チームは出場時間が短かった選手を中心にU-19日本代表と練習試合を実施した。「出ていない選手のコンディション面が狙いとしてはひとつあった。自分たちもただの練習試合というよりは、昨日出られなかったことの悔しさを集中してやろうという気持ちで入った」(板倉)。U-19日本代表も次節に戦うチュニジアの仮想相手として組んでくれたという。

 そうしてチームがすでに次戦へ目を向けるなか、板倉自身もオランダ戦の結果を前向きに受け止めつつ、決して浮かれてはいない。板倉は「すごく勢いを上げる追いつき方ではあった。勝ち点もポジティブに捉えていい」と振り返り、「だけど、勝っていないですから」と冷静さも忘れない。「結局、次の試合が一番大事になってくる」。そう語る理由には、前回大会の失敗が大きく影響している。

 日本は、2022年カタール大会のグループリーグ初戦でドイツ相手に逆転勝利を飾った。だが、そのドイツ戦勝利の勢いのまま迎えた次節、スペインに0-7と大敗を喫したコスタリカに0-1で敗戦。2連勝でグループ突破を決めることができず、最終節でスペインと全力で戦わなければいけない状況に苦しんだ。

 今大会では、日本がオランダから劇的ドローで勝ち点1を取った一方、チュニジアはスウェーデンに1-5で大敗。前回大会のシチュエーションと重なる部分は少なくない。板倉はその事実を認めつつ、「前回コスタリカ相手に負けたことを実際に経験している。それが今になってもチームの雰囲気にプラスに働いている」と強調した。

 さらに、日本が警戒を強める要因もある。チュニジアは大敗後、サブリ・ラムシ監督を解任した。W杯中の指揮官交代という事態を受け、板倉は「やりにくさはある」とその難しさを説く。「チュニジアにとってこの試合はすごく大事になってくる。ちゃんと準備して、いろんな想定できるところを想定しながらやらないといけない」と次戦を見据えていた。

(取材・文 石川祐介)