北中米ワールドカップに臨む日本代表は8日、ベースキャンプ地のアメリカ・ナッシュビルに入り、メンターとして帯同するMF南野拓実(モナコ)がチームに合流した。昨年12月に負った左膝前十字靭帯断裂からのリハビリ中で、W杯メンバー入りには間に合わなかったものの、頼れる“精神的支柱”の合流にチームがさらに活気づいた。

 練習の冒頭から嬉しそうな様子で南野に話しかけていたのはDF長友佑都(FC東京)。ランニングで2人が先頭を走る見慣れた光景が森保ジャパンに戻ってきた。練習後の取材対応では「重鎮がまた集まって。テンション上がりますね」と破顔。「彼は見るだけでテンションが上がる。森保さんがケガでも彼を必要としたのが、会った瞬間に感じた。それくらいに人を元気にさせるとか、彼の人間的な強みを一瞬にして感じた」と早くも“南野効果”を実感していた。

 さらに長友は「彼にも言いましたけどね。『お前とおるとテンション上がるわ』って。パワースポットみたいですよ」と熱弁。「僕とちょっと似てきたなと。彼は嫌がるかもしれないけど(笑)。なんか似てきた感じで、会う人を元気にさせる。歩くパワースポットみたいな感じで、アガりますね」と高揚感をにじませ、「これから彼ともチームに必要なことを話しながら熱量を上げていきたい」と話した。

 普段からの仲の良いMF鎌田大地(クリスタル・パレス)は「拓実くんは年齢も上で代表歴も長く、兄貴的な存在なのでいるだけでチームとしての雰囲気が明るくなる。(合流は)みんなにとっていいこと」と信頼感をあらためて口にした。DF冨安健洋(アヤックス)も「間違いなくチームにとってプラス。着いたばかりだけど今日もいるだけでみんな笑顔になる。僕たちもうれしいし、いい働きをしてくれると思う」と共に戦える喜びを口にした。

 “サポートプレーヤー”としてチームを支えるDF吉田麻也(LAギャラクシー)にとっても、同じW杯メンバー登録外からチームを支える南野は「僕としては心強い」存在だ。「こういうポジションは今までなかったので、僕らも探り探りではあるけど、僕らは勝つ確率を少しでも上げられるようにというのがここに来ている意味。スタッフと選手の間でいいパイプ役になって、時には彼らもガス抜きが必要だし、時には厳しくやることも必要。そこのバランス感覚が非常に重要になってくると思うけど、わりと得意としているので大丈夫だと思う」と頼もしく語った。

 森保監督は7日の取材対応で南野について「チームを勝たせる存在になってほしい」「選手により自信を持たせてもらいたい」と期待していたが、すでに選手たちも“南野効果”を実感している様子。前回カタール大会で誰よりも悔しい思いをしてきた“精神的支柱”の存在を大きな力に変え、森保ジャパンは世界の頂を目指す。


(取材・文 竹内達也)