「ガルマ散る」のザクを完全再現 違和感まで忠実なプラモ作品が話題

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 古いアニメならではの、独特な味がある作画の揺らぎや崩れ。それをあえて高度な技術でプラモデルに落とし込み、ぽっちゃりとしたどこか憎めない姿のザクを再現した作品が、SNS上で大きな注目を集めています。

 見事な「作画再現」を披露したのは、モデラーの「ToMoS」さん。

 Xにて「完成!1/100量産型ザク」という言葉とともに投稿された画像には、テレビアニメ「機動戦士ガンダム」の第10話「ガルマ散る」の一場面に登場する、極めて個性的なプロポーションのザクが劇中そのままの躍動感で立体化されています。

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■ 仲間内の展示会をきっかけに初の「1/100スケール」へ挑戦

 ToMoSさんはこれまでにも「作画再現シリーズ」として、ガンダムやシャア専用ゲルググなどを製作し、アニメから飛び出してきたかのような世界観を表現してきました。今回の量産型ザクは、そのシリーズ最新作という位置付けになります。

 製作のきっかけは、仲間内で企画したプラモデル展示会「旧キット万博」用の新作として、1/100の量産型ザクを作ろうと思い立ったことだったそう。

 以前からどこか面白い雰囲気を持つ劇中の作画が好きだったというToMoSさんは、ザクの作画の中でも特に魅力的なものがないか調べていた際に、この第10話の独特なザクの描写に出会ったといいます。これまでの作画再現シリーズは異なるスケールで行われており、1/100という大ぶりなサイズでこの表現に挑戦したのは今回が初めての試みでした。

■ 異なるキットのパーツを組み合わせ、「目感」で生み出した温もり

 ベースとなっているのは「1/100スケール 旧キット量産型ザク」ですが、劇中の独特なバランスを再現するために大幅な改造が行われています。

 両腕と足の靴部分の絶妙な短さと太さを表現するため、一回り小さい「1/144スケール」のザクのパーツを流用。さらに、脛(すね)のパーツには「1/100スケール 旧ザク」の太もも部分を移植しており、ToMoSさん自身も「このザクの足はほぼ太ももで出来ている」と笑います。

 約1か月の期間をかけて完成した本作ですが、最もこだわったのは「多角的な視点への配慮」でした。一般的に二次元の作画をそのまま立体化すると、特定の角度(正面など)以外から見たときに形状の辻褄が合わなくなり、違和感が生じがちです。

 しかし、今回のザクはそれを極力なくし、どの角度から眺めても劇中の不自然なプロポーションのまま、三次元として美しく成立するように細部まで工夫が凝らされています。

 また、設計にあたってはパソコンなどのデジタルツールは一切使用せず、すべて自身の「目感」による手作業でバランスを調整したとのこと。これにより、デジタルでは出せないアナログならではの温もりが感じられる作品に仕上がったと振り返ります。

 個性的な劇中スタイルに寄せるため、パーツの刻み込みやミキシングを多用する大がかりな改造工程を経ることとなりましたが、ベースとなった旧キットのザクが元々持っている「柔らかい面の質感」といった素材ならではの魅力や素朴さは、作品の随所にしっかりと残されています。

 当時のアニメスタッフの手仕事が生み出した不均一な愛らしさを、最新の熱意と職人技とも言えるミキシング技術で蘇らせた立体作品。旧キットというプラモデルそのものの面白さと、アニメへの深いリスペクトが絶妙なバランスで融合した見事なモデリングです。

 次なる作品はいったいどのシーンの、どのモビルスーツが選ばれるのか、今後の製作にも期待が高まります。

<記事化協力>
ToMoS -旧キット万博は6/7だよ-さん(@ToMoS_Qkit)

(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026060602.html