日本語学校 外国人教育の充実が急務だ
日本に住む外国人が増えている。
正しい日本語を学んでもらうことは、日本人の考え方や生活習慣の理解にもつながる。日本社会で働く外国人の確保という観点でも大切だ。
日本で暮らす外国人は昨年末時点で412万人となり、初めて400万人を超えた。「言葉の壁」による孤立や、意思疎通の不足によるトラブルを避けるため、日本語教育の重要性は増している。
日本語学校や自治体、民間団体など約2700の機関が各地で日本語教育を行い、留学生や外国人労働者、その家族ら計30万人に日本語を学ぶ場を提供している。
このうち留学生約10万人が学ぶ日本語学校は、法務省が所管してきたが、国は2024年度から、一定の要件を満たせば文部科学省所管の「認定日本語教育機関」と認める制度にした。
従来の日本語学校は、運営者の多くが民間の企業や学校法人で、教育の質にばらつきがあると指摘されてきた。国が教育内容を保証することで、留学生がどの学校でも一定水準の教育を受けられるようにすることは重要だ。
問題は、これまでに審査が4回行われたものの、認定は100校に満たず、新制度への移行が遅れていることだ。
これまでは大学進学などを目的とした予備校的な側面が強く、「読み・書き」を中心に教えてきたが、今後は、日本で暮らしていくため、「聞く・話す」の指導にも力を入れるという。
ただ、留学生向けの日本語学校には、そうしたノウハウが乏しく、作業が難航している。
認定機関になるには、29年3月までに国の認定を受ける必要がある。教員には、新設された国家資格の取得も求められる。
それができなければ、留学生を受け入れられなくなる。質の高い学校が残り、そうでない学校が淘汰(とうた)されるのは仕方がないにしても、留学生の受け皿が足りなくなるような事態は避けるべきだ。
認定を受けた学校の中には、テキストを全面的に見直し、コミュニケーション重視の教育課程に切り替えたところもある。こうした取り組みも参考にしながら、移行手続きを進めてもらいたい。
外国人労働者や家族への日本語教育にも課題が多い。自治体の4割近くには学習拠点がなく、教員も半数はボランティアだ。
国や自治体は、認定校などと連携を深め、在留資格や生活状況に応じた日本語教育を受けられるよう環境を整えねばならない。
