トランプ大統領と中国の最高指導者による首脳会談が目前に迫るなか、実業家のマイキー佐野氏が同行メンバーの顔ぶれから米国の交渉戦略を読み解いた。
 
今回の会談に同席する面々には、テクノロジー、航空機、金融、半導体など多岐にわたる産業を代表する企業トップが名を連ねている。佐野氏はこの布陣を「貿易・投資・テクノロジー・製造業を軸に攻める構えだ」と指摘する。米側が提示するとみられるアジェンダは、航空機の大量購入、農産物の輸出拡大、新たな貿易監視機関の創設、そして投資誘致など多岐にわたる。中間選挙を見据えるトランプ政権が「目に見える実績」を強く求める構図が、同行メンバーの顔ぶれにそのまま表れているという分析だ。
 
一方の中国側が重視する交渉軸は、台湾問題への米国の関与抑制、関税の引き下げ、そして半導体を中心とした先端技術への輸出規制の緩和という3点だ。なかでもテクノロジー分野は、AI開発の加速を急ぐ中国にとって最も優先度の高いテーマとなっている。佐野氏は、中国が短期的な譲歩を避けつつ時間を味方につける「待ちの戦略」を基本姿勢としていると見立てており、今回も双方が表面的な成果を演出しながら実質的な対立を温存する展開になる可能性が高いと予測する。輸出規制に関連する分野や特定のプラットフォームサービスの扱いが、今後の展開を占う具体的な指標になるとも述べた。
 
地政学的な視点からは、中東情勢も見逃せない。混乱が続く中東においてドル以外の決済手段を活用する動きが広がっており、世界のエネルギーとインフラをめぐる覇権構造が静かに変容しつつある。グリーンエネルギー分野でも世界的なシェアを握る中国が中東のインフラ再建に関与を深めるなか、かつて「世界の警察」として影響力を行使してきた国家と、「平和」を前面に打ち出す国家の立場が逆転しつつあるという佐野氏の見立ては、国際秩序の変動を鋭く捉えている。
 
さらにAIをめぐる攻防にも言及があった。AIがサイバー空間での脆弱性発見を飛躍的に加速させる可能性を踏まえると、デジタル領域での主導権争いは今後の外交においても重要な変数となる。過去の大国間交渉が示すように、首脳会談は予期せぬ展開を迎えることがある。

両国の思惑が複雑に交差するなか、今回の会談が世界経済にどのような波紋を広げるか、その帰結が注目される。

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現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営