「大親日家のベッちゃん」「トランプ氏に意見が言える」来日のベッセント米財務長官はどんな人物?……高市総理と何を語るか【#みんなのギモン】
アメリカのベッセント財務長官が11日来日し、羽田空港に到着しました。今後、高市首相らと会談する予定です。
11日午後3時すぎ、ベッセント財務長官を乗せた飛行機が羽田空港に到着しました。関係者によると、今夜は片山財務大臣が主催する夕食会に出席する予定です。12日は高市首相、片山財務大臣、赤沢経産大臣らと会談する予定となっています。
また、ベッセント氏のSNSによりますと、13日水曜日には韓国のソウルで中国の副首相と会い、14日の木曜日には中国・北京で行われる米中首脳会談に同行するとのことです。
■「大親日家のベッちゃん」日本通として知られる

ベッセント氏は敏腕投資家としても知られ、トランプ大統領の関税政策では日本との交渉担当も務めました。当時、日本の交渉担当大臣として訪米した赤沢大臣は、自身のSNSに「大親日家のベッちゃん」と投稿していました。
日本通であることを示すエピソードとして、FOXビジネスによると、ベッセント氏は「3-3-3(トリプルスリー)」という政策を提唱していたとされます。これは、2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)の3%に削減し、GDP成長率を3%に引きあげるなど、「3」にこだわった政策で、安倍元総理の「アベノミクス」の「3本の矢」にならったとされています。
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また、トランプ大統領が相互関税を打ち出し市場が混乱した際には、実施時期を遅らせるよう進言するなど、「トランプ氏に意見が言える」上に「一目置かれている」数少ない人物なんです。
■主要議題は「中国との関係」か

木原官房長官は11日の会見で、会談内容を予断することは差し控えるとした上で、次のように述べました。
木原官房長官
「日米関係の更なる強化、様々な国際的課題に対する連携等に向けて実りある議論ができることを期待する」
会談では主に「中国との関係」について話すとみられています。トランプ大統領が中国を訪問する前に、アメリカ側に日本の対中方針を伝えておきたい狙いがあるとみられます。
政府関係者の一人は次のように話します。
「日本としては、中国の対日輸出規制をやめるよう働きかけたいのが第一」
中国は現在、日本へのレアアースなど軍民両用品の輸出を禁止しています。日本としては「中国に対して対話はオープンだ」という立場で、日本政府は政策を変えておらず、中国から一方的に輸出規制が行われているとアメリカに伝えたい考えです。さらに、台湾海峡の安全保障上の重要性についても、改めて日本の立場を伝えるということです。
■専門家「金融市場は為替介入に関する発言に注目」

会談の議題について、野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英氏は「金融市場は特に為替介入に関する発言が出るかどうか注目している」と話しています。
11日午後4時時点の円相場は1ドル=157円台ですが、ゴールデンウイークのはじめには1ドルが160円後半まで円安が進んだこともあり、ドルを売って円を買う為替介入が行われました。木内氏は、日本政府としてはベッセント氏に日本の為替介入への支持を表明してもらいたい考えだとみています。アメリカが日本の為替介入を支持すれば、投資家たちの警戒感が強まり、円売りに歯止めがかかることが期待できるためです。
ただ、木内氏によると、実際にベッセント氏からそうした発言があるとは考えづらく、「為替市場の安定のため日米当局は緊密に連携する」といった模範解答のような発言になる可能性が高いとのことです。その場合、為替市場への影響は限定的だとみられています。一方、日本政府内からは「ベッセント氏は為替のことは言わないと思う」という声も出ています。
米中首脳会談でトランプ大統領が中国寄りに傾かないよう、ベッセント長官に日本政府の立場をしっかりと印象づけられるかがカギとなります。