大谷翔平(C)ロイター/Imagn Images

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 大谷翔平(31=ドジャース)が、投手としてメジャートップに躍り出た。

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 日本時間29日のマーリンズ戦に先発し、6回5安打2失点(自責1)、9奪三振。今季初黒星を喫したものの(2勝)、防御率0.60は両リーグ通じて首位(29日時点)。開幕からの5試合はすべて、先発が6イニング以上投げて自責点3以内のクオリティースタートだ。

 この日は今季2度目の投手専念。それ以外の3試合は投打同時出場だったが、

「個人的にはどちらでもいいというか、いけと言われた方でいきたいと思っている。長いシーズンなのでDHで試してみたい選手もいるかもしれないですし、自分的にもシーズンで健康を保っていくうえで、そういう登板もプラスかもしれない。そこは完全にチームに任せています」

 とは試合後の本人。メジャーではこれまで打って投げてが当たり前だったが、今季は体力面を考えても投げる方に集中しているということだ。

「今季、投打同時出場の際の打撃は、昨年までと比べて雑にみえる。明らかなボール球を、気のないスイングで空振りしたり……」(特派員のひとり)

 投打同時出場なら、点を取られても自分で取り返すことができる。実際にそうやって自分で自分を援護した試合も山ほどある。それができないもどかしさはないかと報道陣に聞かれると、

「あまりいい点の取られ方ではなかったし、(三回を除いて)毎回ランナーも出て、攻撃に集中できるような流れをつくれなかった。序盤(の得点機)に点が取れなかったですけど、その要因のひとつがそこなのかなという感じ。打線に貢献できなかったというより、悪い流れを攻撃に落とし込んでしまったという反省点はあります」

 と否定した。失点したうえに、いい流れをつくれなかった自分の責任と言いたいのだ。

 大谷は親しい米球界関係者に、

「今季は投手としても頑張る」

 と話しているそうだ。

「どちらでも構わない。球団に任せる」

「これまではそうではなかった、少なくとも打つ方に比べると、投げる方はいまひとつだったという自覚が本人にもあると聞きました」

 と、前出の特派員がこう言った。

「投手としてはエンゼルス時代の2022年に15勝9敗、防御率2.33でア・リーグのサイ・ヤング賞投票4位になったのが最高の成績。規定投球回数をクリアしたのもこの年だけですからね。23年には打者として本塁打王のタイトルを獲得。打者一本でも十分、メジャーでトップクラスの成績を残せることを証明しながら、あえて2度目の右肘靱帯修復手術を受けたのは、投手として不完全燃焼だったから。自分の実力はまだまだこんなもんじゃない、投手としてもトップクラスの成績を残す自信があったからです。昨年は投手としてリハビリを兼ねた復帰だったが、今季は制約もなく、オフから思うようなトレーニングを積むことができた。投手としてフルに働けるコンディションが整ったのです。本人は投手として最後のポストシーズンまでフルに稼働するつもりでいます」

 この日は今季初の中5日登板。しかも100球以上投げたのは、昨年のポストシーズン以来になる。

 打者として前日までの2試合は計8打数6安打。27日のカブス戦では60打席ぶりの6号本塁打を放つなど、打撃の調子は明らかに上向いている。この日も打席にも立てば、自分で自分を援護した可能性もあった。にもかかわらず、投げることに専念したし、打席に立つ立たないは「どちらでも構わない。球団に任せる」と言う。そして首脳陣もまた、投げることに集中させた。

「大谷は自分が打たなくても、投手として相手打線を抑えて勝つという決意を固めているということ。今季はそれだけ投手にかける気持ちが強いし、覚悟をもって臨んでいるのです。首脳陣もそんな投手としての大谷を信頼しているからこそ、中5日で、しかも100球以上、投げさせた。そうでなければ、24日のジャイアンツ戦で105球を投げたグラスノー(32)を中4日で起用したと思いますね」(同)

 今季は投手としての大谷から目が離せなくなった。

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 波に乗っているドジャースだが、ひとり浮かない顔をしているのが佐々木朗希だ。近頃はマイナー落ちやトレードが脳裏にチラついており、「ヤバイです…」と周囲に漏らしているという。だが、そんな危機感が行動面にプラスの影響を及ぼしつつあるようだ。いったいどういうことか。いま、何が起きているのか。●関連記事 【もっと読む】佐々木朗希に芽生えた“かなりの危機感”…意固地も緩和? では、それらについて詳しく報じている。