日テレNEWS NNN

写真拡大 (全25枚)

ゴールデンウイーク前から各地でクマの目撃情報が相次いでいます。この時期からナゼ、街なかに現れるのか。バンキシャは、ハンターの証言からクマが冬眠する場所に注目。新型ロボットを使い調査した。そのカメラが捉えたものとは──。【真相報道バンキシャ!】

■マラソン大会もハンターが警備 クマ対策

26日、バンキシャは岩手・花巻市へ。行われていたのはマラソン大会です。そして、そのスタート地点で見つけたのは、オレンジのベストを着たハンターたち。この大会では、初めて、クマ対策として猟友会が警備に加わっていました。

彼らは、スタートの2時間半前に会場にやってきました。持っていたのは、クマよけ用の花火。これを打ち上げて大きな音を鳴らします。ランナーを守るため、スタート前から対策をしているのです。

花巻市では26日、クマの目撃が報告されました。隣接する紫波町でも21日、警察官がクマに襲われ大けがをしています。

冬眠から目覚めたクマたち…。各地で目撃が相次ぎ、住宅地にも連日姿を現す異例の事態となっています。いったい、なぜなのか。

■秋田県 4月のクマ目撃情報…去年の約4.2倍

25日、バンキシャは『ツキノワグマ出没警報』が発令されている秋田県へ向かいました。秋田県での4月の目撃情報は25日までで277件にのぼり、去年のおよそ4.2倍に増えています。
(*4月1日〜4月25日/クマダスより)

取材中も、携帯電話に、秋田市内でクマが目撃されたという情報が送られてきました。

   獣種:ツキノワグマ
   頭数:1頭
   【投稿】散歩中に発見。ブランコにたわむれていました。

──いるってことだよな、その付近に。

目撃された場所は市街地にある公園、何度も取材で通った場所だ。バンキシャは再び、公園へ向かいました。

──あのブランコで遊んでたのか…。こっちの茂みにも確認できないですね。

.

取材クルーを乗せた運転手
「草ぼうぼうになってるから、中に隠れてるかもしんねえ」

連日、目撃されるクマに、地元の小学生は次のように話しました。

小学4年生
「公園で友達と遊ぶ予定だったけど、おばあちゃんにクマが出たから家で遊べみたいな話になって。公園にもいっぱいクマが出てるから(外で)遊べないのは悲しい」

.

同じ地区では防犯カメラにもクマの姿が捉えられていました。今月14日の正午すぎ、現れたクマは住宅地にある道路を横切ると、そのまま家の間を抜けて、姿を消しています。その10秒後には、近くを歩く人の姿が。家の中からクマの様子を見ていたと言います。

「これくらいの大きさ」クマを目撃した人は、そう言って大きく手を広げました。

──結構大きいですね。

クマを目撃した人
「大きい、大きい」

──去年に比べると多いですか?

クマを目撃した人
「市街の人がいるところに出てくるのが多いね」

■仙台の宅地にもクマ…マンションに一時居座り

今月19日、宮城・仙台市の住宅地に、体長1.5メートルのクマが出没。マンションに一時居座ったが、駆除されました。その仙台市では、そこかしこの掲示板に張り紙がされていました。

──出没注意と書いてありますね。ここにも貼ってありますね。

目撃情報があったエリアを回っていると、害獣用の箱ワナが仕掛けられているのを見つけました。中にはクマも食べるという米ぬかが置かれています。その隣の畑には……。

──なにか足跡のようなものがありますね。

畑の所有者によると、市はクマのものだと判断したと言います。また、クマはやってくるのか。バンキシャは許可を得て、畑とワナの方向を狙うカメラを設置しました。

.

そして翌日……。

──ワナには何も入ってないですね。

ところが、カメラを確認してみると。

──ん? これ…。

畑を歩く動物の姿が記録されています。

──エサを食べていますね。

このとき姿を見せたのは、イノシシでした。

■市街地に相次ぐクマ…なぜいま?

春のこの時期に、市街地でクマの目撃が相次ぐのはなぜなのか。

花巻市の猟友会会長で、ハンター歴59年の藤沼弘文さんは、「異変」を感じていると言います。見せてくれたのは、今年2月に駆除したクマの写真です。

花巻市猟友会・藤沼弘文会長
「毛がきれいだった。これは穴に入っていたクマではないだろう。穴に入ってればね、毛がもっと汚いんですよ」

一般的にクマは山間部の穴などの中で冬眠します。それにもかかわらず、なぜ写真のクマの毛はきれいだったのか。

花巻市猟友会・藤沼弘文会長
「どこかの納屋だとか、そういう所に入って冬ごもりしてたんじゃないかと」

藤沼さんは、出没したのは空き家や廃屋が多い場所だと言います。専門家も、環境が整えば空き家などでクマが冬眠する可能性があると指摘します。

石川県立大学・大井徹教授
「(クマが冬眠する環境は)外敵から安全に過ごせる場所、気温が安定してる場所、また暗くて静かな場所。市街地周辺でクマの冬眠に適した場所というのは、いくつかあると思います。そのために市街地に出てくる可能性が高くて、そうしたクマが目撃されているのではないか」

■調査へ…四足歩行ロボット投入 専門家は

では、空き家や廃屋でクマが冬眠する環境は整うのか。バンキシャは調査を行うことにしました。クマとの遭遇を避けるため、四足歩行ロボットを開発している企業「Highlanders」に協力してもらいました。

登場したのは大型犬ほどの大きさの四足歩行ロボットです。モーター音を響かせて立ち上がります。市街地に出たクマを追い払うために開発されたものだということで、現在、実証実験が行われています。

さらに、安全を確保するため、ハンター歴52年の菅実さんにも同行を依頼しました。所有者の許可を得て調査するのは、クマが出没したエリアにある空き家です。ロボットに搭載されているのはサーモカメラと目線カメラ、バンキシャのカメラも装着してもらいました。

──どうぞよろしくお願いします。

.

ロボットが空き家に向けて歩き出します。

猟友会のハンター・菅さんとともに、ロボットが撮影する映像をモニタリングします。

ロボットが空き家の前に到達します。周囲には草が生い茂り、建物はかなり古びているように見えます。家の外壁に沿って進んでみると、ハンターの菅さんがある場所に注目しました。

菅実さん(ハンター歴52年)
「なんか入ったような跡もありますね。クマかどうかは分からないですけど。動物的なものは入ってると思いますね」

指摘したのは床下と地面の隙間。

.

──どういうところから分かるんですか?

菅実さん(ハンター歴52年)
「出入りしてる跡がありますよね。そこにはゴミがなくて」

すぐ近くにも同じような隙間がありました。

──クマが入ろうとすれば?

菅実さん(ハンター歴52年)
「ラクラク」

.

──クマってどれくらいの穴があれば入れる?

菅実さん(ハンター歴52年)
「クマの成獣ですが、頭が入れば体も入ります」

続いてロボットは向きを変え、空き家の裏側へ。ここも床下と地面の間に隙間がありました。専門家に映像を見てもらうと、この空き家も十分に冬眠の条件を満たすと言います。

石川県立大学・大井徹教授
「空き家ですから、人に邪魔されずに静かに冬眠できる場所だと思います。気温の変化も比較的少ないと思います。冬眠場所としては条件を1つ満たすことになります」

(4月26日放送『真相報道バンキシャ!』より)