「ハウマッチ!」と叫ぶ客に英語で対応した結果 →「わかんねえよ」 一撃で黙らした店長に聞いた顛末
レジに商品をバンッと叩きつけ、突然英語でまくしたててきたのは、よれよれのスーツを着た50代くらいの男性だった。
首都圏のとある雑貨店で店長として働く戸川さん(仮名・40代男性)は、長年サービス業に従事するなかで数々の厄介な客に遭遇してきた。
突然の傲慢な態度に戸川さんが機転を利かせて対応すると、周囲の客からも感嘆の声が。編集部は戸川さんに取材し、その当時のことを詳しく聞いてみた。(文:篠原みつき)
よれよれのスーツを着た謎の客への「完璧な対応」
それは今から2年ほど前。戸川さんが勤務しているのは、総合商社を親会社に持つ輸入雑貨や衣類を扱う店舗だった。
ある日、ノーネクタイによれよれのスーツ姿、斜め掛けカバンを持った50代くらいの男性客がレジにやってきた。男性はトレーナーかパーカーのような衣類を乱暴に置くと、冒頭のように「ハウマッチ!ハリーアップ!」と言い放ったという。
「外見も発音も日本人に見えましたが、外国の方の可能性もあります。私は相手に合わせる意味で、『ツーサウザンエイトハンドレットフォーティ。ハウ ウィルユーペイ?(2840円です。お支払いはどうなさいますか?)』と英語で返しました」
すると男性の態度は一変。あろうことか
「はぁ? 英語で言われてもわかんねえよ、日本で日本人になんで英語使うんだよ」
と凄んできたのだ。意地悪なことこの上ない。
「一撃で黙らした」怒る客に向けた丁寧すぎる嫌味
「いやいやいや、あなたが先に英語を使ったのでは……」
心の中でそうツッコミを入れつつも、戸川さんは冷静だった。声のトーンを低く抑え、こちらの落ち度で申し訳ないという表情を作りながら、こう言い返した。
「大変失礼いたしました、申し訳ございません、ご指摘の通りです。日本で日本人に、ろくにしゃべれない英語で返答なんて意味が分からないですよね。失礼いたしました、2840円になります。お支払方法はどうなさいますか?」
圧倒的な正論と丁寧すぎる嫌味の前に、男性は顔を赤らめて無言になった。少しムッとした様子で会計を済ませ商品を受け取ると、足早にまっすぐ出口へ向かっていったという。
見送る戸川さんに、レジの後ろに並んでいた別の客は「一撃で黙らしたね」「大変ですねぇ」と労いの言葉をかけてくれた。
ちなみに戸川さんは英語が特に得意というわけではないそうだ。ただ、米軍関係者が多い地区での勤務経験があり、仲良くなった基地内の職員から実践的な接客英語を習得していた。そのため、とっさの対応が可能だったのだ。
日々、厄介な人たちに接していたら…「自分の性格が悪くなっていく」
見事な対応をした戸川さんだが、少しばかりの後悔もあるようだ。
「あの時はちょっと嫌味が利きすぎていたかなと反省しました。日常的に厄介な人たちと多く接していると、対応自体はできるようになるんです。でも同時に、自分の性格が悪くなっていくのも実感してしまいます」
そう。戸川さんを悩ませる厄介な客はこれだけではない。
「一番厄介だと思うのは、1円の取引もないのにお客様と同等のサービスや保証を要求してくる『自称お客様』たちですね。他店で買った商品なのに返品や交換を要求したり、アフターサービスだけ受けようとしたりする人が大勢います」
ほかにも、他店の商品の返品要求、駐車場券の不正取得、競合店から電話をしてきて商品の説明を求められるなど、そのバリエーションは多岐にわたる。モラルを欠いた客には嫌味の一つも返したくなるというものだ。
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