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老後にもらえるイメージが強い「年金」ですが、なかでも「障害年金」は、病気やケガによって日常生活や仕事に支障をきたすようになった場合、年齢にかかわらず利用できる年金制度です。本記事では、服部貞昭氏の著書『知れば知るほど得する年金の本』から一部を抜粋し、「障害年金」の仕組みや申請条件について解説します。

若い人でも、病気・ケガをしたらもらえる「障害年金」

「年金」というと、老後にもらえるイメージが強いですが、病気やケガが長引き、日常生活や仕事に支障をきたすようになった場合にもらえる「障害年金」があります。

障害年金は、年齢は関係ありませんので、若い人でももらえます。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。自営業者・フリーランスなど国民年金に加入している方は「障害基礎年金」を、会社員や公務員など厚生年金に加入している方は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の両方をもらえる可能性があります。

障害年金は、休職しているか、給与をもらっているかどうかに関係なく、障害の程度に応じて申請すればもらえるものです。参考までに、病気やケガで会社を休んだときは「傷病手当金」をもらえますが、こちらは、健康保険の制度です。

また、仕事中にケガをしたときは労災から「休業補償給付」や「障害補償給付」などをもらえます。

病気・ケガに関連してもらえるお金には、似たものがいくつかあってややこしいのですが、今回説明するのは、年金の制度であることをご理解ください。

障害の程度が非常に重い場合にもらえる「障害基礎年金」

障害基礎年金は、障害の程度が重く、日常生活に大きな支障がある場合にもらえる年金です。具体的には、障害認定日に障害等級1級または2級に認定された方が対象となります。

障害認定日」とは、その障害の原因となった病気やケガについての初診日から1年6ヵ月を過ぎた日、または、1年6ヵ月以内にその病気やケガが完治せず症状が固定した日をいいます。

「症状が固定」とは、これ以上治療をしても改善する見込みがないことを指します。認定日当初の障害が軽度でも、その後に重度化した場合(事後重症請求)も該当します。

障害等級の違いは次のとおりです。

障害等級1級

他人の介助なしでは日常生活が成り立たず、入院や在宅介護が必要で、活動範囲がベッドや寝室周辺に限られる状態を指します。

障害等級2級

他人の助けが必ずしも必要とは限りませんが、日常生活の多くで支障をきたし、入院や在宅での生活が中心となり、活動範囲がおおむね病院内・室内に限られる状態です。

いずれの等級も、安定した収入を得ることが極めて難しい状況と考えられます。精神疾患やうつ病でも、これらの基準に該当すれば支給対象となります。

障害基礎年金をもらうための条件

障害基礎年金をもらうためには、次のすべての条件に当てはまる必要があります。

・障害認定日に、障害の状態が、障害1級または2級に該当していること

・障害の原因となった病気・ケガの初診日に国民年金に加入していること。初診日とは、その病気やケガについて初めて医師等の診断を受けた日のこと。20歳未満、または、60歳以上65歳未満の方(任意加入者を除く)は、国民年金に加入していないため、この条件は関係ない

・ 初診日がある月の前々月までの過去1年間、保険料の未納がないこと(20歳未満を除く。2036年3月末までの特例条件)

ちょっとややこしい条件ですが、かなりざっくりいうと、国民年金に加入して保険料をきちんと払っていた人が、病気やケガをして、最長で1年6ヵ月経っても治らず重い障害を負ってしまったら、もらえるということです。

20歳未満の方はまだ国民年金に加入していませんので、国民年金加入や保険料支払いの条件はありませんが、所得が376万1,000円以下(給与年収約525万円以下、2026年度時点)という条件があります。

所得がこの金額を超えると、支給額が2分の1に減らされ、所得が479万4,000円(給与年収約654万円)を超えると、まったくもらえなくなります。扶養している家族がいる場合は、その家族の年齢によって一定の金額が加算されます。

20歳未満でこれだけの所得の人はほぼいませんので問題ないと思いますが、一つ注意点があります。20歳未満に初診日がある場合は、この所得制限がずっと続きます。20歳未満の人は保険料を払っていないのに障害年金をもらえますので、その代わり所得制限を設けることで公平性を保っています。

障害基礎年金の受給金額

障害基礎年金のもらえる金額は次のとおりです(2026年度の場合)。

・障害等級1級の場合:105万9,125円+子の加算額

・障害等級2級の場合:84万7,300円+子の加算額

※1956年4月1日以前生まれの方は金額が異なります。

18歳になった後の3月31日までの子どもがいる場合は、一定額が加算されます。

・2人目まで:1人につき24万3,800円

・3人目以降:1人につき8万1,300円

たとえば、障害等級1級の場合は、約106万円をもらえます。子どもが2人いるケースでは約155万円です。

服部 貞昭

新宿はっとりFP事務所 代表

エファタ株式会社 取締役