朝の血圧、正常値の目安って何? 『早朝高血圧』を防ぐ正しい測り方【医師監修】
早朝高血圧の発見には、家庭での正しい血圧測定が欠かせません。本章では、朝の血圧測定のタイミングや正しい姿勢、記録のポイントに加え、正常値の目安についてわかりやすく解説します。日々の測定を習慣化することで、見逃しやすい血圧変動を把握し、健康管理に役立てる方法を紹介します。
監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。
家庭での朝の血圧測定方法と正常値の目安
早朝高血圧を早期に発見するためには、家庭で正しく血圧を測定することが欠かせません。ここでは、測定のタイミングや姿勢、記録の仕方について具体的に説明します。
正しい測定タイミングと準備
朝の血圧測定は、起床後1時間以内に行うのが原則です。トイレを済ませた後、朝食や服薬の前に、1~2分間座って安静にしてから測定します。カフ(腕帯)は心臓の高さに合わせ、上腕式の血圧計を使用することが推奨されています。手首式は簡便ですが、測定位置のずれによる誤差が大きくなりやすいため、診断目的では上腕式が望ましいとされています。また、測定前にはカフェインやアルコールの摂取を避け、寒い環境を避けることも大切です。室温が低いと血管が収縮し、実際よりも高い数値が出やすくなります。測定は2回行い、その平均値を記録すると信頼性が高まります。
家庭血圧の正常値と早朝高血圧の診断基準
家庭血圧における高血圧の診断基準は、一般に収縮期血圧(上の血圧)が135mmHg未満、拡張期血圧(下の血圧)が85mmHg未満とされています。診察室での基準(140/90mmHg未満)よりも低い数値が設定されているのは、家庭測定では緊張の影響が少なく、より安定した状態を反映するためです。早朝高血圧の診断では、起床後1時間以内の測定値が135/85mmHg以上で、かつ日中や診察室では正常範囲にあるケースが該当します。数日から1週間程度の連続測定を行い、その平均値で判断することが推奨されています。1回の高値だけで判断せず、継続的なデータをもとに医師と相談することが重要です。
まとめ
早朝高血圧は、朝の血圧上昇が心血管系に深刻な影響を及ぼす可能性がある状態です。自覚症状が乏しいため見過ごされやすいものの、朝の頭痛やめまい、睡眠障害、尿や視覚の変化といったサインに注意を払うことで、早期発見が可能です。家庭での血圧測定を習慣化し、塩分や糖質、脂質、カフェインを控えた朝食を心がけることが、血圧管理の第一歩となります。症状が気になる方や、家庭血圧で高値が続く方は、速やかに内科や循環器内科を受診し、専門医の診断と治療方針を確認することが大切です。適切な生活習慣の改善と必要に応じた薬物療法により、早朝高血圧は十分にコントロール可能です。
参考文献
日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
