新学期が始まるこの時期。子どもの「自己肯定感」を上げたい、と考えている親も多いのでは? 多数の教育機関と連携しながら子どもの未来のサポートと研究を行っている「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」によると、子どもの自己肯定感を高めるために、親が「やめた方がいいこと」があるそう。詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

1:なじめない環境に子どもを適応させる 

学校などの集団行動になじめない場合、親はその場所に子どもを通わせようと必死になります。ですが、その場所にこだわる必要はありません。学校の図書室や習い事、児童館、フリースクール…どこでもいいのです。

大切なのは、どうなじませるかではなく、子どもが心地よく過ごせる場所を見つけること。

人は、安心できて初めて、なにかに興味や関心を寄せたり、意欲をもてたりします。だからこそ、まずは子どもが「自分でいられる」場所を探してほしいのです。それがひとつあるだけで、子どもの心は驚くほど回復することがあります。

また、居場所は必ずしも“場所”である必要はありません。本を読むと安心するなら、本が居場所です。好きなものそのものが、居場所になりえます。

なにが合うかは試行錯誤するしかありません。「子どもが安心できる居場所を最優先した先に未来がある」と信じることこそ、親にできるいちばんのサポートです。

2:いつも「よい親」でいようとする

常によい親でいようとすると、深みにハマってしまうことがあります。

たとえば、体調が悪いときでも手づくりごはんにこだわったり、疲れていても子どもの要求に応えようとしたり。無意識のうちに、自分自身で理想の親像をつくり上げてしまうのです。

そのとおりに行動できればいいのですが、理想どおりにできない自分を責めたり、「なんで私ばっかり!」とイライラしたりするならば、本末転倒です。

親でも余裕がないときは、「今は無理」、「疲れているからできないよ」と正直に子どもに伝えて問題ありません。自分のエネルギーをムダに消耗せず、イライラすることも防げます。

そしてなにより、親が弱さを見せることで、子ども自身が「弱音を吐いてもいいんだ」とホッとすることも。だから、いつもがんばっている方々、どうか無理せず、少し肩の力を抜いてください。

●親の弱さを知ることで子どもの自己肯定感が育つ

親が弱さを見せないでいると、子どもは「親はできるのに、自分はできないんだ…」と考えるようになり、自己肯定感が低くなる可能性があります。

自己肯定感とは、自分の得意な部分だけでなく、弱さや失敗、苦手なことなど、できない自分も受け入れ、肯定すること。簡単に言えば、「失敗する自分も自分」と思えることです。

親の弱さをオープンにするほうが、じつは子どもの自己肯定感は育まれるのです。「親だって完璧じゃないんだ」と子どもが感じることで、さまざまな視点から自分や他人を見られるように成長していくはずです。

親の“ピンチ”に子どもが意外な能力を発揮することも

親が弱さを見せることは、子どもにとって「自分の出番だ!」と思える絶好の機会にもなります。

あるお母さんが体調不良で休んでいたところ、子どもが飲み物や冷やし枕を持ってきて世話をしてくれたそうです。きっと、自分が頼られているように感じ、うれしく思ったのでしょう。

子どもなりにこのピンチをどうすればいいか、自分になにができるかと考えて行動したわけで、こうした経験は子どもの自立心を育む大切なステップとなります。

また、広い駐車場で車を停めた場所を忘れてしまったお母さんを見た子どもが、「ママ忘れちゃうから!」と駐車場の番号や階数を必ず覚えるようになった、というエピソードも。

さらに、あるデザイナーのお母さんは、自分が方向音痴であることや数学が苦手なことを子どもに包み隠さず伝えてきたそうです。一方で、絵や工作が得意なことも積極的に見せていました。

その結果、子どもは「ママってすごいね!」と、お母さんの得意分野をほめてくれるようになったといいます。友だちとくらべて自分ができないことがあっても悩むこともなく、「人それぞれだから」というスタンスで、長所も短所も含めて自分や友だちのことを尊重できているようです。

親のピンチは、子どものまだ見ぬ一面を発見する絶好の機会。そんなふうに気軽に考えて、ぜひ苦手も弱みも子どもにどんどん見せていきましょう。