お花見スポットに真っ赤なフェラーリ停車で“着物女子”が撮影会…弁護士が指摘する複数の“道交法違反”と過去の書類送検事例 迷惑な動画撮影は社会問題化
日本各地で桜が見頃を迎えている。今年の桜の開花は3月16日に高知、岐阜、甲府から始まり、同月19日には東京でも開花。上野公園や目黒川周辺、千鳥ヶ淵など桜の名所は、連日多くの花見客で賑わいを見せている。
【写真を見る】真っ赤なフェラーリを停車させ、着物の女性が降りてくる様子
そんな中、とあるインフルエンサーの桜にまつわる投稿がSNS上で物議を醸している。
きっかけは、フォロワー1万人を超えるインフルエンサーが投稿した1本の動画。動画内では、美しい桜並木をバックに、真っ赤なフェラーリが横断歩道付近に停車。そこから真っ白な着物を着た女性が降りてきて、カメラに向かって手を振り、微笑んでいる。
動画では、彼女が車道側に向かって車の扉を開ける際、後方から走ってきたタクシーが慌てて避けるように走行する様子も収められていた。この動画を切り抜いた映像がX(旧Twitter)上で拡散されると、瞬く間に400万インプレッションを突破。コメント欄には、「道路交通法違反なのでは?」「道路使用許可証は取っているのか?」などと問う声が殺到し、炎上状態となっている。
弁護士が指摘する「道交法違反の可能性」
カメラを持っている撮影者も、二車線ある車道の真ん中まで出ている様子が見てとれる。多数の車が行き交う公道での、危険な動画撮影。法的な問題はあるのだろうか。大阪グラディアトル法律事務所の黒木佐紀弁護士が解説する。
「今回のケースでは、複数の道路交通法違反に該当する可能性があります。交差点やその側端から5メートル以内、横断歩道の前後の側端から5メートル以内の場所は、危険防止などの例外を除き、駐車だけでなく短時間の『停車』も禁じられています。違反点数は2点、反則金は1万4000円の対象になり得る場所です」
また後方を十分に確認することなくドアを開けて降りる行為についても、道交法に触れる可能性があるという。
「運転者には、安全を確認せずにドアを開けたり降りたりしないよう措置を講じる義務があります。後方のタクシーに危険を生じさせていれば、違反点数1点、反則金6000円(普通車)の対象となります。
さらに、撮影者やモデルが車道に立つ行為について、道交法では『交通の妨害となるような方法で道路上に立ちどまること』を禁じています。これは運転者だけでなく『何人も』が対象なので、撮影者・モデル・補助者の全員に及び得ます。青切符(交通反則告知書)による処理ではなく、刑事処理の対象になりやすい類型です」
さらに黒木弁護士は、過去に公道を塞いで撮影を行い、摘発された事例についても言及した。
「2022年、高松空港前の公道で車5台を道路を塞ぐように並べて撮影した写真がSNSで拡散し、香川県警が捜査に乗り出した事案があります。空港側からの警告を受けた県警が捜査を進め、最終的に道路交通法違反(道路における禁止行為)の容疑で6人が書類送検される事態となりました」(黒木弁護士)
動画を投稿したと思われる女性にDMで取材依頼をしたが、4月1日までに返信はなかった。
今回の例に限らず、"映え"を求める人々が公道や観光地などで交通ルールやマナーを破って周囲に迷惑をかけるケースが増え、社会問題化している。一時の注目や承認欲求の充足と引き換えに、事故やトラブルに巻き込まれることにならないよう、注意したい。
