【センバツ】大阪桐蔭・黒川虎雅主将 30年前に智弁和歌山で選抜準V憧れの父へ恩返しの2点打
◇第98回選抜高校野球大会最終日・決勝 大阪桐蔭7―3智弁学園(2026年3月31日 甲子園)
【みんなイイじゃん】紫紺の大旗はずしりと重かった。大阪桐蔭の1メートル66の小柄な主将、黒川虎雅(たいが=3年)はその重みを全身で感じていた。
「やっと優勝できたなっていう感じ。(優勝旗は)だいぶ重たかったです」。昨年春夏とも甲子園を逃したチームの主将となって8カ月。ここまで強烈なキャプテンシーで引っ張ってきたからこそ感じる重みだった。
主将として先頭に立ちながら打撃で苦しんだ今大会。でも、甲子園は最後に絶好機を用意してくれた。5―3と勝ち越した7回2死二、三塁から左前2点適時打。その打席まで16打数1安打、打率・063。会心の一打で日本一を引き寄せ、30年前に智弁和歌山の二塁手で選抜準優勝した父・芳男さんも超え「お父さんは憧れの存在。結果で恩返しできた」と喜んだ。
入学時から主将を目指し「自分が先頭に立って日本一になりたい」という夢があった。西谷監督も「入ってきたとき“もう(この代の主将は)この子だな”と思っていた」というほど信頼。7回の打席の前、西谷監督から「アウト、チャラやぞ」と言われた。「アウトでもいいから思い切りいけ」という言葉の裏にある思いを、黒川は分かっている。「ヒットを打たなくても主将の仕事だけで十分貢献してるぞ」――。厚い信頼が生んだ主将の日本一の殊勲打だった。(秋村 誠人)
