アイシン坂本雅が入替戦のラッキーガールに…「このままではいけない」と覚悟を決めた3年目

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 勝負の懸かる大事な時間帯、アイシンウィングスの坂本雅が大仕事をやってのけた。


 プレミア7位のアイシンとフューチャー2位の山梨クィーンビーズとで行われた「Wリーグディビジョン入替戦2025-26」(2026年3月18~20日/国立代々木競技場第二体育館)。2戦先勝方式の中、初戦は山梨QB、第2戦はアイシンが勝ちを収め、勝負の行方は第3戦へともつれた。


 迎えた第3戦は両チーム譲らず。第1クォーターはアイシンが4点リードするも、第2クォーターでは山梨QBが過去2試合で見せてきた粘りのバスケットを展開。前半を終えて山梨QBが33-32と1点リードした。


 後半に入っても状況は変わらず、山梨QBが1点リードのまま最終クォーターへ突入する。その第4クォーターではリバウンドからチャンスを作ったアイシンがジャネイ・コリンズや野口さくらのフリースローでわずかにリードすると、残り5分11秒、渡嘉敷来夢からパスを受けた坂本が3ポイントシュートを沈め、リードを8点に広げた。


 山梨QBのタイムアウト明けも坂本はドライブからファウルを誘って得たフリースローを決めると、残り約1分10秒には山梨QBの戦意をくじくような3ポイントシュート。終わってみれば約17分半の出場で3ポイントシュート2本を含む13得点を奪取し、チームの勝利に一役買った。


「前半からずっと苦しい状況が続いていて、自分のシュートも昨日(第1戦)からなかなか入ってなかったんですけど、いいパスから一本決めることができたし、タクさん(渡嘉敷)もレアさん(岡本彩也花)もずっと声を掛け続けてくれたので、思い切って打つことができました。そこからリズムにも乗れたし、チームも少し勢いづいたかなと思うので良かったです」


 試合後、にこやかな表情で試合についての感想を語った坂本は、前日の第2戦では約15分の出場で無得点。最後は無念のファウルアウトとなっていた。それでも、「シュートは入らなかったんですけど、打ち続けるように言われていたので、自分としてはフリーでもらったら打つということしか考えていなかったです。チームの人たちがつないでくれたボールを決め切るだけなので、そこは強い気持ちを持って打てたのが良かったかなと思います」と、強い気持ちを持ち続け、第3戦での爆発へとつなげた。


 中でも勝利を手繰り寄せるような3ポイントシュートについては「タクさんからもらったパスでシュートを決めることができて、周りの人もすごく喜んでくれてたし、観客の方たちの声も聞こえたのでうれしかったです」と、喜びの言葉を発した。


 桜花学園高校時代は3年生のときにキャプテンを務め、地元愛知でのインターハイ優勝に貢献。愛知学泉大学でも着実にキャリアを重ねた。しかし大学4年、最後のインカレで左ヒザの大ケガを負ってしまう。これが12月のことで、アイシン入団時は復帰に向けたリハビリの最中だった。そこから今シーズンは3年目。


「1、2年目は、ケガから(チームに)入ったこともあって思うようにプレーできなかったところがあったのですが、3年目になって、このままではいけないというのと、ちょっとでもプレータイムをもらったら強気で攻めようと思っていました」と、レギュラーシーズンから大幅にプレータイムを伸ばした。


 加えて「自分が得意なのはディフェンスなので、ディフェンスでチームに貢献できたらと思っています。試合には途中出場が多いので、チームの状況を見ながらチームに勢いを与えるプレーができたらと考えているので、思い切ってプレーするようにはしています」という。


 覚悟を持って臨んだシーズン。26歳のシューティングガードは、泣いても笑ってもシーズン最後となる一戦でも、見事に取り組んできたことを体現した。


文=田島早苗



【動画】勝利を引き寄せたアイシン・坂本の3ポイント