サウジアラビア仕様の「クラウンマジェスタ」

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サウジアラビアにおける最上級モデル「クラウンマジェスタ」

 トヨタが長年販売を続ける正統派高級車「クラウン」ですが、かつてはこのクラウンの最上級の派生モデルとして「クラウンマジェスタ」が設定されていました。
 
 クラウンとして14代目を最後にクラウンマジェスタは消滅しましたが、実はサウジアラビア市場で復活を果たしています。

 トヨタ「クラウン」シリーズは1955年に登場後、日本を代表する高級乗用車としての系譜を歩み、現行型は16代目に進化しています。

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 最新の16代目クラウンは、従来のフォーマルなセダンに加え、クロスオーバー、スポーツ、エステートと、SUV3タイプを追加。多様なラインナップとすることで、単一高級セダンという概念を超え、幅広いライフスタイルに対応するブランドへと変貌を遂げました。

 そのいっぽうで、パーソナルクーペやバンなど、さまざまなキャラクターを展開してきたのも事実です。

 そのひとつが「クラウンマジェスタ」です。デビューは1991年のことでした。

 登場前夜の1989年、当時の8代目クラウンでマイナーチェンジが実施され、「エレクトロマルチビジョン」やヘッドアップディスプレイなどの最先端技術と、新開発のV型8気筒高出力エンジンを搭載するトップグレード「ロイヤルサルーンG」が新設定されました。

 これに続いて、トヨタブランドの最高峰の乗用車「セルシオ」がデビューします。セルシオは完全新規開発車種で、欧州の高級セダンを敵視したモデルとして、レクサスブランド立ち上げにも関わるなど、新たなフラッグシップとなりました。

 この2台がデビューしたことで、次世代トップモデルのセルシオと、長きに渡って信頼されてきたコンサバティブなセダンを守るクラウンとの差が顕著になり、ラインナップにおいて空白が存在することになったのです。

 そこでトヨタはクラウンの派生としてクラウンマジェスタを投入するに至りました。

「MAJESTY=威厳ある」を意味する車名が示すとおり、新設計したモノコックボディの採用のほか、流麗なデザインと高品位な室内空間で、クラウンシリーズの頂点に位置付けられていました。

 搭載ユニットは8代目クラウンで採用した3リッター直列6気筒に加え、ロイヤルサルーンGで採用したV型8気筒も設定。

 以後、セルシオともクラウンとも異なる位置づけにラインナップされ、V8エンジンや専用ボディなどで差別化を図ります。

 しかし、最終型の6代目(クラウン通算14代目)では、クラウンマジェスタ専用ボディが廃止され、デザインを含めて標準の14代目クラウンとの差が非常に縮まり、V8エンジンもなくなるなど、マジェスタらしさが失われることになりました。

 2018年には、14代目クラウンの終売に伴い、クラウンマジェスタは廃止されました。

 それから5年が経過した2023年、16代目クラウンシリーズが各地で販売を開始するなか、サウジアラビア市場でデビューしたクラウンクロスオーバー(現地名:クラウン)において「マジェスタ」の名称が復活したのです。

 日本仕様でいうところの最上級モデル「RS」をベースとしながら、パドルシフトやパワーバックドア、ドアのイージークローザーを標準化。奇しくも、下位グレード「プレミアム」にはオプション設定もないヘッドアップディスプレイが標準装備されており、かつてのクラウンマジェスタと共通性を感じずにはいられません。

 パワートレインは344馬力を発揮する2.4リッター4気筒のデュアルブーストハイブリッドの高性能タイプです。

 価格は20万2170サウジアラビアリヤル(約849万円・2026年3月上旬現在)に設定され、下位のプレミアムグレードよりも3万5880サウジアラビアリヤル高(約151万円・同)となっています。

 5年ぶりの復活を果たしたクラウンマジェスタは、サウジアラビアの富裕層に対し、通常のクラウンクロスオーバーとは異なる立ち位置の最高級モデルとして、独自のステータス性を示すモデルへと進化しています。