ホンダの「新型“軽ワゴン”」どんな車? めちゃシンプルデザイン&「軽トップレベルの快適性」で遠出もしたくなる!? 新たな“日常使いモデル”「新型N-ONE e:」を徹底検証!

写真拡大 (全3枚)

ホンダの新型軽「N-ONE e:」どんなクルマ

 ホンダは「2040年に世界での販売の全てをBEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)とする」と発表しています。

 まもなく開催の「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、次世代BEV「ホンダゼロシリーズ」が公開されますが、直近の日本市場では軽自動車をベースにしたモデルが主となります。

【画像】超カッコイイ! これがホンダ新型軽ワゴン「N-ONE e:」の全貌です!(30枚以上)

 すでに商用の「N-VAN e:」が販売中で、第2弾が今回紹介する「N-ONE e:」です。

注目の新型「N-ONE e:」印象は?

 ホンダはターゲットユーザーを「日常使いを想定し、40〜50代の女性」と想定していますが、要するに自宅で充電ができ、セカンドカーとして日常の生活や通勤に使う「シティコミューター」というわけです。

 エクステリアはガソリン車と基本的なデザインは共通ですが、フロント/リアが専用デザインに変更。フロントマスクは出目金感が消え、ツルンとしたシンプルなデザインになっています。

 ちなみフロントグリルはN-VAN e:と同じくサスティナブル素材を採用。Hマークの左右に普通/急速(「G」グレードはOP)の充電ポートが設けられています。

 リアはガーニッシュレスかつバンパーの位置の変更により、フロント同様にシンプルに仕立てられています。

 このいい意味で、“素っけない”のエクステリアには、Gグレードに装着の「鉄チンホイール」がベストマッチかなと思います。

 インテリアはインパネ周りが専用デザインになっています。基本的なレイアウトはガソリン車と同じですが、水平基調のよりシンプルなデザインのインパネ、フル液晶メーター、電子シフトなどを装着。

 質感などは豪華絢爛な軽スーパーハイト系と比べると劣るものの、チープ感はありません。

 上級の「L」グレードはセンターにインフォテイメントディスプレイが装着されますが、Gグレードはオプション設定。この辺りは「スマホで問題ないでしょ?」という割り切り(Bluetoothオーディオは全車標準)です。

 ディスプレイレス仕様はイマドキ珍しいので、実際に見ると「モニターレスだと、こんなに目の前がスッキリするのか」とシミジミ…。

 床下にバッテリーを搭載していますが、薄型バッテリー採用やシート固定の工夫も相まって、着座位置(リアシートは若干体育座りになる)や使い勝手(ダイブダウンやチップアップ)もガソリン車とほぼ同じです。

 パワートレインはN-VAN e:と同じで、最大出力47kW(64ps)/最大トルク162Nmを発揮するモーターに、29.6kWhの薄型リチウムイオンバッテリーを搭載。航続距離はWLTCモードで295kmと、ライバルとなる日産「サクラ」(同180km)を大きく超えています。

 さらに急速充電は50kW対応なのも嬉しいポイントですが、ヒートポンプエアコンではないので、冬場の航続距離低下は気になる所。開発者に聞くと「冬場は大容量バッテリーを活かしてカバーします」と語っています。

「余裕タップリ」で快適性は軽“ナンバーワン”!? 乗った印象は

 今回は一般道に加えて首都高速でも試乗しましたが、トルクはガソリンの「N-ONE」と比較して約1.5倍という上に、踏んだ瞬間からトルクが出るモーターなので、一般道ではアクセルひと踏みでモタツキなくスッと前に出てくれる「心地よさ」、高速道路では大人3人+荷物を載せた状態でも流れをリードできる余裕すら感じる「力強さ」を実感。

 より経済的な走行が可能なECONモードも用意されていますが、それでも十分以上。

 個人的には、シティコミューターであればより出力を絞って(ガソリンNAくらい)航続距離を重視したモードがあってもいいと思ったくらいです。

 さらにN-ONE e:にはホンダ初となる「シングルペダルコントロール(アクセル操作のみで加減速調整と停車保持が可能)」が採用されています。

 減速制御はとても自然でラフな操作でも「カックンブレーキ」のような感じにはなりにくいので、街乗りではリズムよく走れるため積極的に使いたくなります。

完成度の高い”シティコミューター”「新型N-ONE e:」

 フットワークは床下にバッテリーを搭載したことによる低重心と素性の良さ(=全高が低い)の相乗効果で、全幅1475mmを感じさせないドシっと4輪が路面に踏ん張っている印象で軽自動車らしからぬ安定性とシッカリ感に驚きます。

 サスペンションは街乗りを重視したセットアップで、バネ/ダンパーともにそれほど引き締められていないと思いますが、穏やかだけどダルではないハンドリングで、ちょっと昔のフランス車のベーシックモデルのような、タイヤのグリップに頼らずクルマ全体で旋回するようなイメージ。

 乗り心地もフロントはもちろん、リアでも軽自動車特有の突き上げは少なく、しなやかな足の動きも相まって、快適性は軽自動車ナンバーワンといってもいいレベルです。

 上記のような印象から、ガソリン車よりも走る・曲がる・止まるの総力は高く、ホンダセンシングのACC(アダプティブクルーズコントロール)+LKAS(レーンキーピングアシスト)を活用しながら走らせれば「遠乗りもアリかな?」と思ってしまったくらいです。

 総じていうと、シティコミューターにしておくのは勿体ない1台といえるでしょう。

 ただ、筆者(山本シンヤ)としての意見では、シティコミューターにしては贅沢につくりすぎちゃったかな、とも。やはりホンダはベーシックなモデルを造らせると、ピカイチです。

 価格はGが269万9400円、Lが319万8000円と軽自動車としては高めですが、国のCEV補助金を活用すれば、軽スーパーハイトワゴンの最上級グレード+オプション装着くらいの乗り出し額に収まるはずです。

 つまり、普段使いの軽乗用車として考えても、現実的な選択肢になり得る存在だと思います。

 ただ、最大の課題はリセールバリューで、「N-BOX」のような期待はできません。

 個人的にはまずは乗ってもらうための策、例えば残クレの残価率を上げるなどの支援策は必要でしょう。

 筆者は以前から「BEVの普及はセカンドカーにあり」と説いていますが、N-ONE e:はまさに「BEV初めの一歩」にふさわしいモデルだと思っています。

 個人的にはターゲットカスタマーだけでなく、機動性の高さと運転の楽しさを兼ね備えたベーシックな軽セダンのMTで通勤しているような男性にも乗ってほしいです。絶対に楽しいですから!