昼・おやつ・夕暮れ、いつ行っても楽しいのが谷根千の魅力 古い町並みが残る独特の雰囲気に心惹かれる

世界の美食や昼飲みも楽しめて、地元の人が集う人気店も多くある谷根千。路地を回れば、隠れた名店も。「大人の週末」スタッフがおすすめする過去掲載店のご紹介と、昼・おやつ・夕暮れ…それぞれの谷根千の魅力を語り合った様子をお届けします。
ぜひ行ってみて! 過去掲載したスタッフおすすめの店
2025年5月号の特集では新店を中心とした構成になっていますが、谷根千にはまだまだ魅力的なお店がたくさんあるんです。そこで、過去掲載店の中から、スタッフがここにはぜひ! とすすめるお店を紹介いたします。
『ダモンデ』@千駄木
シックな店内の雰囲気から心を鷲掴み。料理は和食ベースながら、一皿ひと皿にソースなどでひと工夫加える。そんな店主・佐藤 猛さんの妙技を堪能するならおまかせコースがオススメ。
菜々山(以下・菜)「酒が進んで仕方ない! つまみにも〆にもなる『本鮪の贅沢巻き』もぜひ」

東京都文京区千駄木2-11-17
『エゾットリア』@千駄木
蝦夷鹿や海鮮など北海道の食材にこだわった料理を楽しませてくれるイタリアン。それらのおいしさに加え、カウンターのみ7席と小さな店だからこそ可能な店主との会話も楽しく、長居する客でにぎわう。
武内(以下・武)「蝦夷鹿の炭火焼きは必食です」

東京都文京区千駄木3-44-1
『蕎心』@根津
昼も夜も行列必至の人気店。その日の天気や蕎麦の状態を鑑みて丁寧に打つ蕎麦は香りよし、のど越しよし。何をたぐってもおいしいが、おすすめは鴨せいろ。
肥田木(以下・肥)「肉厚の鴨肉のコクと旨みが加わったツユに蕎麦をつけてズズッとやれば、たちまち口福です!」

東京都文京区根津2-11-10
『松風』@根津
端正で香り豊かな十割を楽しませてくれるかと思えば、すだちの代わりにオレンジを使ったアイデアあふれる蕎麦を提供してくれたりも。伝統にとらわれることなく蕎麦の魅力を存分に楽しませてくれるお店。
菜「根津で蕎麦なら、私はここ一択です」

東京都文京区根津2-37-12
『根津たけもと』@根津
こだわって仕入れる海鮮料理をはじめ、揚げ物、煮物、〆のおにぎりまでどれも美味。合わせるお酒も日本酒、ワイン、焼酎など食を引き立てるものが揃えられている。何より気さくなご主人との会話も楽しいお店。
武「予約が取りづらいけれど、ぜひ!」

東京都文京区根津2-14-10
『ル・クシネ』@根津
香ばしくカリッと焼かれた生地の中にはコク深く濃厚なカスタードがたっぷり。
武「谷根千に足を運んだ時は、定休日以外はほぼ購入しています」
というシュークリームはタイミングがよければ、生地にクリームを詰めたても購入できる。買い食いにマストの一品。

東京都文京区根津2-34-24
『千駄木うどん 汐満』@千駄木
戎「クリーミーなカレーうどんがヤミツキになる!」
その秘密は、約20種類のスパイスを調合した特製のルウに、上質なミルクで伸ばしたツユを合わせているから。名物の「豚カレーうどん」なら豚肉と極太麺でガッツリ。天ぷらをつまみに居酒屋使いもいい。

東京都文京区千駄木3-37-3
『冨じ家』@千駄木
老舗の魚屋さんが営む定食屋さん。ブレンドした米麹味噌と西京味噌に銀ダラを漬け込み、香ばしく焼き上げた西京焼きが名物。香ばしさ、味噌の甘さ、塩味が銀ダラの旨みを引き立て、ご飯が進んで仕方がない。
肥「ふかふかのアジフライも見逃せません」

東京都文京区千駄木3-42-16
谷根千さんぽスタッフ覆面座談会
昼担当のライター菜々山、おやつ担当のライター井島、夕暮れ担当のライター肥田木、そして編集戎と武内による座談会です。 各自が取材して感じた谷根千の魅力、新たな発見について語ります。
初登場店も続々?人気の街の魅力とは
菜「ねえ知ってた? 4月末まで『文京つつじまつり』が根津神社で開催されてるんだって。おと週の発売日頃は谷根千界隈も大にぎわいだと思うよ。特集のタイミングはバッチリだったね。この時期はランチ難民が出るほどって取材した各店で言ってたもん」
井島(以下・井)「でも気候もよくなって行楽シーズンだし、雑誌を手に散策してくれたらうれしいですね! で、今回のランチはどうでした?」
戎「実は特集が決まった時は、新店もあまりないよなぁ〜と嘆きながら街歩きを始めたんですが……いやぁやっぱり谷根千は楽しい! 再開発で東京の街がどんどん同じような景観に変わっていく中、変わらぬ姿かつ、独特の空気感はここだけのもの。何だかんだいって初登場の店も結構ご紹介できました!」
菜「まずは『福良』だね。ここの存在はでかい。焼魚4種に玉子焼きが付く『家喜者五膳』は高級旅館の朝食みたいで気分も上がる!」

戎「ホントホント、それが1500円という衝撃価格」
武「実はその店、夜の調査候補にも入れていた新店なんですよね。取材した店の店主らがおすすめしてくれて」
肥「だよね。谷根千ってどの店の店主も地元の人も、新店やいい店へのアンテナがすんごいの。街を盛り上げたいという地元愛が強い。店主や常連さん同士で情報交換することも多いみたいだよ」
井「下町の連帯感っていいですよね。新店では台湾料理『麻膳堂』の日本1号店も根津に出店したとか?」
戎「そうそう、いろんな国の料理が楽しめるのも今回発見したポイントです。食で世界を旅するような気分を味わってもらえたらいいなと」

菜「和食なら『松好』もおすすめだよ。釜飯はふっくらした米の粒立ちが絶妙だった。しかも昼でも焼鳥が食べられるのもうれしい。当然ビール頼んじゃうよね」
戎「僕はベルギービールが豊富な『ダブリン』で飲んだランビックの酸味に衝撃。ベトナム『バブバル』のココナッツが効いた蒸溜酒もおいしかったなぁ」
独特の空気感に誘われ昼飲みしたくなる!
肥「てか確認だけど君たちランチ担当だったよね(笑)」
戎「谷根千の空気感って昼から酒が飲みたくなるんですよ。てことで『谷中ぎんざ』で昼飲みもやっちゃいました」
菜「実は今まで中高年の街だと思ってたけど、若者の多さにびっくりした。今は食べ歩き&飲み歩きNGの商店街も増えてるじゃない? ここはお酒片手に歩いてる人も多く、そのおおらかさも賑わいにひと役買ってると思う。ぜひこのまま突き進んで欲しい」
戎「つまみの持ち込みができる『越後屋酒店』は定番ですよね。近くの惣菜店とかでいろいろ買ってここで酒を飲む。酒屋がハブとなって、他の店の商品も売れる→ビジネスの素晴らしいエコシステム。これぞニッポンの商店街の楽しさだよ、外国人のみなさん! って思いました」

井「それなんだけど、久しぶりにこのエリアに来てみたら、外国人観光客の予想以上の多さにもう驚いちゃった」
武「ホント。どの店もかなり混んでいましたしね」
井「でも中には“外国人向きならこれでいいよね”的な店や高過ぎる店もあったりして……。私はおやつ担当だったんですけど。大通りから離れた路地にもいい店が潜んでるから、根津や千駄木までぐるっと歩くのがおすすめです」
菜「どこがよかった?」
井「マフィンの『ataruBAKE』見たことない組み合わせが多くて楽しい。今回は甘い味を紹介したけど惣菜系も面白い。酒のつまみになりそうな味も!」
肥「え、酒のつまみになるマフィン? メモメモ」

井「焼菓子とケーキの『spiq』も抜群においしかったんですけど、予約した方がいいというのがちょっと手間なんですよね」
戎「わかります。ふらっと見つけた店に寄って、その場で好きな味を選ぶのが散策の醍醐味だったりしますもん。でも人気店は仕方ないか……あと、谷根千って古民家を改装した店も多いですよね」
井「コーヒー好きなら行ってほしい『トイロ珈琲店』や『雨音茶寮』もそう。どちらもしっとりとした雰囲気を大切にしているからワイワイ騒ぐ感じではないけど。雰囲気を壊さないよう、気を遣わず話ができるのは『百舌珈琲店』かな」
菜「ウチらはそこ(笑)」
肥「うん、メモメモ」
井「古い町並みが残っていて、観光地でもあり、昔から住んでいる人もいたりと、他の街と違うからなのか個性的な店が特に多い気がします」

個性的な夜の店で谷根千の奥深さを知る
武「夜の店もそれを感じました。飲食激戦区とまではいきませんが、このエリアはすぐ先に湯島や上野がある。昔から様々な食を楽しんでいる人が地元の常連となる訳だから、それなりの味や個性がないと通用しないと思う。なので今回の紹介店も美味なり、通いたいなり。という店揃い」
戎「確かに昼と違って地元の方が集まってる印象です」
肥「そうなの。とはいえ常連さんばかりで一見が入りにくいことはない。つまり店主も常連さんも感じがいいんだよね。『ネネコロ』や『にしくら』はマジで近所に引っ越したくなる」
武「根津側の方が食べ&飲み慣れている落ち着きのあるお客さんが集まっていて、谷中は若い人が多いと思いました。野菜にこだわる創作フレンチ『柔菜ハタウチ』のように、根津はやや高級感ある店、カジュアルなのが谷中・千駄木というイメージ」
肥「谷中では『清太郎』。お酒に詳しい店主との会話が楽しかった。そういう交流も小さい店ならではだよね。夜の店は地元の人との出会いもあって、谷根千の奥深さや素顔を楽しめると思う」

武「で、今まで何十回も谷根千を回っていて僕的満腹ほろ酔いコースができました」
菜「へえ、どんなの?」
武「スタートは昼、日暮里駅から。夕やけだんだんまで行かず、昭和の横丁『初音小路』の前を通って根津方面に。駅2番出口すぐそばの精肉店でコロッケを買い食い。休憩に定食屋か町中華でラーメンとか食べてへび道方面へ。『ル・クシネ』のシュークリームを買い食い用に購入。行列だったら買うのを我慢してへび道沿い『パセレ』でチュロスを楽しむ。で、銭湯『朝日湯』まで歩いてひとっ風呂。そのまま『谷中ぎんざ』まで行ってコロッケとビールをガブリでグビリ。その先はうなぎか焼鳥か蕎麦なんかを気分次第ではしごして、さらにお酒を。バー巡りで少し深酒して帰宅なり。2万歩近い散策になること請け合いです」
肥「2万歩も歩いて3kg太りそうや(笑)。てか1回のコメントでこのページ22行も割いてるやん。『アミラス』『Bar長谷川』とかもっと読者のみなさんに紹介したかったのにー」
戎「後は誌面で。散策の参考にぜひ!」

文/肥田木奈々(座談会)
※月刊情報誌『おとなの週末』2025年5月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
…つづく「東京・谷根千“路地裏”の名店4選! 取材を諦めた新店・名店も」では、 常連の仲間入りをしたい、そう思わせてくれる路地裏の名店を見つけてきました。


