『ジークアクス』から『エヴァ』を感じるポイントは? 庵野節全開の設定を考察
『新世紀エヴァンゲリオン』の新劇場版シリーズを手がけたスタジオカラーと長年「ガンダム」シリーズを手がけるサンライズがタッグを組み、庵野秀明が脚本に参加したアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』。アニメに先駆けて全国公開された劇場版は公開73日間で興行収入33.4億円&動員202万人を記録し、放送中のTVアニメも歴代のガンダムファンを沸かせるオマージュや、赤い彗星・シャアの登場などによって深夜帯の放送にもかかわらず毎話Xのトレンドを席巻している。
参考:【画像】『ポプテピピック』大川ぶくぶが描いたニャアンがかわいい! 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』イラスト
本稿では本作ならではのポイントや庵野節全開の設定について紹介したい。
◼︎交通管制にコロニー…… エヴァを彷彿とさせる設定
TVアニメ1話でまず印象的だったのが、冒頭から緊急時の交通管制を伝えるサイネージや主人公アマテ・ユズリハ(マチュ)が電車で立ち往生するシーンが登場することだ。
『新世紀エヴァンゲリオン』の1話目も、使徒の襲撃によって街に特別非常事態宣言が出される中、父に呼び出された碇シンジが疎開先からNERV本部へ向かう姿が描かれる。「運転中止」と書かれた電車のサイネージやガラガラの駅のホーム、線路の描写などが描かれた『エヴァンゲリオン』の1話目冒頭の交通管制描写。『ジークアクス』の1話を見てから、改めて「第壱話 使徒、襲来」見返してみると、冒頭シーンの共通点に庵野節を感じることができるだろう。
また、『ジークアクス』1話目のハイライトは本作の特報などにも使用されているコロニー紹介シーンだろう。 「直径6.4kmのスペースコロニーは113.5秒に1回回転し、1Gの遠心力を生み出している。私たちを地面に押し付けているこの力は、本物の重力じゃない。空は頭の上じゃなく、足の下にあるんだ。コロニー生まれの私たちは、本物の重力も本物の空も知らない。もちろん本物の海も。」という、マチュによるナレーションとともに登場するコロニーは、球体の内部に近代都市や海が広がり、回転しながらその全景を見せるカメラワークによって、美しい人工的なビジュアルと、宇宙空間ならではの独特の浮遊感が味わえる。
学校や病院があり人々が日常生活を営む生活空間としての姿と、軍事要塞や非常時のシェルターとしての姿、街が持つ二面性を描くのも庵野流だ。エヴァンゲリオンに登場する第三新東京市も、平常時はまるで日本のような街並みで、学校や住宅街もあり人々が日常生活を営むが、使徒が襲来すると高層ビル群が地下に格納され、対空砲などの使徒迎撃システムが顔を出し、生活空間と軍事要塞、2つの機能が共存していた。
また、エヴァンゲリオンの世界では、セカンドインパクト後、全世界の海が赤く変色し海洋生物はそのほとんどが死滅しているはずなので、当然のことながら第三新東京市にある海も人工物だ。そして、こうした人間が生み出した近代都市を、空中からの自在なカメラワークで美しく魅せる演出もまた、2作品の共通点と言えるのではないだろうか。
◼︎M.A.V.戦術やシュウジを巡る三角関係など、パイロットの人間模様も注目
映像面や舞台設定での共通ポイントを紹介してきたが、『ジークアクス』では肝心のガンダムでの戦い方やキャラクターにも、これまでのガンダムシリーズとの違いを感じられるポイントは多い。特に、2機1組のモビルスーツで戦闘を行う「M.A.V.(マヴ)」戦術は、これまでモビルスーツ同士の一騎打ちや、ガンダム1機に対し、軍勢が敵対する構図の戦闘シーンが多かったガンダムシリーズにおいて、ガンダムが複数機で攻守のフォーメーションを組んで戦う、戦闘スタイルを確立させた。
また、本作の主人公マチュはシュウジ・イトウとマブを組んでクランバトル(非合法なモビルスーツ決闘競技)に参加しているが、第5話ではマチュがクランバトルに参加できなくなり、代わりにもう1人のメインキャラニャアンがシュウジとマブを組み、見事バトルに勝利。そのバトルを映像で見たマチュが、悔しさのあまり「シュウジとのキラキラは私だけのものなのに!」と心の中で叫びながら雨の中を走るシーンが描かれ、メインキャラクターたちの三角関係フラグが描かれた。
回を追うごとに、メインキャラクターたちの新たな一面も明らかになっているジークアクス。シンジと綾波、アスカのように恋愛模様や敵対関係などが描かれていく可能性もある。これまでの放送回をおさらいしつつ、今後の展開を予想してみるのも面白いかもしれない。
(文=あさみ)
