驚愕!約1年間で300回以上… 無車検・無保険レンタカーを貸していた!? の27歳店長を逮捕、何があった? 元警察官が解説

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驚愕!約1年間で300回以上、車検切れのクルマを貸していた可能性も…

 熊本県警は5月8日、車検や自賠責保険が切れたレンタカーを客に貸し出したとして、熊本市西区にある「ガッツレンタカー熊本駅前店」の27歳の店長を道路運送車両法違反(無車検)と自動車損害賠償保障法(無保険)の疑いで逮捕しました。

 では、一体どのような事案だったのでしょうか。

驚愕!約1年間で300回以上、車検切れのクルマを貸していた可能性も…

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 同店長は2024年11月1日、無車検・無保険状態の軽自動車を客に貸し出して運行させたほか、2025年4月17日にも無車検の軽自動車を貸し出して運行させた疑いが持たれています。

 これは2024年11月1日の午後、熊本県阿蘇市内の国道においてレンタカーの利用客が物損事故を起こして110番通報したことにより、クルマの車検が約5か月、自賠責保険が約4か月切れていたと発覚したものです。

 その際、店長は「たまたま有効期間が切れていた」と説明していましたが、その後の内偵捜査によって、当該レンタカー店のクルマ120台のうち、40台以上が車検切れ状態であることが判明しました。

 そして2025年4月17日に警察が家宅捜索をおこなったところ、利用客から返却されたレンタカーの車検が2週間切れていたことも発覚。

 今年4月中旬までの約1年間で、無車検状態のレンタカーを少なくとも300回以上客に貸し出していたとみられ、警察は今後、他の車両の貸し出し実績などを詳しく捜査するとしています。

 警察の調べに対し店長は容疑を認め、「店舗の売り上げを伸ばしたかった。予約も多く、貸し出すクルマを確保するために無車検と分かって貸した」などと話しています。

 なお同店舗は長崎県の自動車販売会社が運営しており、株式会社ガッツ・ジャパンとフランチャイズ契約を結んでいました。

 今回の事案を受けて株式会社ガッツ・ジャパンは声明を出して謝罪し、次のように説明しています。

「当該加盟店に対しては、横領目的による不正行為および法令遵守違反、ガッツレンタカーのブランド基準への重大な逸脱があったことを踏まえ、フランチャイズ加盟契約を正式に解除いたしました。

 今後は再発防止策として、全加盟店への車両管理体制の再確認と、車検・点検業務に関する指導を一層徹底してまいります」

 このニュースに対してインターネット上では「現場の責任者の店長が一番良くないですが、本社の運営にも問題がありそうな気がする」、「定期的に監査していなかったのかな?」など、本部側の管理体制の甘さを指摘する声が聞かれました。

 さらに「某レンタカー屋ではインバウンドの影響で、事故が多いそうです。(中略)事故が続くと修理代、その車の営業中止で手間が増えて割に合わないとぼやいていました」という話も寄せられ、海外観光客の増加によるレンタカー会社への影響も少なからずあるものとみられます。

 そのほか「300回も貸せば、車検証を見たりステッカーで車検切れに気付く客がいてもいいはずだが」、「お店が悪いのは大前提として、運転手も運行前点検をすべき」といった意見が聞かれました。

 上記コメントにあるように、車検の有効期間はクルマのフロントガラスに貼付された検査標章や車検証で確認できます。

 また自賠責保険の有効期間については、車内に備え付けられた自動車損害賠償責任保険証明書に記載されています。

 平素から、運転前にクルマの状態とあわせて車検や自賠責保険の有効期間をチェックする習慣をつけると良いかもしれません。

※ ※ ※

 実はドライバーの中には、うっかりして無車検・無保険の状態のクルマを運転してしまう人も少なくありません。

 無車検の場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金、無保険の場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科される可能性があるため、日頃からクルマの定期点検をおこなうことが大切といえるでしょう。