ようやくの、秋本番。時間も穏やかに流れるこの時期は、無性に本を読みたくなりませんか?読書の秋、食欲の秋でもありますし、本のエキスパートたちが選ぶ“おいしい”本を厳選してご紹介します。今回は、東京・代官山の旧山手通りに面し…

ようやくの、秋本番。時間も穏やかに流れるこの時期は、無性に本を読みたくなりませんか?読書の秋、食欲の秋でもありますし、本のエキスパートたちが選ぶ“おいしい”本を厳選してご紹介します。今回は、東京・代官山の旧山手通りに面したお洒落スポットにある『代官山蔦屋書店』でコンシェルジュを務める間室道子さんおススメの5冊です。

【『代官山蔦屋書店』コンシェルジュ 間室道子さん】

『代官山 蔦屋書店』のコンシェルジュ 間室道子さん

ダークなユーモアを忍ばせたセレクト

「代官山 蔦屋書店には私が密かに“本屋のお客様のプロ”と名付けている本好き・本屋好きの方々がいらっしゃるんです」という間室さん。その方々を棚の前でニヤッとさせようと毎回フェアの選書に刺客を偲ばせているという。

ちょうど始まった食欲の秋のフェア『食べる本』では、レストラン小説や食エッセイにこっそり人間が食材になっている物語を混ぜ込んだ。そのひとつが『注文の多い料理店』。他にも、洋食がご馳走だった世代にはたまらなく懐かしくも恋しい『にっこり洋食』など、大人が読んでそうそう、うんうんと共感できる、エスプリがきいた敏腕コンシェルジュのセレクトに脱帽!

【recommend1】『注文の多い料理店』宮沢賢治 著

『注文の多い料理店』宮沢賢治 著、新潮文庫/484円

宮沢賢治唯一の童話集。ふたりの紳士が山奥で見つけた西洋料理店で出合った料理とは!?「人間を“できるだけおいしく”食べようとするところにユーモアと、そして恐怖も感じます」

【recommend2】『あなたに似た人 新訳版1』ロアルド・ダール 著、田口俊樹 訳

『あなたに似た人 新訳版1』ロアルド・ダール 著、田口俊樹 訳、ハヤカワ・ミステリ文庫/836円

短編小説の名手が贈る絶品短編集。『味』は、ワインの銘柄を当てる賭けにとんでもないものを賭けてしまう話。「ブラックユーモアと意外な結末がいいんです。『おとなしい凶器』もおすすめ」

【recommend3】『君がいない夜のごはん』穂村弘 著

『君がいない夜のごはん』穂村弘 著、文春文庫/814円

料理ができず、味音痴。そんな人気歌人・穂村 弘が身近な食の違和感を描いたクスリと笑えるエッセイ。「“食い違い”の衝撃は全人格に響きます。笑いでお腹がはち切れそうになりますよ」

【recommend4】『にっこり、洋食 おいしい文藝』江國香織、谷崎潤一郎、村上春樹、池波正太郎、森茉莉ほか 著、杉田淳子、武藤正人 編

『にっこり、洋食 おいしい文藝』江國香織、谷崎潤一郎、村上春樹、池波正太郎、森茉莉ほか 著、杉田淳子、武藤正人(編)、河出書房新社/1782円

古今の著名人が「洋食」をテーマに書いた32篇のアンソロジー。「“今夜は洋食だ”といううれしさを知っているのは昭和世代。そんな世代に刺さる、おいしいお話がたっぷり味わえます」

『にっこり、洋食 おいしい文藝』江國香織、谷崎潤一郎、村上春樹、池波正太郎、森茉莉ほか 著、杉田淳子、武藤正人(編)、河出書房新社/1782円

【recommend5】『音楽家の食卓』野田浩資 著

『音楽家の食卓』野田浩資 著、誠文堂新光社/2860円

著者は大のクラシック好きで知られるシェフ。現地で音楽家の人生を辿り、彼らゆかりの料理やエピソードを語る。「大音楽家の食生活から文化や時代の移り変わりが見える貴重な1冊です」

『音楽家の食卓』野田浩資 著、誠文堂新光社/2860円

『代官山 蔦屋書店』

本の分野ごとにそれぞれコンシェルジュがいるのが特徴。本だけでなく、クリエイターの作品が並ぶギャラリーや文具、厳選家電など、本ばかりじゃないライフスタイルを楽しむアイテムもたっぷり

『代官山 蔦屋書店』

[住所]東京都渋谷区猿楽町17-5
[電話]03-3770-2525
[営業時間]9時〜22時
[休日]無休
[交通]東急東横線代官山駅から徒歩5分

撮影/西崎進也、取材/岡本ジュン

*本企画に掲載している価格は各書店の販売価格です

2023年11月号

※2023年11月号発売時点の情報です。

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