ここ最近、日本の芸能界・映画界における告発が相次いでいる。榊英雄監督、俳優の木下ほうか、園子温監督など、続々と “性加害” 疑惑が報じられたことを受け、女優たちもハラスメントの実情を吐露し始めた。

 4月13日配信の『文春オンライン』では、水原希子が取材に応じ、芸能界に性加害が起きる部分もあるとして、《私も男性監督から言葉のセクハラにあたるような発言をぶつけられた事は数え切れないぐらいありました》と告白している。

 水原は、映画業界において《(大勢のスタッフの前でも気にせずに)脱いで演じ切るのが立派な俳優だ、といった歪んだ捉え方を押し付ける暗黙の了解が存在していました》とも糾弾している。

 女優の鈴木砂羽も、声を上げた一人だ。12日には、作品配信サイト「note」を更新し、10数年前、有名映画監督と会食した当時のことを振り返った。

 次回作で主演の話があり、事前に試写会で監督の作品を鑑賞したが、鈴木が監督の思うような感想を語らなかったことで、機嫌が悪くなったという。

 次第に鈴木自身や過去の出演作品について《「あんなテレビの延長映画みたいな作品に出てイイ気になってる」「◯◯監督はクソだ、あんな作品に出てるお前もクソ」》などと罵倒し始めた。

 さらに、監督は過去に交際していた女優の名前を出し、売れたのは自分の功績だと語りだす。そんななか、鈴木の携帯にかかってきた電話に出ると、監督が激怒。「二度と顔を見せるな」と吐き捨てられたという。

 鈴木は《自分の身は自分で守るしかない。そして自分の感覚は間違ってはいないと信じる事、今のところできる事はこれしかないと言い聞かせた》と振り返った。

 是枝裕和監督を含めた6人の映画監督も、騒動を受けて声明を発表。

《最近になって突然増えたわけではありません。残念ながらはるか以前から繰り返されてきました。それがここ数年、勇気を持って声を上げた人たちによって、ようやく表に出るようになったに過ぎません》とした。

「一連の報道で、隠蔽され続けてきた芸能界のハラスメント構造の一端が明らかになりました。今回告発した女優さんたちの証言では、『仕事を紹介してあげる』などの誘いがあったという話を多く目にします。

 監督やプロデューサーが、売り出し中の女優たちに対して、強大な権力を悪用したということです。これまでは、そうした振る舞いは『女癖が悪い』といった言葉で片付けられてきました。しかし、もはやそれは通用しない時代なのです」(芸能ジャーナリスト)

 #MeToo運動以来、ハリウッドでは「インティマシー・コーディネーター」というシステムが定着した。作品内で性的なシーンを演じる際、演者側と制作側双方の希望を擦り合わせる役割を担っている。今回告発した水原も、ネットフリックス配信の映画『彼女』では同システムが導入されたという。

 変化は起こりつつある。海外に続き、日本の芸能界も変われるのか、注目が集まっている。