Googleの無料OS「Chrome OS Flex」とは? Chrome OS、CloudReadyとの関係を整理する

写真拡大 (全4枚)

Googleは、2022年2月15日、「Chrome OS Flex」という無料OSを発表した。
いきなり新しいOSが発表されたことで驚いている方もいるかもしれない。

そこで今回は、Chrome OS FlexがどういうOSで、どういう経緯で開発・発表されたのかを簡単に紹介したい。


●Chrome OS、CloudReady、Chrome OS Flexの関係
2022年2月15日、GoogleはChrome OS Flexという無料OSを発表した。
これは、Googleが提供するパソコン Chromebookに搭載されている「Chrome OS」の無料バージョンだ。
古いWindowsパソコンやMacにインストールすることで、そのマシンをChromebook化できる(Androidアプリが利用できない等の違いはある)。

ただし、同じことはCloudReady(クラウドレディ)という無料OSでも可能だった。
そしてChrome OS Flexは、このCloudReadyをベースに開発されている……。

こうした事情を知らないと、すでにここまでで何が何だか分からないと思う。
そこで、以下では簡単に状況を整理した。
上記で出てきた3つのOSについて順番に説明すれば、概要がつかめると思う。

・Chrome OS
Chrome OSはChromebookに搭載されているGoogleが開発したOS。
Chromebookに組み込まれたOSとして提供され、OS単体では提供されていない。

Chrome OSが最初に登場したのは2009年にまでさかのぼる。
同年にChrome OSのオープンソース版である「Chromium OS(クロミウムOS)」も公開されている。
この結果、Chromium OSをベースとしたオープンソースのOSもいくつか開発されている。


Chrome OS:Chromebookに最初から組み込まれているOS。OS単体では提供されていない。



・CloudReady
米国のNaverwareという会社が開発したChromium OSベースのOS。
Chromium OSがベースなので、Chrome OSのクローンOSということになる。
実際にWindowsパソコンやMacにインストールすることで、そのマシンをChromebook化することができる。

開発したNeverwareは、2020年12月にGoogleに買収された。その際、Googleは将来的にChrome OSとCloudReadyを統合することを発表している。


CloudReady:Chrome OSのオープンソース版であるChromium OSをベースに米Naverware社が開発したChrome OSのクローンOS。Neverwareは2020年12月にGoogleに買収された。



・Chrome OS Flex
GoogleがCloudReadyをベースに開発したオープンソース版のChrome OS。
前述した「Chrome OSとCloudReadyを統合する」という発表の具体的な成果の1つが、Chrome OS Flexということになる。

Chrome OS Flexは、USBメモリへのインストールとPC/Mac本体へのインストールが選べる。
USBメモリにインストールした場合は、現在の環境をそのままにしてChrome OS Flexを試すことが可能。ただし、発表されたChrome OS Flexはまだ早期アクセス版で、動作は不安定だ。安定した動作を求めるならCloudReadyが推奨される。

なお、Googleは今後数ヶ月以内にChrome OS Flexの安定版を提供するとアナウンスしている。その際には、既存のCloudReadyは自動的かつ無料でChrome OS Flexにアップグレードされるということだ。


Chrome OS Flex:GoogleがCloudReadyをベースに開発した無料のOS。CloudReadyの後継の位置付け。写真はChrome OS FlexをUSBメモリにインストールし、Windowsマシンに挿してUSBから起動した状態。



●今後はChrome OS Flexに注目
以上が、Chrome OS Flexを巡る現在の状況だ。

現在、GoogleはChrome OS Flexの安定版を急ピッチで開発していると思われるので、今後、数ヶ月で安定版がリリースされ、その後CloudReadyは徐々にフェードアウトし、Chrome OS Flexに1本化されると予想される。

ただし、先にも述べたように、現在のChrome OS Flexは早期アクセス版で問題も多い。実際に筆者が試した範囲では、CloudReadyがインストールできたマシンにChrome OS Flexをインストールできないという現象も確認している。

したがって、安定して使いたいなら、現時点ではCloudReadyのほうがおすすめだ。

とはいいつつ、今後の主役がChrome OS Flexになるのは間違いないだろう。
古いWindows PCやMacがあるなら、Chrome OS Flexの安定版を待ってインストールし、Chromebookとして再利用してみてはいかがだろうか。

Chrome OS Flex
CloudReady




井上健語(フリーランスライター)