今冬も、複数の日本人選手が欧州での挑戦を始めた。もはや数えきれないほどの日本人選手が欧州でプレーしているが、ここで一度、その顔ぶれを整理してみたい。現在のUEFA各国協会リーグランキングの15位までに限定し、選手のリストを作ってみた。なお、5大リーグまでは、2部に所属する選手も掲載する(★は今冬の新加入選手)。

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現在ベルギーでプレーする伊東純也(左上)、三笘薫(右上)と、ドイツでプレーする鎌田大地(左下)、遠藤航(右下)

【強豪リーグのプレーヤーはまだ少ない】

イングランド(UEFAランキング1位) 
南野拓実(FW/リバプール)
冨安健洋(DF/アーセナル)

 世界一のリーグの上位チームに、日本人選手がふたりも所属していることを喜びたい。特に冨安はミケル・アルテタ監督が率いるチームの完全なるレギュラーだ。一方の南野は、ライバルがアフリカネーションズカップから帰ってきた今、正念場を迎える。

スペイン(同2位) 
久保建英(MF/マジョルカ)
岡崎慎司(FW/カルタヘナ/2部)
柴崎 岳(MF/レガネス/2部)

 過去にも日本人選手が大成できていないラ・リーガでは、バルセロナの下部組織出身の久保でさえ、まだ成功を収められていない。技術を尊ぶ点が通じるため、日本人に合うリーグと見る向きもあるが、実際の難易度ははるかに高いのだろう。

イタリア(同3位) 
吉田麻也(サンプドリア)

 堅守の伝統を誇るセリエAに在籍する唯一の日本人選手は、代表の最終ラインの重鎮にして主将の吉田だ。先の日本代表戦を負傷欠場した際、代役が活躍したため、復帰後には下位に苦しむクラブを押し上げて、また存在価値を証明したいところ。

【ドイツは1部2部合わせて12名がプレー】

ドイツ(同4位) 
原口元気(MF/ウニオン・ベルリン)
遠藤渓太(MF/ウニオン・ベルリン)
長谷部誠(MF/フランクフルト)
鎌田大地(MF/フランクフルト)
浅野拓磨(FW/ボーフム)
奥川雅也(FW/ビーレフェルト)
遠藤 航(MF/シュツットガルト)
伊藤洋輝(DF/シュツットガルト)
板倉 滉(DF/シャルケ/2部)
室屋 成(DF/ハノーファー/2部)
田中 碧(MF/デュッセルドルフ/2部)
アペルカンプ真大(MF/デュッセルドルフ/2部)

 1部に8名、2部に4名が在籍し、そのうち先の代表戦に招集された選手が5名と、欧州における日本人選手の一大拠点のひとつだ。注目は現在9位につけるウニオン・ベルリンで今季は主力としてプレーしている原口。チームは、まだ来季チャンピオンズリーグを狙える位置だ。

フランス(同5位) 
川島永嗣(GK/ストラスブール)
オナイウ阿道(FW/トゥールーズ/2部)
植田直通(DF/ニーム/2部)

 複数の言語を話す日本代表GK川島は、欧州で12シーズン目を過ごしている。クラブでも代表と同様に、バックアッパーを務めているが、ベンチでもチームのことを考えた言動をしているに違いない。

ポルトガル(同6位) 
藤本寛也(MF/ジル・ビセンテ)
食野亮太郎(FW/エストリル)
中島翔哉(MF/ポルティモネンセ)
中村航輔(GK/ポルティモネンセ)
川粼修平(FW/ポルティモネンセ)
守田英正(MF/サンタ・クララ)
田川亨介(★FW/サンタ・クララ)

 最も注目したいのは、日本代表MF守田ではなく、4強のすぐ下につけるジウ・ビセンテで背番号10をまとう藤本だ。20年夏に東京ヴェルディから期限付きで移ると、初得点を王者スポルティングから挙げ、今季は主力としてベンフィカを撃破。代表招集も近いか。

オランダ(同7位) 
堂安 律(MF/PSV)
菅原由勢(DF/AZ)
前田直輝(★MF/ユトレヒト)
ファン・ウェルメスケルケン際(DF/ズヴォレ)
中山雄太(DF/ズヴォレ)

 目下2位のPSVで右ウイングに定位置を掴みつつある堂安だが、2月5日には菅原を擁するAZに敗れた。代表でも存在感を増す中山らが在籍するズヴォレは最下位に沈み、1月にユトレヒトへ期限付き移籍した前田は初戦で足を骨折して、早くも今季絶望とも。

【ベルギーは一大拠点に】

オーストリア(同8位) 
北川航也(FW/ラピド・ウィーン)
中村敬斗(FW/LASKリンツ)

 元代表FW北川はオーストリア首都に移って3季目を過ごしているが、今季は無得点。元U-21代表の中村はオランダ、ベルギーを経て、オーストリア北部のクラブに辿り着き、今季から新設されたUEFAカンファレンスリーグでチームの勝利に貢献している。

スコットランド(同9位) 
古橋亨梧(FW/セルティック)
井手口陽介(★MF/セルティック)
前田大然(★FW/セルティック)
旗手怜央(★MF/セルティック)

 セルティックはかつて中村俊輔も活躍した当地随一の名門で、新たな日本ブームが巻き起こっている。アンジェ・ポステコグルー監督のもと、まず古橋がリーグカップ優勝の立役者となり、冬に加入した旗手はレンジャーズとのグラスゴーダービーで2得点1アシストと主役に。前田もすでに2得点を挙げている。

ロシア(同10位) 
橋本拳人(MF/ロストフ)

 凍てつく極北のピッチで奮闘している橋本は、デビューシーズン同様に、今季もチームの主力を張っているが、タフな相手が揃う中盤で負傷も重ねている。貴重な経験を積み、ゴールも増えているセントラルMFが万全になれば、また代表でも見てみたい。

セルビア(同12位) 
道渕諒平(MF/ラドニチュキ・ニシュ)
永澤竜亮(★FW/ラドニチュキ・ニシュ)
志村 謄(MF/スパルタク・スボティツァ)

 JAPANサッカーカレッジからモンテネグロでプロになった志村は、2017年夏から現所属先に移籍し、2019年は町田ゼルビアに期限付きで加入。J2では負傷もあって活躍できず、セルビアに戻り、守備的MFの主戦として戦っている。

ベルギー(同13位) 
三笘 薫(MF/ユニオン・サンジロワーズ)
町田浩樹(★DF/ユニオン・サンジロワーズ)
三好康児(MF/ロイヤル・アントワープ)
森岡亮太(MF/シャルルロワ)
伊東純也(MF/ゲンク)
渡辺 剛(★DF/コルトレイク)
香川真司(★MF/シント・トロイデン)
シュミット・ダニエル(GK/シント・トロイデン)
松原 后(DF/シント・トロイデン)
林 大地(FW/シント・トロイデン)
原 大智(FW/シント・トロイデン)
橋岡大樹(DF/シント・トロイデン)
坂元達裕(★MF/オーステンデ)
鈴木武蔵(FW/ベールスホット)

 日系クラブのシント・トロイデンに6名、そのほかに8名と、人数ではドイツよりも多い。三笘と町田を擁するユニオン・サンジロワーズが首位に立ち、それを追うのは三好が所属するロイヤル・アントワープだ。代表のエース伊東も11アシストと輝いている。

スイス/同14位 
川辺 駿(MF/グラスホッパー[ウルブス])
瀬古歩夢(★DF/グラスホッパー)
鈴木冬一(MF/ローザンヌ)

 昨夏にグラスホッパーへ移籍した川辺は好調を維持していた今冬、イングランド・プレミアリーグで8位につけるウォルバーハンプトンに引き抜かれた。今季はそのままスイスでプレーし、来季は労働ビザが降りれば、プレミアに挑戦するはず。