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車載しておきたいタイヤチェーン

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)editor:Taro Ueno(上野太朗)

2020年12月16日から18日にかけて、大雪によって関越自動車道で大規模な立ち往生が発生し、一時は上下線合わせて2000台以上が影響を受けた。

これは雪によってスタックした車両が複数台発生したことで、後続車両が動けなくなったのが直接の要因と言われている。

カーメイト・バイアスロン    カーメイト

いくらスタッドレスタイヤを装着していたとしても、雪の質や路面の状況、そしてスタッドレスタイヤの状態によっては今回のようなスタックしてしまうことも少なくないため、保険の意味も込めてクルマにはタイヤチェーンを積んでおきたいと思った人も多いのではないだろうか。

しかし、一口にタイヤチェーンといっても昔ながらの金属製のものから、最近では主流となりつつある非金属製、そしてエマージェンシー用という側面が強いが布製のものも存在しており、どれをチョイスしたらいいのか悩ましいところ。

そこで今回、カー用品の大手メーカーであるカーメイトにそれぞれのタイヤチェーンのメリットデメリットを聞いてみることにした。

カーアクセサリーのイメージが強いカーメイトではあるが、実は今から35年前の1985年から非金属製タイヤチェーン「バイアスロン」を開発・販売しており、さまざまなタイヤチェーンついて造詣の深いメーカーでもある。

金属製と非金属製のメリデメ

古くから存在する金属製タイヤチェーンの最大のメリットは、その価格だろう。安いものでは数千円で購入することもでき、保険として買うのであれば金銭的な負担も小さくて済む。

また、装着していないときはコンパクトに収納できるものが多いため、トランクスペースがミニマムな車種であっても積載スペースを圧迫しない点はありがたいところだ。

カーメイト・バイアスロン    カーメイト

走行面では大きな鎖を使用している金属製チェーンはグリップ力が高く、特にラダー型のタイプは発進時に力を発揮してくれる。

一方で、装着の煩わしさや乾燥路面での走行は不可という点や、使用後にメンテナンスを怠るとすぐにサビが発生してしまうなど、使い勝手の面ではやや劣るというのが金属製チェーンの特徴となる。

対する非金属チェーンは装着の容易性がメリットというのは多くの人が知るところだが、実は耐久性にも優れており、雪のない路面でも装着したまま走ることができる。

チェーン規制が行われることの多い関越自動車道だが、関越トンネル内は破損を防ぐためにチェーンを装着したまま走ることができない。しかし、一般財団法人日本自動車交通安全用品協会(JASAA)が認定する非金属チェーンであれば、装着したまま走行することができる。

またグリップの面でもタイヤの接地面全体を覆うように装着するため、さまざまな方向にグリップ力を発揮し、金属製チェーンに比べて圧倒的に乗り心地が良いこともメリットといえる。

ただし、非金属チェーンは形状がタイヤにフィットするように作られているため、装着していないときはかさばる点や金属製チェーンに比べて価格が高くなる点がデメリットということになる。

非金属チェーンの粗悪品には注意

いざという時の保険という点では金属製チェーンの手ごろな価格も魅力的であるが、実はネットで調べてみると非金属チェーンでも金属製チェーン並みの低価格の商品が存在していることに気付くかもしれない。

しかし、この格安チェーンのほとんどは粗悪品やコピー品であり、いざ取り付けしようとしたときにそもそもサイズが合っていなくて装着ができないものや、数百m走行しただけで破損してしまうようなものがほとんどだという。

三菱デリカD5

問題がない商品かどうかを判断するのは、前述の一般財団法人日本自動車交通安全用品協会(JASAA)の認定品かどうかをチェックするのがベスト。一部の輸入商品に関しては、海外の認定期間であるTUVやONORMが認定しているかどうかで判断したい。

ちなみにJASAA認定の非金属チェーンは最低でも購入後5年間、装着走行距離600kmの耐久性は担保されているので、購入した年に降雪がなかったとしても翌シーズンに繰り越すことができる。

もはやここまできてあらためて言うことでもない気がするが、まずは予想外の雪に対する備えをするというのが最も大切なことであり、その中で金属製チェーンにするのか、非金属チェーンにするのかは、各自の使用するシーンによって選ぶのがベストだろう。

雪の予報が出てから購入しようとしても、店舗にお客が殺到して希望のサイズのタイヤチェーンが買えなくなるシーンを幾度となく見てきたので、事前に準備しておくことを忘れないようにしたい。