名将の域に近づいている川崎・鬼木監督。なぜそれに相応しい扱いを受けていないのか
川崎フロンターレ。直近の2試合を1分1敗と足踏みしたので、その優勝決定は最短でも11月21日の大分トリニータ戦に持ち越されたが、2位ガンバ大阪との勝ち点差は14もある(11月15日現在)。その優勝は、時間の問題であることに変わりはない。
とはいえ、不思議なことに、川崎に対して見るからに強そうな印象は抱かない。独走した原因、どの要素において、他のチームを圧倒しているのか述べよと問われた時、わかりやすい回答を返すことは難しい。
派手な活躍をした外国人選手がいたわけでもない。クラブに在籍する外国人はわずか4人(チョン・ソンリョン、ジェジエウ、レアンドロ・ダミアン、ジオゴ・マテウス)で、5人という枠さえ満たしていない。ジオゴ・マテウスにしても、右サイドバック(SB)として3試合に出場しただけなので、実質、戦力になったのは3人だけだ。
日本人選手の活躍が他のチームより目立ったとの結論になるが、該当する選手の名前が、口を突いて出てくるわけではない。エース不在。スター不在。日本代表でスタメンを張るような、誰もが知るメジャーな選手はいない。最も名が売れているのは40歳の中村憲剛だが、シーズンの3分の2は怪我のために欠場していた。
新人三苫薫が左ウイングとして活躍したこと。湘南ベルマーレから加入した右SB、山根視来が、スタメンを張り続けたこと。昨シーズンとの一番の違いは、大きくこの2点になる。しかし、三苫にしても、スタメン出場が増えたのは割と最近のことで、山根にしても、チームにハマった感はあるが、即、日本代表でスタメンを張れそうかと言えば、イエスとは言いにくい。
川崎の1試合の平均得点が2.6で、失点は0.9。成績は華々しいが、その割に見出しにはなりにくいサッカーだ。メディア泣かせの独走劇である。しかし、それこそがサッカーの魅力ではないか。サッカーのチームスポーツとしての特性が発揮された結果だと思う。
微調整を施しただけで、昨季4位に沈んだ川崎のサッカーは劇的によくなった。そうした言い方ができる。監督の鬼木達は、今季が4シーズン目だ。就任初年度の2017年は鹿島アントラーズを最終週で逆転して優勝。2018年は2位サンフレッチェ広島に12ポイント差をつけて連覇を飾った。だが、その好成績の背景には、前任監督である風間八宏氏の存在が見え隠れしたものだ。優勝は前監督時代の遺産に助けられてのものだとする見方が消えずにいた。
万人が認める名将になれるか。就任3シーズン目の2019年は、鬼木監督にとって勝負の年だった。ところが前述の通り4位に終わる。華々しい攻撃的サッカーを展開して優勝した横浜Fマリノスに比べ、川崎のサッカーは、勝ち点10差という数字以上に劣って見えた。
それがいまや、両者の関係はすっかり逆転した状態にある。勝ち点差は22も開いている。消化試合数は、横浜Fマリノスの方が5試合多いので、少なく見積もっても30ポイント程度は開いているものと考えていい。川崎のサッカーがパッと見、大きく変わったわけではないのに、だ。
しかし、微調整は効いていた。逆に、横浜のサッカーは微調整が効かなくなっていた。どちらがよいサッカーであるかと言えば川崎。今季は、ちょっとしたことで、サッカーが良くも悪くも劇的に変化することを示した1年だった。
「ちょっとしたこと」とは、サッカーゲームの戦い方であることは言うまでもない。横浜の戦力が劇的にダウンしたかと言えばノーだ。川崎の戦力が飛躍的に上昇したかと言えば、これまたノーだ。
それぞれの成績に最も強く関与したものは何かと言えば、監督采配になる。昨季の鬼木采配は、ポステコグルーの采配に劣ったが、今季は大きく勝った。川崎の現在を語る時、なにより外せないのは、鬼木監督の采配力になる。
とはいえ、不思議なことに、川崎に対して見るからに強そうな印象は抱かない。独走した原因、どの要素において、他のチームを圧倒しているのか述べよと問われた時、わかりやすい回答を返すことは難しい。
日本人選手の活躍が他のチームより目立ったとの結論になるが、該当する選手の名前が、口を突いて出てくるわけではない。エース不在。スター不在。日本代表でスタメンを張るような、誰もが知るメジャーな選手はいない。最も名が売れているのは40歳の中村憲剛だが、シーズンの3分の2は怪我のために欠場していた。
新人三苫薫が左ウイングとして活躍したこと。湘南ベルマーレから加入した右SB、山根視来が、スタメンを張り続けたこと。昨シーズンとの一番の違いは、大きくこの2点になる。しかし、三苫にしても、スタメン出場が増えたのは割と最近のことで、山根にしても、チームにハマった感はあるが、即、日本代表でスタメンを張れそうかと言えば、イエスとは言いにくい。
川崎の1試合の平均得点が2.6で、失点は0.9。成績は華々しいが、その割に見出しにはなりにくいサッカーだ。メディア泣かせの独走劇である。しかし、それこそがサッカーの魅力ではないか。サッカーのチームスポーツとしての特性が発揮された結果だと思う。
微調整を施しただけで、昨季4位に沈んだ川崎のサッカーは劇的によくなった。そうした言い方ができる。監督の鬼木達は、今季が4シーズン目だ。就任初年度の2017年は鹿島アントラーズを最終週で逆転して優勝。2018年は2位サンフレッチェ広島に12ポイント差をつけて連覇を飾った。だが、その好成績の背景には、前任監督である風間八宏氏の存在が見え隠れしたものだ。優勝は前監督時代の遺産に助けられてのものだとする見方が消えずにいた。
万人が認める名将になれるか。就任3シーズン目の2019年は、鬼木監督にとって勝負の年だった。ところが前述の通り4位に終わる。華々しい攻撃的サッカーを展開して優勝した横浜Fマリノスに比べ、川崎のサッカーは、勝ち点10差という数字以上に劣って見えた。
それがいまや、両者の関係はすっかり逆転した状態にある。勝ち点差は22も開いている。消化試合数は、横浜Fマリノスの方が5試合多いので、少なく見積もっても30ポイント程度は開いているものと考えていい。川崎のサッカーがパッと見、大きく変わったわけではないのに、だ。
しかし、微調整は効いていた。逆に、横浜のサッカーは微調整が効かなくなっていた。どちらがよいサッカーであるかと言えば川崎。今季は、ちょっとしたことで、サッカーが良くも悪くも劇的に変化することを示した1年だった。
「ちょっとしたこと」とは、サッカーゲームの戦い方であることは言うまでもない。横浜の戦力が劇的にダウンしたかと言えばノーだ。川崎の戦力が飛躍的に上昇したかと言えば、これまたノーだ。
それぞれの成績に最も強く関与したものは何かと言えば、監督采配になる。昨季の鬼木采配は、ポステコグルーの采配に劣ったが、今季は大きく勝った。川崎の現在を語る時、なにより外せないのは、鬼木監督の采配力になる。