あなたは「三越」と聞いて、どんな建物を思い浮かべるだろうか。大手百貨店の一つということで、きっと多くの人が大型の店舗を想像するだろう。

しかし、そのイメージを覆すような三越の建物が発見され、ツイッターで話題となっている。


三越石巻(画像はソラシド@yunyeungchaさん提供)

それは宮城県石巻市にある「三越 石巻」。1、2階ほどの建物で、規模としてはかなりコンパクトだ。「越」のロゴマークがあるので、かろうじて三越だと分かるが...地元のスーパーに見間違えられてもおかしくない。

この写真は、ツイッターユーザーのソラシド(@yunyeungcha)さんが2020年6月29日、

「石巻三越、『百貨店とはクソデカ建築でなければならない』という傲慢な東京人の概念を一瞬で打ち崩してしまう」

とコメントを付けて投稿。7月3日20時時点で2万8000万件を超えるいいねが付いている。

ツイッターでは投稿に対し、

「しまむらより小さい...?」
「これは!可愛くていい!」
「もしかして世界一小さい三越?」
「この佇まい・・・何とも言えない哀愁があって癒されますね」

といった声が寄せられている。

全国に存在していた

話題になったのは「サテライト店」と呼ばれる小型店舗で、日本各地に存在する。小さな三越は複数あるようだ。

Jタウンネットは6月30日、三越伊勢丹ホールディングス(本社・東京都新宿区)の広報担当者に詳しい話を聞いた。

三越石巻は仙台三越を母店としたサテライト店で、1987年にオープン。2011年に発生した東日本大震災の津波被害を受け、12年に今の場所に移転した。

建物は1階建ての平屋で、敷地面積は162平米。母店の大型店が特別なイベント等で必要となる商品を販売しているのに対し、サテライト店は食品や生活必需品等の販売、ギフト商品の受注や受け取りより地域住民の生活に密着した店舗になっている。

多少の差はあるものの、他のサテライト店に関しても、敷地面積は150〜300平米ほど。「500平米を超えるところはあまりない」と担当者は話す。

小さい店舗であることのメリットを聞いてみると、

「大型の百貨店ではないので、小さな土地があれば出店が可能です。住宅地や郊外など、よりお客様に近いところに出店ができます」

とのこと。

出店場所は、母店がある東京・日本橋や銀座といった繁華街とは異なり、世田谷や青梅など人々の生活圏が中心となっている。サテライト店を含む小型店の数は、当然ながら母店数よりも多い。

担当者はサテライト店がツイッターで話題になったことに対し、

「こういったタイプの店は何十年も前からありますが、認知度がまだまだ上がっていないんだなと思いました。これを機に小さなお店の存在も知っていただけたらと思います」

としている。