by Kārlis Dambrāns

アメリカは以前から、中国の大手通信機器メーカーであるHuaweiや大手スマートフォンメーカーのZTEを危険視しており、「情報通信上のリスクがある」と主張していました。2020年6月30日、ついにアメリカの連邦通信委員会(FCC)が正式にHuaweiとZTEを「国家安全保障上の脅威」に指定しました。

FCC DESIGNATES HUAWEI AND ZTE AS NATIONAL SECURITY THREATS DOC-365255A1.pdf

(PDFファイル)https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-365255A1.pdf

FCC formally declares Huawei, ZTE ‘national security threats’ | TechCrunch

https://techcrunch.com/2020/06/30/fcc-huawei-zte-national-security/

FCC designates Huawei, ZTE as risks to national security - The Verge

https://www.theverge.com/2020/6/30/21308477/fcc-huawei-zte-ban-universal-service-fund-national-security-threat-risk



アメリカは「ZTEはアメリカによる対イラン・北朝鮮制裁措置に違反した」としてさまざまな制裁を科しており、2018年にはアメリカ企業のZTEに対する部品の輸出を7年間禁止する措置を執りました。また、ドナルド・トランプ大統領は中国政府がHuaweiをはじめとする中国企業の製品にバックドアを設けていると主張し、2019年5月に「情報通信上のリスクがある外国製品の取引を禁止する」という大統領令に署名してHuawei排除の動きを強めていました。

2019年8月には、政府機関がHuawei、ZTE、Hikvision、Hytera、Dahuaの5社から通信機器・ビデオ監視機器・その他サービスを直接購入することを禁止する暫定規則を発表しました。Huaweiは「中国企業に対するこれらの決定は憲法に違反する」と訴訟を起こしていましたが、2020年2月に「アメリカ政府の決定は合憲である」との判決が下っています。

「アメリカ政府のHuawei排除は違憲か」を争う裁判にHuaweiが敗訴、その理由とは? - GIGAZINE



by Kārlis Dambrāns

2020年6月24日には、アメリカ政府によりHuaweiなどを含むいくつかの中国企業が、アメリカ国防総省が管理する「中国人民解放軍によって所有または管理されている」とされる企業リストに指定されたことが判明しています。

米、ファーウェイなどを中国軍の「支援企業」に指定 罰則の可能性 - ロイター

https://jp.reuters.com/article/usa-china-military-idJPKBN23V38C



そんな中、FCCは正式にHuaweiとZTEを「国家安全保障上の脅威」に指定するとの最終決定を下しました。今回の決定により、通信事業者はFCCが管理するUniversal Service Fund(ユニバーサルサービス基金)の助成金を使ってHuaweiやZTEの通信機器を購入したりメンテナンスしたりできなくなるとのこと。ユニバーサルサービス基金の助成金は年間83億ドル(約8900億円)に上り、多くの小規模通信事業者が通信網を整備する名目で助成金を利用しています。

FCCのアジット・パイ委員長は、「圧倒的に重い証拠に基づいた今日の命令により、FCCはHuaweiとZTEをアメリカの通信ネットワークと5G通信網の未来に対する国家安全保障上の脅威に指定しました。いずれの企業も中国共産党と中国人民解放軍と密接な関わりを持っており、どちらも中国の諜報機関に協力することを義務づける中国の法律の対象となっています」「アメリカ政府とFCCは、中国共産党がアメリカの通信ネットワークの脆弱性を突き、私たちの重要な通信インフラストラクチャーを侵害することを許可できません」と述べました。



FCCの委員であるGeoffrey Starks氏は、すでにアメリカ国内でHuaweiおよびZTEの機器が広く使われているため、使用されている場所を特定して交換する必要があると指摘。多くの通信事業者が信頼できない機器を交換するために政府機関の支援を必要としているものの、交換用の資金が不足している点が問題だと述べました。