ファーウェイMate 30 Pro 5Gは傑作モデル! しかしGoogleレスの弱点とユーザーはどう付き合っていけばいいのか?

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ファーウェイは3月28日、SIMロックフリースマートフォン「HUAWEI Mate 30 Pro 5G」を発売した。

日本国内で販売されているファーウェイのSIMロックフリースマートフォンは、エントリーモデルのNovaシリーズ、フラグシップモデルを含むPシリーズ、そして最新機能を真っ先に採用するMateシリーズがある。

Mate 30 Pro 5Gは、前モデルMate 20 Proの流れを組む丸みを帯びたフォルムを採用。背面素材にはガラスやメタルではなく、手触りが良いビーガンレザーを採用している。
この背面素材は、iPhoneによってスマートフォンのデザインが画一化される前、樹脂や表面加工、色合いなど、背面の素材を模索していた頃のモデルを彷彿とさせる原点回帰とも言える試みだ。


人工皮革とはいえ、触り心地はガラスやメタルの素材とは比較できないほど手に馴染む。
毎日使うスマートフォンだからこそ、ビーガンレザーは相性が良いと感じた。
そして、メタルパーツを敢えてデジタルカメラのレンズのように印象づけるデザインしているところも、素材の使い方のうまさである。


この背面カメラには、約4000万画素の超広角カメラと、同じく約4000万画素の抗各区カメラ、約800万画素の望遠カメラ、そして3D被写界深度測定用のクアッドカメラ構成だ。

もちろん、Mateシリーズなので搭載されているのは「Leica(ライカ)」カメラである。Mate 30 Pro 5Gは最新のチップセット「Kirin 990 5G」を搭載し、高いイメージ処理能力とAI処理能力で、最高7680fpsのスーパースローモーション撮影や、4K60P撮影、そして光学式手ブレ補正(OIS)とAIによる手ブレ補正(AIS)で手持ち撮影でも安定した動画撮影を可能とした。


4K60Pの高精細で滑らかな映像が、安定して長時間撮影できるようになった


ライカ画質×超広角カメラ


デジタル50倍ズームでは、肉眼では見えない細かい形を発見できる

特に、動画撮影機能は新機種がでるごとに画質の向上は見られるものの、手ブレ補正や画質などにまだ詰めが甘い部分があるように感じていた。もちろん、静止画撮影は従来通りライカカメラ クオリティの写真撮影が楽しめること、それがファーウェイのスマートフォンの魅力である。
Mate 30 Pro 5Gは、従来機の動画の不満点に着手し、テコ入れをして動画撮影の機能向上や長時間撮影、手ブレ補正などの完成度を上げてきているのだ。

Mate 30 Pro 5Gの滑らかな4K60P動画

屋内や夜の撮影など、高感度性能を要求するシーンでは、ソフトウェア技術が重要であるが、ファーウェイはソフトウェア技術の向上だけではなく、最新のイメージセンサーや大型のイメージセンサーを搭載することにも貪欲に取り組んでいる。

こうした、ハイエンドチップセットの高いパフォーマンスによるAIシーン認識やライカ画質、そして3つのカメラと被写界深度測定カメラの制御、滑らか高画質4K60Pに対応した動画撮影機能で、スマートフォンのカメラとしては文句なしの製品である。

3Dグラフィックスのパフォーマンスも向上しており、大画面を活かしたゲームプレイにも最適なスマートフォンとなった。

Mate 30 Pro 5GとMate 20 Pro、Mate 10 Proとのパフォーマンス比較


しかしながらMate 30 Pro 5Gの最大の弱点が、グーグルのService「Google Mobile Service」(GMS)に含まれるアプリストアが利用できないところだ。


Mate 30 Pro 5Gのホーム画面、グーグル関連のアプリアイコンがない

ファーウェイは早い段階から独自のアプリストアサービスを展開しておりグーグルのPlayストアと並行して独自のアプリストアを搭載していた。その点に感しては、急遽立ち上げたサービスではなく、しっかりと足固めをして来たサービスであるので、内容は充実している。現在は正式名称を「AppGallery」としてファーウェイ製スマートフォンに標準搭載し、これらを含むサービスを「HUAWEI Mobile Service」、HMSとしている。


フォートナイトなどメジャーゲームもあり、メルカリやNAVITIMEなどのアプリもすぐに利用できる

GMSが利用できないとどうなるのか?

まず、多くのユーザーがよく使うであろうグーグル標準アプリの「Googleマップ」やWebブラウザ「Chrome(クローム)」、そして「YouTube」がプリインストールアプリとして非搭載となる。

これらのアプリの機能を実現するためには、近いサービスをもつ代替アプリを利用する必要がある。この手間が、ユーザーにとってハードルが高いと思うこともあるだろう。実際、ある程度のレコメンドがないと途方に暮れてしまうのは確かだ。

例えば、乗り換え検索は「NAVITIME」で、ウェブブラウザはファーウェイ製の「ブラウザ」アプリがそのまま利用できる。そしてYouTubeは、このブラウザで視聴可能だ。

最近では「LINE」やECサイトのアプリなど、生活に直結するアプリも増えてきたので、使い勝手が良くなってきたように思う。

とはいえ、まだ100%従来のアプリが使えるというわけではない。
企業だけではなく個人も制作しているアプリは、ある用途に特化したアプリもある。つまりアプリは、利用する人によってよりパーソナルなものであるため、メジャーなアプリがあればそれで済むというわけではない。

こうした互換性やアプリ利用の可否があるため、Mate 30 Pro 5Gの購入前にファーウェイのECサイトでは、GMSが利用できない旨を表示し、理解した上で購入するというプロセスを取っている。

このプロセスは、セールとしてはマイナスである。一方で、知らずに購入した場合は、消費者に不利益を与えることに直結しているため、この取り組みは評価したい。


Phone Cloneアプリはデータだけではなく、アプリも引き継ぐことができた

なお、実機で試したところデータのお引っ越しアプリ「Phone Clone」(プリインストールアプリ)で別の端末からデータを移行したところ、AppGalleryにはないアプリをMate 30 Pro 5Gに引き継ぐことができた。
ただし、ログイン情報やデータなど引き継げないものもあったが、前使っていたスマートフォンのアプリはある程度引き続き利用は可能である。


AppGalleryにはないベンチマークアプリ「3DMARK」がMate 30 Pro 5Gで動いた

ここで一つ注意することがある。
引き継いだアプリは、もともとグーグルのPlayストアのアプリであるため、最新版へのアップデートができないのだ。
バグ修正や機能向上の恩恵が受けられないばかりか、セキュリティーリスクに晒されることにもなりかねないので注意が必要となる。

一応、前使っていたスマートフォンでアプリのアップデートをして、もう一度Phone Cloneアプリでデータを引き継げば、アプリを最新版に保つことができる。


いずれにせよ、AppGalleryにはないアプリの追加に期待したいところではある。
筆者は、よく使うアプリが動けば、それほど多くのアプリを必要としないためある程度定番アプリがそろえば特に不満はない。
しかしユーザーによっては、どれだけアプリの種類を利用するのか?
利用スタイルによっては、Mate 30 Pro 5Gの評価そのものが、大きく変わるようにも感じた。


Mate 30 Pro 5Gは、ハイエンドモデルということで、購入するユーザーはスマートフォンを熟知したユーザーといえるため、アプリの動作については、それほど大きな問題ではないとも思う。
一方で、6月2日に発表となった「HUAWEI P40 lite 5G」や、エントリーモデル「HUAWEI P40 lite E」はGMSが利用できないことをどうやって周知させていくのかが課題となりそうだ。
執筆  mi2_303