「大きい飛行機」といえば、ボーイング747型機「ジャンボ」やエアバスA380型機が思い出されるところですが、「長さ」で比較するとそれらに匹敵、もしくは上回る飛行機も存在します。そのトップ5をまとめました。

「長さなら巨大機に負けない」機種も

 機種によっては数百人が乗れる飛行機。特に「ジャンボ」の愛称で馴染み深いボーイング747シリーズや、総2階建てのエアバスA380型機は巨大です。しかし実は「長さ」で比較すると、それに匹敵、もしくは上回る飛行機が存在します。2019年11月の時点で、航空会社の旅客便で就航している機種のなかで比べました。

1位はボーイング747の最新型「747-8」 ただ旅客型は日本に無し


手前がルフトハンザ航空のボーイング747-8型機、奥がカンタス航空の747-400型機(2019年5月、伊藤真悟撮影)。

 機体の長さ1位は「ジャンボ」ことボーイング747シリーズの最新モデル、747-8型機。長さは76.3mです。胴体が大きいことから貨物型が多い飛行機で、NCA(日本貨物航空)ではメインで使われています。一方で、旅客型は日本の航空会社では導入されておらず、海外航空会社の機材が日本へ乗り入れてくるのみです。

 ちなみに、かつてJAL(日本航空)やANA(全日空)が使っていた、日本人にはなじみ深い「ジャンボ」のボーイング747型シリーズ(-100型から-400型まで)は、これより短い70.6mで、今回挙げる5位までに入りません。

2位は「悲運のロング機」4発ジェットの「A340-600」

 次点は「1階建て」の飛行機がランクイン。全長75.3mのエアバスA340-600型機です。2011(平成23)年に、ボーイング747-8型がデビューするまで世界最長の飛行機でした。しかし、エンジン2発の双発機主流の風潮に対し、A340-600型はエンジンを4発搭載。経済性の点で弱みがあった同型機は、97機と少な目の機数で生産終了となりました。

日本の主力双発機もランクイン 「超ロングな機体」も開発中

 つづいて、3位から5位を見ていきます。

3位は日本の主力双発機「777-300」

 3位はボーイング777-300シリーズで、全長は73.9m。日本でもJAL、ANAが国内線、国際線ともに主力で導入している機種です。座席数はボーイング747シリーズに匹敵する500席超を搭載可能。2発の巨大エンジンを搭載した「双発機」では最大の全長です。

4位はJALが導入予定の最新鋭機「A350-1000」


手前がJALのA350-900型初号機、後ろがボーイング777-300型機(2019年5月、乗りものニュース編集部撮影)。

 僅差でボーイング777-300シリーズに次ぐのが、エアバスの最新鋭機であるA350-XWBシリーズの長胴型、エアバスA350-1000型機です。その全長は73.7mで、日本ではJALが導入する予定(標準型のA350-900型機は2019年9月から導入済)。新素材(複合材料)を使った胴体と新エンジンが特徴の双発機です。

 ちなみにJALがエアバス機を新導入するのは、このA350-XWBシリーズが初です(統合した会社からエアバス機を引き継いだことはあり)。

5位は総2階建ての巨大機「A380」

 1階建ての機体が“健闘”するなか、5位は総2階建ての巨大機エアバスA380型機です。全長は72.7m。「長さ」では5位なものの、座席数は最大800以上で、離陸重量も最大級です。生産終了が発表されましたが、日本ではANAが成田〜ホノルル(ハワイ)線に3機導入(就航中は2機)。「フライングホヌ(空飛ぶウミガメ)」の特別塗装が行われています。

 なお、このランキングを塗り替えてトップに立つ予定の「超ロングな機体」が現在、開発されています。2020年の導入が見込まれている「ボーイング777X」の長胴型、「ボーイング777-9」です。

 その長さは、1位のボーイング747-8型機の76.3mを上回る76.73m。日本ではANAが20機、発注済みです。ちなみにボーイングは、これよりもっと長い「777-10X」も研究中といわれています。