早期参入しなければ事業機会失う…加速する協働ロボット開発競争
三菱電機はこれまでに6軸の垂直多関節型で、可搬質量5キログラムの協働ロボットの試作機を開発。投入予定の製品も同ロボットをベースに開発する。古谷友明機器事業部長は「人工知能(AI)技術も入れていきたい」という。AIで人の視覚や触覚に当たるセンサー機能をより使いやすくし、ばら積み部品の取り出し、部品の組み付けといった複雑な設定が必要な作業にも、容易に対応できる技術や使い方を想定する。
5月には米国のスタートアップ企業に出資。作業環境を把握してロボットの最適な動作経路を自動生成する同社の技術を活用し、障害物を回避するシステムを20年をめどに開発する。柵がない協働ロボットで想定される動作経路への人の突然の侵入にも、「停止することなく作業を継続して生産性を高めたい」(古谷部長)と使いやすさを追求する。
固定治具不要
東芝機械は人と同じ作業スペースで活用できる協働ロボット2機種を開発する。片腕7軸で垂直多関節型のタイプは腰の前後と回転動作で計16軸、片腕4軸で水平多関節(スカラ)型のタイプは腰の回転を含め計9軸で構成。両機種とも片腕の可搬質量は6キログラム、両腕で同10キログラムを実現し、多様な用途での活用を想定する。
双腕型は人のように対象物(ワーク)を片腕で押さえながら、別の腕で部品の組み付けなどの作業が可能。ワークを固定する治具などを新たに設けることなく、既存の生産設備を活用できる。
協働ロボットの設置の自由度をさらに高めることで、従来のロボットでは導入が難しかった人手作業への適用も見込まれ、「新たな需要を掘り起こしたい」(同社担当)と期待する。
単腕のスカラ型
スカラロボットが強みのセイコーエプソンも19年度内に協働ロボットの投入を予定。単腕でのスカラ型の協働ロボットとなれば業界でも珍しく、用途開拓も注目される。
富士経済は世界の協働ロボットの市場規模が25年に18年比7倍の4110億円に拡大すると予測。人手の確保や生産量の増減への柔軟な対応などの視点から需要が高まると見込む。
一方、先行メーカーによる市場開拓も本格化する。早期に参入しなければ、事業機会を失うとの危機感も各社の開発を後押しする一因となっており、成長市場を巡る競争が激しさを増している。
